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ほんとにあった
怖い話
幽霊事件30話
緑川祟久
秋田書店 |
「四百年前の亡霊が通る街道」
多田銀山-兵庫県川辺郡猪名川町にあるこの銀山に通じる街道に
今なお、殺された人夫や囚人の霊が通る・・・・
赤ん坊の夜泣きで一家が眠れないということで、僧侶を呼んで祈祷を
してもらった。祈祷が終わると僧侶は「この家の前の街道を夜な夜な
ノドをからした囚人らしい亡霊が何人も何人も通るのです。今晩から
大きな容器に水をくんで出しておきなさい」
夜中に外を雨戸の隙間から見ると、月明かりの街道を人影のような
ものが続いており、その影は手桶の前で止まっては、動いて行く。
翌朝、手桶を見ると、いっぱいに入れた水が3分の1ほどに減っていた。 |