28.幽霊に間違われた
ミクミンさんの体験談です。
徳島の県南にお●荘という温泉プール付き宿泊施設の温泉での体験です。
もう5年ぐらい前に彼氏と2人でその温泉に入りに行ったんです。
到着したのは夕方、午後5時頃でした。
早速、温泉に入ろうということで大浴場へと向かいました。
女湯の脱衣所に入ると、2〜3人の人が既に服を着ているところでした。
浴室に入ってみると誰もおらんのです・・・私一人。
男湯は壁を隔てた向こう側ですが、入っている人は割といるみたいで
声が響いて聞こえてきます。
私は、女湯で一人寂しく入ってました。
一人で湯に浸かっていることに飽きてしまった私は、サウナに入ることにしました。
サウナの扉側に座って、ドアの硝子越しに浴室を何気なく見ていました。
2分ぐらい経った頃でしょうか、「パチン!」とサウナの中の電灯が突然消えました。
「ええぇ!?」 ってビックリしましたが、サウナからは出ませんでした。
すると、パタパタと水を踏む音が浴室の方からして来たのです。
誰かが浴室に入って来たんだと思い、ドアの硝子越しにそのまま見ていました。
入って来たのは髪の長い細めの女の子なのですが、黒いスクール水着を着ているのです。
そして、浴槽の中をのぞき込んでいる・・・・
私からは、後ろ姿しか見えません。
水着で風呂入るのはNGだろ〜!と心の中でツッコミを入れてみたものの
外のプールから入って来たのだろうと勝手に納得して、サウナから出てみました。
あれ?さっきの女の子は???・・・居なくなってる・・・
脱衣所へ行っても、だ〜れも居ない。
そして、突如、浴室の電気が全部消えた。(うっそ〜!!!)
夕方と言っても、まだ明るいので外の明かりだけで十分浴室内は見渡せる。
「まだ客が居るっちゅうのに!けしからん!」 と怒りながらも
誰もおらんし、さっさと出ねば!!と思って、サウナの汗を流すべく体をもう一度洗う。
そろそろ浴室から出られそうになったとき、一人の女性が服を着たまま入って来た。
手には赤ん坊を抱いている。
女性は赤ん坊を湯船に軽く浸けると、ささっ!とタオルで拭いてやってた。
その作業が終わった様子なので、『すみませ〜ん』と声をかけた。
女性は私を見ると、途端にガタガタ・・・と震えだした。
『ここはもう閉店ですか?電気が全部消えてしまったようですが・・・』と訊ねるが
女性はヘタヘタヘタとその場に座り込んでしまった。
『あの〜、閉店してしまったのでしょうか?』と言いながら
私が近づこうとすると、女性は、ひぃぃ〜ひぃぃ〜ひぃぃ〜と悲鳴を上げだした。
女性はガタガタ震えていたけれど、私の姿を下から上までジーと見ると
フッと我に返ったような顔で
『お・・お客さん・・・ですか?』 と一言をやっと言えたって感じ。
『はい、そうですけど・・・もう閉店時間だったのでしょうか?何時までの営業でしたか?』と私。
『ごめんなさい!お客さんはもう誰も居ないと思っていました』と言うと
電気を点けると言い置き、そのまま逃げるように去っていった。
室内の電灯がパ〜!と点いた。
そのまま、脱衣所へ向かいました。
ほんと誰も居ない・・・人混みもイヤだけど、誰も居ないのもちょっとね・・・
ふと、人の気配がして、脱衣所から浴室の方を振り返ると・・・・
長い黒髪が一瞬・・・壁の向こうに隠れたぞ。。(冷汗)
ゾクゾクしてきた・・・・でも、こういう時は、確認しに行ってしまう、私。
目の錯覚だったかな? あのスクール水着の女の子は居なかった。
バババ〜っと急いで服を着て髪をササッと乾かし、彼氏と待ち合わせのホールへ。
なんと、約束の20分も前なのに待ってた。
『あれ〜?早くない?』 と聞くと
『だ〜れもおらんから、しんどくなって出てた』
男湯からはザーザー水かける音や人の気配、声が聞こえてたけど、女湯は私一人だった言うと
なんと、男湯も同じで、始めから誰も居なかったらしい・・・・
なのに、人の気配がやたらするので、落ち着かないから早く出て来たのこと。
友人にこの話をしたところ、1年ぐらい前に
小学生の髪の長い女の子が亡くなっている事がわかりました。
その事故のせいなのか、その温泉はスタレたあげく閉店・・・
ミクミンさんは幽霊を見て幽霊と思わず・・・そして幽霊と間違われた・・・
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