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山岸和彦




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山岸和彦

山岸和彦
最新 日本の心霊恐怖スポット100 山岸 和彦 二見文庫
「深夜の県道で、髪を結った真っ白い着物姿の老婆を見た!」 埼玉県久喜市
『それは、真っ白い髪の、真っ白い着物を着たお婆さんでした』
万田さんは、お婆さんの幽霊を目撃したときの話をしてくれた。
三年前の午前二時すぎ、河原井町の久喜菖蒲公園から越谷へ抜ける県道を
車で走っていた。
万田さんは女の子を家に送る途中、気楽に運転していたが、左斜め前方に人らしき
ものが立っているのをはっきりと目にした。
万田さんの記憶では、その人らしきものは、髪を結わいて全身が真っ白な老婆に見えた。
それを見た瞬間、万田さんは絶対に人間にしか見えなかったという。
そこを通り過ぎて後ろを振り返ると、そのお婆さんが立っていた畑の真ん中には
何もなかったのである。 

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幽霊を見た! 山岸和彦編著 二見書房
「トンネルの中の白い手」
私は中学生の時、自転車が大好きでした。
あれは、中学二年の六月だったと思います。梅雨の晴れ間に水戸街道を走ろうと思いました。
北へ向かって走っていたのですが、柏を過ぎたあたりで横道に入ってしまったようでした。
迷った挙句、水戸街道まで戻ることにしました。
しばらく行くと、道は長い下り坂になり、自転車の速度はぐんぐん上がっていきました。
その先にトンネルが見えてきたのですが、異変はトンネルに入ってすぐに起こりました。
急にガクンと失速してしまったのです。目で見てわかるほどの下り坂なのに、ペダルが重い。
わけがわからず、思わず後ろを振り返ると・・・・白い手がサドルステーを掴んでいました。
それは、肘から先だけの子供のような小さな手でした。
『うわあ~』
大声を上げた途端、私ははじかれるようにトンネルから外に押し出され、同時にペダルの
重さもなくなりました。
恐怖から焼けつくような喉の渇きを覚え、すぐ近くにあった商店に飛び込みました。
ジュースを買って、一気に飲み干すといくらか気分は落ち着きました。
お店のおばちゃんに、笑われるのを覚悟の上で白い手の話をすると・・・・
『去年の今頃かねえ。君と同い年くらいの男の子があのトンネルでトラックに轢かれて
即死だった。自転車に乗っててね。だから、スピードを出し過ぎてると、危ないよって
教えてくれたんだよ』
おばちゃんにお礼を言って店を出ると、トンネルのそばまで行って、そっと手を合わせました。

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怪異!学校の七不思議 山岸和彦と恐怖委員会編 河出書房
「廊下にうずくまる人は・・・」
小学四年生のある日、旧校舎にある視聴覚室へ置き忘れた筆箱を取りに行った時のこと。
私は、自分の筆箱を手に取ると、何かに追われるように走ってそこを抜け出しました。
新校舎の自分の教室へ戻るために、左の廊下へ踏み出したときのことでした。
チラッと何かが視界に入ったのです。
振り返ると、廊下の隅に人がうずくまっていました。
すぐにでも立ち去りたかったのですが、気になった私はその人の近くに歩み寄って行きました。
そして、声をかけようとした、その途端、その人は顔を上げたのです。
『ぎゃ~~』
私は必死に走りました。
どこをどう走って教室に戻って来たのか、思い出せません。
私が見たものは、体は確かに人間でした。
しかし、首から上はネズミだったのです。

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学校で本当に起きた怖い話 山岸和彦と恐怖委員会編 河出書房
「校舎の壁に消えるジャージ」
高校時代のこと。
朝、いつもと同じ時間に登校した。
ふと四階建ての校舎の白い壁に、何かが動いているような感覚におそわれたので
凝視してみた。
すると、そこには真っ赤なジャージを着た長身の男がランニングをしているではないか。
その様子を立ち止まって見ていると、校舎の壁が切れるところで、すーっと消えた・・・

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呪 誰かに話したくなる怖い話 山岸和彦編著 二見書房
細い指がグイグイと喉を・・・「深夜、独身寮を歩きまわる女の霊」。
真夜中の炭鉱跡で遭遇したもの・・・「面白半分で行くから、そんな目に遭うんだ」。
泣きそうになりながら入ったトイレで・・・「夜八時、忘れ物を取りにいった学校での怖い話」。
気鋭のミステリー・ハンターが全国各地から集めた霊体験実録レポート。
廃墟、トンネル、公園、寮、ホテルなど「出る!」と噂の心霊スポットで起きた53の怨霊実話。

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肝試し「恐怖百物語」 山岸和彦編著 二見文庫
「トンネルの中で霊を轢いてしまった私」
静岡県のトンネル内であった男性の体験。
深夜の3時ころ、友人を乗せた車でトンネルに進入すると、人が歩いているのが見えた。
白い着物を着て、あろうことかトンネル内を横切った。
よく見ると、頭に三角巾を付けている・・・・
『これはヤバイものを見てしまった』
と思った瞬間に、白い着物の人がクルリと向きを変え、こちらに向かって来た。
彼は思いっきりアクセルを踏み込んで、1秒でも早くその場を通り過ぎようとした。
フロントガラスから数十センチのところまで来た時に、白い着物の人と目があって
しまった・・・・・・女性だった。
次の日から、毎晩、金縛りと得たいの知れない『重み』に悩まされる。
家族に相談しても『飲みすぎだから』の1言で片付けられる始末。
数日後、毎年恒例の菩提寺の草むしりに参加した。
そこで、住職に呼び止められて・・・
『最近、体の具合はどう?』
金縛りと重みがしんどいが、当たり障りのない返事をした。
『じゃあ、はっきり言おう。最近、トンネルとか暗い場所で女の霊を見ただろう。
 実は、さっきから君の隣にいるんだ』
彼はビビリまくり、住職に全てを打ち明け、車も見せた。
『この車で霊を轢いちゃったんだな。それで怒って憑いてきた』
さっそく、車ともども供養してもらい、金縛りもなくなったとのこと。


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