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久瑠璃魎




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久瑠璃魎

久瑠璃魎
呪われた
廃墟の怖い話

久瑠璃魎

竹書房文庫
「幽霊団地で見たものは」
優子さんは10年ぶりの中学校の同窓会で霊感のある友人と二次会へ行った。
その帰り道を間違えて、いつしか人のまばらな住宅街へと迷い込んでしまった。
そこで二人は、繁華街へと続くと思われる団地の中を通って行くことにした。
突然、霊感のある友人がピタっと歩みを止めて、一点を凝視した。
彼女の視線の先に目を向けると・・・・
『ひ~~!』 優子は1度も霊など見たことがなかった。
そこには仰向けの男が宙に浮いていた。
『ごめんなさい。私には力がないの』
霊感のある友人の声が傍らから聞こえると、男は闇へ消えていった。
『さあ、行くわよ』
友人は優子の手を取ると、繁華街へ向かって走り出した。
その間にも、数十もの人影が二人を追いかけるようにやって来る・・・・
『見ちゃダメ。前を向いて!』
二人が明るい場所まで来ると、もう人影は消えていた。
『ごめんね。私のせいで怖い思いをさせてしまって・・・・。優ちゃんにも見えたのね』
優子は中学校時代、彼女の霊感が羨ましかった。
しかし、この体験以来、羨ましいと思うことは二度となかった。


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