住倉カオス |
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| 百万人の恐い話呪霊物件 住倉カオス 竹書房文庫 「メメントモリ」 葬儀社に努める女性が同僚と二人で、病院で亡くなった方を自宅まで搬送したときのこと。 その遺体は男性で、定年退職後、しばらくして亡くなった方で享年六十一歳であった。 搬送車は同僚が運転し、彼女は助手席に座っていた。 しばらく走っていると、後ろから突然・・・ 『次、右』 という男の声が聞こえた。 彼女たちは息を飲んだ。もちろん、彼女たち以外に人は乗っていない。 『これは言う通りにしないとまずいぞ』 二人で同じことを思ったとのこと。 『次、左』 『次、左』 『次、右』 指示が出なくなったところで自宅へと向かった。 自宅に到着したが、後ろの車から降りてきた遺族には ”故人が化けて出た”と取られかねないと 思って、今の話はできなかった。 『すみません、遠回りしちゃって』 と言うのが精一杯であった。 だが、車から降りてきた故人の奥様は深々と頭を下げ礼を言った。 『ありがとうございました。○○(故人の長男)から聞いていたんですか?』 よくよく話を聞くと今通ってきたルートは、故人の勤めていた会社の前と、休みの日によく釣りに 行っていた川沿いだというのだ。 驚いた女性は、これは話しても構わないと思い、車の中での出来事を正直に奥様に話した。 それを聞いた遺族一同はとても驚いていたそうだ。 |
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| 百万人の恐い話 住倉カオス 竹書房文庫 「交差点の想い出」 あきこさん(仮名・事務員) 私が学生時代の話ですが、当時の私は色々なことが重なって、心身ともに不調な時期でした。 どうしても出かけなくてはならない用事が出来て、駅への道を歩いていると・・・・ 交差点で変な女の人がいる・・・すごく長い髪の毛を振り乱して・・・服がボロボロで・・・・。 このまま進んで行ったら、あの人に対面してしまうと思い、嫌だったのですが行くしかなくて。 その女の人とすれ違うほど近づいた瞬間でした、耳元でボソッと・・・ 『おまえ、見えているんだろう?』 それで『え?』と思って、すぐに振り向いたのですが誰もいませんでした。 周りに隠れる場所もなかったのです。 『うわぁ~怖い・・・』 と思いながら駅へ向かい用事を済ませ、また駅へと戻って来ました。 そして、駅からの階段を降りていると、進行方向の交差点のところにさっきの女が見えたのです。 『これはまずい。今度は何が起こるかわからない』 と、その日は友人に連絡を取って泊めてもらい ました。 今だから話せますが、しばらく怖くて誰にも言えなかった出来事です。 |