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桜金造 背筋の凍る話 リンド文庫 |
「亀麻呂」 岩手県の旅館に座敷童が出るという緑風荘がある。 桜金造は、ここで座敷童を見た6ヶ月後から良い仕事がたくさん 来るようになったとのこと。 また、売れないころのネプチューンも似たような体験があった。 桜金造も同行した怪奇番組のロケで心霊スポットへ行った際 名倉が後ろを歩く原田へ突然「なんだよ」と言った。 原田が「え?」と言うと『今、肩を叩いたやろ。おどしのベタネタなんだから』 原田はやってないと連呼したが、名倉は信じてない様子だった。 ロケ終了の数日後、ロケのVTRをスタジオで見ながらトークする番組へ 移行していった。VTRを見ると、原田の腕は上がっておらず、名倉の肩を たたく物は何もなかった。ただ、オレンジ色をした光が名倉の肩近くを通過 した直後に、名倉が『なんだよ』と振り向いていた。 肩を叩かれた時の感じを名倉にたずねると『頑張れよ、とか、元気かとか 励ますような感じでとてもフレンドリーでした』 それから、間もなくネプチューンが売れ出した。 亀麻呂のように、幸運をもたらす霊が確かに存在する。 |
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桜金造 背筋の凍る話 2 リンド文庫 |
「一家心中」 中学3年のときのご自身の体験。 夏休みのある朝、中学2年の時に千葉へ越したM君から 今日ボクの家に泊まりに来ないかと電話があった。 何でも、両親、姉が外泊するために自分しかいないとのこと。 早速、出かけた。 M君の家の最寄駅まで、M君が迎えに来てくれるはずがいないので M君宅へ何回も電話をしたが出ない。しかたがないので、M君宅に 歩いて行った。チャイムを鳴らすとM君が出てきた。 何度も電話したと言ったが、電話はかかってこなかったと言われた。 その夜、M君と布団を並べて話しながら寝た・・・。 翌朝、目覚めるとM君がいないので、着替えて近くを歩いていると パトカーが赤灯を点けて止まっていた。 なんだろうと見に行くと、それはM君一家の心中現場だった。 しかも、心中したのは4日前・・死んだM君から電話をもらい一夜を過ごした・・ |
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桜金造 背筋の凍る話 3 リンド文庫 |
「貧乏神はいる」 今は大繁盛の中華料理店は、知人が経営しているとのこと。 しかし、開店当初は客が来ない日が続いた。 他の店には客が流れるのに、どういうわけか客足が絶えたまま・・・ 閉店を考えていた知人が相談してきた。 まず、店に行き、料理を食べたが、これと言って客が来ない理由が 見つからない。 それで、知りあいの霊能者に見てもらうことにした。 数日後、店に知らない男が入ってきた。 食事をするためのテーブルには座らず、待合せ用に設置した テーブルに座っていた。 『もう大丈夫です』 この男が霊能者だった。 『貧乏神は、数軒お隣の店に追いやったから、ご安心を』 その晩から、オセヤオセヤの大盛況のお店になってしまうんです。 霊能者曰く、貧乏神は祓えない・・・追い払うしか出来ないそう・・・ |
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背筋の凍る話 4 桜金造 リンド文庫 |
「和室?それとも洋室?」 桜金造自身が体験した、とてもややこしい怪異。 突然、仏像がたまらなく見たくなり、奈良、京都へ行った。 ちょうど、修学旅行シーズンで大きなホテルはいっぱい。 なんとか、古びたビジネスホテルで部屋が見つかった。 チェックイン時に、受付をしてくれた男性がパソコンをたたいていると・・・ 27歳くらいの女性がやってきて 『お客様、洋室になさいますか?今日でしたら、洋室シングルのお値段で 特別に和室を提供させていただきます。いかがなさいますか?』 『じゃあ。和室にしてください』 キーを渡され、部屋に案内されるが暑いので冷房を強にした。 眠りに就いた、そして夢を見た。 それは、黒い煙に巻かれそうになりながら逃げて行く。熱い、ただただ熱い・・・ 吸う息が熱い・・・肺が焼かれる、と思ったところで目が覚めた。 暑い、とても暑い、見るとエアコンが暖房の強に切り替わっていた。 とても気持ちの悪い部屋だと思い、周りを見て愕然とした。 和室で寝ていたはずが、ベッドに寝ている。しかも、部屋は見たこともない洋室。 このホテルに和室はないという・・・ |