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宇津呂鹿太郎

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宇津呂鹿太郎

宇津呂鹿太郎
怪談売買録
死季

宇津呂鹿太郎

竹書房文庫
客と机を挟んで対峙して座り、乞われれば怪談実話を語り、代金としてお金をいただく。
逆に客が体験談を語ってくれれば、その代金をお支払いする・・・・・。
実際にイベントで行われた「怪談売買所」で語られた怪異の数々。
鏡越しに飛び降り自殺をした女と目が合って・・・「逆になる」。
出勤途中に出会った見知らぬ女に大声で怒鳴られ続け・・・「人殺し」など。
日常のふとした綻びに垣間見える恐怖、決して他人事ではない。

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宇津呂鹿太郎
FKB
怪幽録
異怪巡り

宇津呂鹿太郎

竹書房文庫
「最終バス」
『また、あれを聞かなきゃならないのか』
そう思いながら、久谷さんは乗客の少ない最終バスに乗り込んだ。
座席に座ってぐったりしていると、背後からハミングが聞こえて来る。
微妙に音程がずれていて、聞いていて気持ちが悪い。
そうこうする間に、降りるバス停が近付いてきた。
ハミングはまだ続いている。
降車ボタンを押して、バスが停車した。
まだ続いているハミングに、座席から立つと後方へ視線を送った。
その途端にハミングは止み、後ろには誰もいない。
その路線の最終バスに乗る度に繰り返される出来事である。

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怪談実話
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貝田和
大谷雪菜
若本衣織
戸神重明
剣先あやめ
岡野皆人

メディア・ファクトリー
「さわらぬ紙に祟りなし」 宇津呂鹿太郎
水野君が通っていた高校は、実家を遠く離れた全寮制の学校だった。
入学当初より、校内にお札が貼られていることは気付いていた。
二年生の時、廊下すれすれの壁に貼られたお札を剥がしたら、何故かやみつき。
友人3人を巻き込んで、校内中のお札を剥がしまくった。
お札剥がしが進むにつれ、ランドリールームに怪しいものが姿を現し、その姿は
鬼へと変化していった。
そして、ある日の夜、憤怒の形相をした鬼に追いかけられることになる。
4人は迂余曲折の末、お札を剥がしていない体育館へ逃げ込んだ。
鉄の門扉を閉めると、突然ドーンと体育館全体が震える大きな音がした。
更に、扉や窓の隙間から靄が入り込み、それらには男の顔が付いていた。
恐怖は朝まで続き、体育館の鉄の門扉に大きな手形と凹みが残った。
4人は、これまでの行いと昨夜の出来事を漏れなく教師へ報告した。
学校は1ヶ月間、休校となり、お札も貼り直された。


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