EF62 Last Days U
1997.10〜11
1997.10.2 西松井田−横川
1997.10.18 水上
「横軽」の喧噪が終わったあと、ほんのわずかの間だが、EF62の活躍が続いた。
閉ざされた峠路から山を下りて行く僚友EF63の疎開回送、
はからずも、上越線に所を変えた、EF62さよなら重連、
そして、「EL&SL奥利根」の12系を牽く、普通の姿が、最後の思い出となった…。
横軽廃止の翌々日、早くもEF63の疎開回送が始まった。単機で到着したEF6243が運転区からロクサンを引き出す。
10.2 横川
4輌ずつの回送が、どうやらパターンのようだ。高崎へ取り込む最初の4輌には、茶色のEF63も混じっていた。
10.2 磯部−安中
田端へ戻っていたEF6246が、試客で高崎へ回送されてきた。本務の初期型PFも、いまは懐かしい。
10.2 高崎操−高崎
今日からは、重連単機が横川へ向かう。新前橋への疎開回送は、高崎での機回しを省略するため、プッシュプルとなる。
10.3 西松井田−横川
下り方に車止めが設置された横川の中線で、EF62が前後を固める配給列車の組成作業が行われる。
10.3 横川
ズラリと連なるエアフィルターが壮観だが、どこか寂しい空気が漂う。横川の駅自体が、時間が止まってしまったようだ。そういえば、釜めしの立ち売りもすでに消え、売店も小さくなった。
10.3 横川
10.3 横川
10.3 横川−西松井田
10月4日は、ラストナンバー54号機が、46号機とコンビを組んだ。
新前橋からの帰路、雨の重連単機が、同機の稼動を見た最後となった。横川に保存された同機との再会は、まだ果たしていないが、庫内保存だから、きっと良好な状態が長く保たれることだろう。
群馬八幡−安中
井野−新前橋
新前橋−井野
岡部−本庄
井野−新前橋
そして、10月18日は、宮原―水上間でEF62のさよなら列車が、43+46の重連で運転された。信越線に入らないのが残念だが、旧客6輌を従えた晴れ姿を、有名撮影地の砲列が迎えた。
10.18 (上)後閑―上牧  (下)後閑―沼田
10.18 後閑
上越線へは、JR初期に、レインボーとミト座で一度ずつ、EF62の入線があったと記憶される。下り列車は後閑で小休止、瞬時、ヘッドマークのない姿が捉えられたのは、ラッキーだった。
水上での撮影会の後、宮原への帰路は、夕暮れから夜となった。山あいの秋の弱い斜光線が、EF62との別れを惜しむのにふさわしい雰囲気を醸し出す。
10.18 (左)吹上  (右)宮原
「さよなら重連」の翌日と翌々日、横川へ入線した「ゆとり」は、EF6243とEF651019のプッシュプルとなった。「サロンそよかぜ」の思い出が脳裏を過ぎる、EF62最後のジョイトレ牽引の姿だ。
10.19 安中―磯部
10.19 横川―西松井田
片やEF6246は、12系12輌の長大編成の回送を牽引して、上野にやってきた。往年の多客期臨時急行を思わせる、威風堂々とした編成が、走りに走った46号機の、さりげない花道に思えた。
10.20 王子
10.20 鶯谷
11.2 高崎
11.8 大宮
11.9 上野
もしかしたら、もうしばらく走るのかも…と、
誰もが淡い希望を抱きはじめた頃、
EF62との別れは、さりげなくやってきた。

イベント列車とはいえ、ヘッドマークもなく、
この頃から徐々に貴重になり始めた、
「普通の12系」を牽くEF6243。

高崎、吹上、大宮、そして上野。
覗き慣れたバルブのアングルに映るのは、
ごくごく、あたりまえの、明日も来週も
走ってくるようなEF62と12系だった。

推回が、尾久へと向かう。
その赤いテールライトが、
EF62との別れとなった。

EF62 Last Days U
1997.10〜11
THE END.