DF50 impressive memories
1969-1974
69.12.14 梅小路区
69.6.15 福知山区
69.8.27 京都
中学1年で写真を撮り始めたとき、
DF50は、すでに山陰京都口の主力として、
その重い排気音を響かせ、
主に長距離旅客列車の先頭に立っていた。
DD51が非電化幹線に続々投入される前の
時代、DD54と違って、DF50の姿は何故か
C57やD51と、しっくり溶け合っていたのを、
いま、不思議な感覚で思い出す。
蒸機現役末期には、DD54に続いて、
DF50にも、DD51へのバトンタッチが始まり、
社会人になって、まったく写真を撮らなかった
時期に、四国や紀勢線で、さよなら運転が
行われたことを、後になって知った。
「これは1枚、撮っといたほうがええなあ」
ひたすら蒸機を追った、あの時代に、
貴重なフィルムの枚数を差し引いても、
わざわざDF50にシャッターを押した瞬間瞬間。
古いネガを包むパラフィン紙の向こうに、
少年時代の、DF50の重い印象が、甦ってきた。
梅小路に並んだ、山陰京都口の主力機たち。梅小路のC57、福知山のD51に定期運用が残り、DD54の増備が始まっているが、初期故障が多く、米子所属のDF50が長距離や優等列車の主力だった。
(左)69.12.14 (右)70.6
梅小路扇形庫裏の築堤を行く下り列車。画面右の給水塔はいまも健在。69.12.9
京都―丹波口
二条駅北の陸橋から。順光だから撮ったのか(笑)
70.8.11
こちらは、72年の蒸気機関車館開館後、扇形庫向かいの留置線。いまはスチーム号見学用の公園があるあたりだ。72.10.27
渓流を楽しむ人たちを乗せた保津川下りの船を、DF50のエグゾーストが追い抜いていく。
71.4.25 保津峡―馬堀
渓谷を抜けると、すっきりした田園と築堤が迎えてくれる。
この付近は、すっかり様相を変えてしまったと聞く。
(左)71.4.25(右)71.4.3 保津峡―馬堀
ハーフサイズのネガを部屋の蛍光灯にかざしながら、なぜ、このときは3枚も撮っているのかと思えば、501号機だった。当時、京都駅山陰ホームには、このような機回線と、京都中央郵便局に隣接する荷物ホームがあった。 70.7
梅小路の最寄り駅、丹波口で貨物の入換に励む。京都口定期列車の無煙化直後の頃。71.5.31
唯一撮影している、紀勢線のDF50。重連を迎える満開の桜の駅。
71.4.11 下庄
黄檗―宇治
71.10.23 黄檗―宇治
高校1年の秋、
初めて撮った、御召1号編成。
たしか中間試験の午後……。
和歌山国体へ向かうこの御召は、
EF5861の竜華貸出で記憶される。
手元の「お召列車百年」には、
新幹線から乗り継ぎ、
京都発13時37分、と記されている。
DF508+26の重連が、
こんなに美しかったことに、
いま、驚きの言葉もない。
72.8.17 門石(信)
72.8.17 門石(信)
72.8.18楠ヶ丘(信)
72.8.18 楠ヶ丘(信)
74.3.3 田野―青井岳
72.8.16 宮崎―南宮崎
暑い夏だった。
山間の信号場から、ポイントへ歩く元気なく、
親切な駅員に薦められるままに、
高校野球のテレビを一緒に見ていた。
やがて、ブルートレインの通過時刻。
タブレットを携えた彼と一緒に、外へ出た。
思えば、DF50がヘッドマークをかざしてブルートレインの先頭に立ったことは、あまりない。70年代初頭の日豊本線は、「富士」や「彗星」が行き交い、DF50が最も華やいでいた季節だったのかもしれない。だがそれも長くは続かず、宮崎電化直前の74年春には、すでにヘッドマークはなく、がっかりしたのを思い出す。
本州で最後まで蒸機の残った山陰線西部では、DF50と蒸機との重連が多く見られた
74.3.21 長門市
草津線の貨物列車に連結され、京都方面へ回送されるDF50。鷹取工場への入場だろうか。
71.11.21 貴生川
乗っているDF牽引列車が、蒸機と交換する駅に着くと、カメラ片手にホームに降りた。
71.3.31 波根
草津線の貨物がD51から真新しいDD51に置き換えられた頃。後方の煙は、まだ後補機で頑張るD51のものだ。
72.10.25 柘植
74.3.22 浜田
DF50の牽くローカル列車を横目に、
真新しいDD51が特急の先頭に立つ。
「そうやなあ、DF50もいつかなくなるのか、
こういうのも、1枚撮っといたほうがええなあ」
そう思って、ここでは1枚撮ったけれど、
これが、DF50最後の1枚となった。
動力近代化の完成形を思わせるDD51と違い、
DF50には、蒸機と共存する、あの時代の匂いが
感じられ、今とても懐かしくなる。
DF50には、なぜか12系や14系が似合わない。
似合うのは、20系か旧客、
そこがまた、あの時代なんだろうな。
DF50重連が1号編成に連結される。後方には入換のDD13と、標準色のEF58が見える。ロクイチはすでに竜華に入っているから、このゴハチが回送を牽いてきたのかもしれない。 71.10.23
京都