居島一平 |
Amazon | 楽天市場 | ||
居島一平 |
居島一平 |
闇鍋怪談 猟奇の桜 居島一平 竹書房文庫 |
「楽しい学校」 東京の西のはずれの方で廃校になることが決まった小学校があった。 校舎の老朽化と児童数が確保できないとのことでの決定だった。 歴代のOBたちを招待して、校舎の前で記念撮影をしようという企画がもちあがった。 正規のカメラマンに依頼して、お爺ちゃんお婆ちゃんになった卒業生から現役の小学生に 至るまで、さまざまな年代の人間を集めての撮影は実施された。 紙焼きされた写真は、確認のため校長ほか地域の役員の人に届けられた。 それを見た皆が、校舎の四階の教室の窓を指さして 『この子はいったい誰?』 そこには満面の笑みを浮かべた男の子の顔がのぞいている。 『撮影当日は、こんな男の子、いませんでしたよ』 どう考えても『この世』のものではないだろうと皆が納得し、いったい誰なのか、歴代の 卒業アルバムを引っ張りだして調べてみた。 しかし、似た子供さえ見つからない。 『学校ができる前のこの土地に関係する子供なのか、それとも事情があって学校に 通えなかった子供なのか』 霊の存在など信じないようなオジサンたちが、あまりにも満面の笑みを浮かべてハッキリ と写り込んだ子供の顔を見て、そんな結論付けをした。 |