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加門七海




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たてもの怪談

加門七海
たてもの怪談 加門七海 エクスナレッジ
「あとがき」
たとえば会社、スーパー、商店、娯楽施設に社寺、病院、駅すらもが建物だ。そこを渡り歩いて帰っても
落ち着くところは一戸建てやらアパート、マンション、最終的には火葬場、墓、と、結局、我々は建物に納まる。
人の生活は建築なくしては成り立たない。そこにお化けが棲みつけば、当然、彼らは我々の日常に入り込んでくる。
本書はそういった建物にまつわる話を集めている。再録もあれば、書き下ろしもあるのだが『お化けが出てきましてね』
という普通の怪談は比較的少ない。
書名は『たてもの怪談』だけど、半分はオカルト寄りの引っ越しノウハウや風水の話だ。
ゆえに怖くないかもしれない。が、建物が如何に人々の運命を左右しているか、それに気づけば、居心地の悪いものは
あるだろう。
建物を建てるのは我々だけど、その我々を建物は容易く支配してしまうのだ。
『引越物語』はマンション購入の経緯を記したものだけど、端から端まで歩いても十秒かからない空間を自分のものに
するまでに、なんでこんな騒ぎが起こるのか・・・・。
読み返して思うだに、多分、私は建物に憑りつかれているのだろう。
いや、私だけではない、誰も彼も、その空間に集う霊達も同じだ。私たちは死してのちまで、建物を拠り所としている。
取り込まれて、憑かれている。
睡眠中の金縛りをはじめ、世間にある怪談の多くが家の中の出来事なのは、畢竟、そういうわけではないのか・・・・。

加門七海

加門七海
HONKOWA 朝日新聞出版
「七海さんのオバケ生活 語り:加門七海 作画:みつつぐ

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加門七海
霊能動物館 加門七海 集英社

古くから人間と共生してきた動物たち。
彼らは、神社の狛犬、お稲荷様の狐、神社仏閣のあちこちに彫られた竜や鳥など
日本では古くから崇められる対象であった。
なぜ人は動物に神を見るのか?
狼、狐、竜蛇、憑きもの、猫、鳥、狸といった日本に存在する『霊能動物』の起源を
丁寧にわかりやすく繙く。
文献や伝承、そして著者自身の霊能体験と幅広い知識がふんだんに盛り込まれた力作。

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猫怪々 加門七海 集英社
あとがき
「猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが
猫が 猫が下駄はいて
絞りの浴衣で来るものか
オッチョコチョイのチョイ」

『いや、来るかもよ』
そう思ったあなたは、この本が楽しめるかもしれない。
揚げた唄は、幕末の頃にできた俗曲で、『猫』とは芸者のことだという。
しかし、この歌を最初に耳にしたとき、私は猫そのものを想像し
『来るかもよ?』
と思ったものだ。
『化け』のあとに続く言葉の代表が『猫』であるように、猫という生き物には、生まれながらに化ける
化かすという素質が備わっている。
猫好き達はそれを承知で彼らを身近に置くのであるから、猫が絞りの浴衣で来ても、さして驚かない。
実際、私は思い切り、ののという猫に化かされた。原稿を読み返して、そう気がついた。
本書は、病気の猫を拾ってからの、なりふり構わぬ手当たり次第のオカルト格闘技子育て日記だ。

猫好きの方は、本書の随所で首を縦に振ることだろう・・・読んでいた管理人も縦に振り続けました。

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怪のはなし 加門七海 集英社
「猫の話」
最初は夢から始まった。
夢の中、近所の公園を歩いていると、毛は汚れて艶が無く、何とも不潔に見える灰色の猫がいた。
『どこか具合が悪いのかな』
猫を抱こうとすると、少し抵抗したが、力尽きたようにおとなしくなった。
自分のマンションに猫を連れて行こうとすると、管理人が邪魔をする。
猫を穢れたものと決め付け、私の部屋まで入って来た。
『うるさいわね。出てってよ!』
見ると猫の姿がない。管理人と争っていたことで、どこかに逃げてしまったのか。
『どこにいるの?戻っておいで』 こう言ったところで夢から目覚めた。

夢うつつのまま布団から手を出すと、手に猫の毛の感触を感じた。
真っ暗な中、私は目を開いたが視界には何も映らなかった。
『ここにいて、いいんだからね』
その数日後の夕食時、テーブルの脇を通った影を目で追うと、そこに夢で見た猫がいた。
『夕食時に出るとはね。お前、お腹が空いているの?』
私は、おかずと水をそれぞれの小皿に入れ、床に置いた。
『猫の食べ物ではないけど、よかったらどうぞ』
それから、猫の姿を見るたびに食べ物を小皿へ入れて与え続けた。
ひと月ほど経つと、猫の様子が変わって来た。
毛並みが良くなり、動きが力強い。
猫が来てふた月ほどのち、猫は姿を現すと私の足に擦り付いて愛情を表現してくれた。
それを最後に、ぷっつりと私の前から姿を消した・・・成仏したのか、出て行ったのか・・・

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「怖い」が好き! 加門七海 理論社

もう四十年以上も昔、私がまだ小さかった頃の話です。
近くの公園で開かれた盆踊りに、友達と一緒に行きました。
目当ては踊りよりも、公園の端に並んだ夜店です。
私はソース煎餅を買って、浴衣を汚さないように食べました。
一緒に来た友達は、他の友達に誘われて盆踊りの輪の中にいます。
踊りの輪にはたくさんの人が入って、楽しそうに踊っていました。
知り合いに手を振ったりしていると、踊りの輪の影から、弘君が顔を出しました。
『あれ?』
思わず、私は声を出しました。
弘君は私を見つけて、少し恥かしそうにしていましたが、笑って小さく手を振りました。
私も手を振り返しましたが、なんだか変な感じがします。
『久しぶり・・・・』
続けて言おうとした時に思い出しました。
弘君は、去年の夏休みに海で溺れて死んでいたのです。

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もののけ物語 加門七海 角川文庫
『なんでこんなもの、買っちゃったんだろう』
人形、酒器、水晶ギツネ、掛け軸、銅鏡、香筒、幸運を呼ぶ猫。
オカルト好き、骨董好きが高じて、ひと目惚れだったはずが、気付けば妖しいものたちに魅入られ
なぜか頼られ、囲まれる日々。
怪談専門誌『幽』に連載し話題を呼んだ視える日々を赤裸々に綴った『怪談徒然日記』も収録。
あとがきとして、『お狐さん』との再会を果たした後日談も収録。
驚異と笑いに満ちたエッセイ集。

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怪談を書く怪談 加門七海 メディア・ファクトリィ

書けない話は存在する。
それが『力』の強い話だ。
この手のものを書こうとすると、寝た子を起こすごとく怪異は甦って禍を呼ぶ。
それどころか、洒落にならない事態を新たに招いてくる。
話の大小とは無関係だ。
この程度の話ならいいだろうとの、こちらの酌量も関係ない。
記憶が恐怖を呼び覚ますのか。
それとも、文字にすることで、何かの作用が働くのか。
私にはわからない。
けれど、『呼ぶ』 花医者呼ぶ。
書けない話は、絶対書けない。

標題作 「怪談を書く怪談」(本文より)

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心霊づきあい 加門七海 メディア・ファクトリィ

新倉イワオ CLAMP 立原透耶 飯田譲治 工藤美代子 平山あや
ザ・グレート・サスケ 竹内海南江 大森亮尚 松谷みよ子 稲川淳二
との加門七海の個別対談。
10人&1グループの心霊体験が多数語られています。
稲川淳二は、自分の体験を1人で話し続けていたようです。
出来上がった怪談でななく、体験した本人がそのままを語る怪談をどうぞ。

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怪談徒然草 加門七海
(文庫本) 角川文庫

(単行本) メディア・ファクトリィ

加門七海自身の体験を4日4晩にわたって語り切った実話怪談。

「療養地の一夜」
幼い頃の彼女は、体が弱くてしょっちゅう死にそうになっていた。
それで、彼女を療養させるために東京から埼玉に転居したが、父は仕事の都合で
東京に残り、母だけが彼女に付き添った。
ある晩、彼女が母に『キツク抱いて』と迫り、母は一晩中、娘を抱きしめてヘロヘロに。
その時に彼女は、自分の中身を引っ張り出される感覚と戦っていた。
この日を境に、病弱だった彼女が、殺しても死なないと思われるほどの健康体になった。
母は医者のすすめで転居することを父に説明したが、それは母の一存だったとのこと。
東京で住んでいた場所が良くないことを母は感じ取っていたのではないかとのこと。


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