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三木大雲

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三木大雲

三木大雲
続・怪談和尚の京都怪奇譚 三木大雲 文春文庫
「あげた薬指」
『指ちょうだい』
『え?』
思わず声を漏らして周りを見ました。
しかし、他の信号待ちをしている人たちは、何も聞こえていないのか、全く反応していません。
聞き間違いだろうかと思っていると、再び
『指が欲しいよ』
と聞こえてくるのです。

指を欲しがっているのは誰か、やがてそれが明らかになる。
思わず、ほっこりしてしまう・・・・そんな体験談。

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怪談和尚の京都怪奇譚 三木大雲 文春文庫
「葬儀」
お寺である方の通夜があったときのこと。
亡くなられた方の息子さん4歳がトイレに行きたいのいうので連れて行こうとすると
『ぼくじゃなくて、お父ちゃんが水を飲みたいんだって』
『お供えしている水を飲んでいいんだよ』
『お父ちゃん、お坊さんが
この水飲んでいいんだって』
親戚の方が集まってきて、本当に話せるのか?という話になりました。
そこで、その子の母親が来て
『お父ちゃんは最後に何か言いたかったようだけど、聞き取れなかったから聞いて』
すると、男の子は本堂の隅の方に行くと何やら話をしている様子。
『お父ちゃんの部屋の机に手紙があるから、お母ちゃんに読んでって』
あくる日の葬儀の後に奥さんが来られて、息子が言った場所に主人の手紙があった
こと、その手紙がこれだと説明されました。
中を読むと、奥様への感謝の言葉と、息子さんへのお別れの言葉が綴られていました。


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