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資料編 

ドイツにおける救急医療の実際
   -インターネットから得た資料-

2.救急出動の手段     
(緊急時に用いる車輌、ヘリコプター、船舶)


[フユルト-ヘル・ミュルハイム 一般内科センターのホームページ。各種の搬送手段について。]

♯5 患者搬送と救命活動/航空-海洋救助
http://www.willems-storck.de/N-08-mi.htm

[出動手段(患者搬送車、救命車、緊急医出動車、ヘリコプター、救助船)と、その特性および業務内容]

概観
 患者搬送車(KTW)
 救命車 (RTW)
 緊急医出動車(NEF)
 救命ヘリコプター(RTH)
 海洋緊急救命 (DGzRS)

a. 患者搬送車
 患者搬送車は患者を寝かせて、あるいは座らせて搬送することができる。

http://www.willems-storck.de/N-08-mi.htm

 自力では無理でも、公共の交通手段またはタクシーで運ぶことのできる患者を列挙する。次はいくつかの例である。。

► 単に寝たまま運ばれたい患者
► 単に座ったまま運ばれたい患者
► 搬送の際に医学的に監視されなければならない患者
► 病院から家庭への搬送、またはこの逆。
► 診療所から家庭への搬送
► 外来または入院中のリハビリへの搬送
► 血液透析への搬送、その他多くの場合

 患者搬送車の乗員には少なくとも一人の救急士と一人の救命医療助手(運転手)が乗る。隊員は緊急の事態には救命処置と生命維持手段を開始し、遂行できるように教育されている。今日では装備が優れているので緊急患者も治療できる。なぜなら患者搬送業務といっても、出動してみたら多くの場合にそれは将に緊急症例であったり、搬送中に緊急症例に重症化することがあるからである。

 しかしまた、緊急症例に対応できるとしても、患者搬送車が緊急症例のために出動することは原則的にはない。そういうことはただ、例えば救命車が使えない時とか、あるいは多くの病人や怪我人が激発した時だけである。

電話番号 1 9 2 2 2 で患者搬送車に繋がる


b. 救命車

 救命車は少なくとも一人の救急士(運転手)と一人の救命医療助手が乗っている! これらの救命業務の隊員は教育によって、自分で救命および生命維持手段を開始して持続できる状況にある。車両は小型の集中治療室に似ている。設備については、例えば、

► 心電計の付いた除細動器(電気ショック器)
► 呼吸バッグ
► 呼吸器と挿管に関する全て(人工呼吸)
► 噴射ポンプ
►凹型担架(特別な救命道具)
► 真空マット
► 種々の副木材料
► 注入器
► 薬品類
► 重症熱傷用材料
► 多目的の滅菌済包帯材料、その他多くの物
救命車内では担架は患者が三方から処置できるように配置されている・・・左、右、頭側から。

要請は国際電話番号 112 !

 少し前から救命業務の車両をより目立つ様にする試みが始まった。ここに種々の反射塗装を施した車両と、全く新しい彩色を施したいくつかの車両をを示す。このネオン黄色の車両は既に数年前からオランダとイギリスで走っている。この車両は明赤色の車両よりも著しく映える。


C..緊急医と緊急医出動車

http://www.willems-storck.de/N-08-mi.htm

 緊急医は、以前は救命車両に乗る救命業務の隊員に補足的に加わるものであった。そうすることによってこの車両は緊急医師車両となった。

 今日では、例外はあるが、緊急医は緊急医出動車で投入される。救命車と緊急医出動車が同時に要請され、各々の待機所から出動して現場で落ち合う。緊急医は現場で救命車の隊員と共に患者を治療し、必要なら病院まで付き添う。搬入を以て緊急医は最早患者との関係は完結し、直ちに新しい出動を引き受けることができる。これは緊急医車両に比べて格段に利点がある。

 医師送迎用車の運転手は一般的に救命医療助手である。これらの医師は病院から来る。そして大抵は、内科、外科または麻酔科である。緊急医は救命業務の隊員とともに、集中治療室で行っている全ての必要な処置を開始し続行することができる。

緊急医を投入する分野は次の例のごとくである:
► 心筋梗塞または狭心症
► 脳卒中
► 感電
► 溺水
► 炭鉱事故
► 交通事故
► 火災事故、 その他

要請は国際電話番号 112 !


d. 救命ヘリコプター - 緊急輸送ヘリコプター

 救命ヘリコプターは救命車プラス緊急医に比肩する。
乗員としてはパイロット、航空救助の追加教育を受けた救命助手、それに緊急医師である。
 ドイツ軍隊の場合には乗務整備士も乗る。最初の救命ヘリコプター導入の際には、救助ヘリコプターと地上救助車両との間に競争が始まった。そのうちにそれは過去のものとなり、共に働くものだということが理解された。


 ヘリコプターの機内には同じく救命と生命維持に関して必要な装備と薬品の全てが整っている。但し、機内には殆ど場所がないので多くのことはできない。これが航空救助の欠点である:ヘリコプターは速いけれど狭く、利用できる場所は少ない。このことは場所の関係で負担になる(主回転翼直径 15 m、探索救助型 30 m)。

 飛行の間には患者に大きな処置をすることはできない。もう一つの欠点は、大抵のヘリコプターは視界が良い昼間にしか出動でいきないことである。そうはいうもののヘリコプターには非常な長所がある。ヘリコプターは救命車より速くて愛護的である。更にヘリコプターは交通混雑や赤信号の様な難問がない。救命ヘリコプターは種々の事業団体が投入している。

► 全ドイツ自動車クラブ(Allgemeiner Deutscher Automobil)航空救助
► 災害救援隊
► ドイツ軍(SAR(Search and RescueSearch and Rescue)
► ドイツ救命航空監視
► 国際救命航空監視、その他

 救命ヘリコプターの要請は、一般的に救命指令部、救急隊、そして警察による。

 航空救命のもっと別の分野は緊急輸送ヘリコプターである。それは、その装備によって重病・重傷の患者を集中治療室の条件の下で、ある病院から特殊病院に搬送できる輸送手段である。この型のヘリコプターは例外的に直接の出動に投入されることもある。

(海洋緊急救命 (DGzRS) は割愛した。)


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