直線上に配置

MARTIN-D28キットの製作記録

martin社のキットは発注してから時間がかかりました。天下のmartinですからもちろんじっと待ちました。
1作目の反省から、次のような点に気をつけて製作しようと決めました。

・martinの規格をしっかりと記録しておく。(次回の自作ギターの元にするため)
・タイトボンドの量を考え、はみ出たボンドはきれいにふき取る。
・D−28の形を基本に、プラスティックを使わずなるべく木材で作る。
・インレイを入れる。(貝の入ったギターを作る)
・もう少し作業したいというところで止める。(時間がないときは作業しない)
・塗装はボディとネックを別々に行い、きれいに仕上げる。

ここでは材料の違いと、製作方法を変えたところだけを見てください。
製作開始 2001年8月
製作完了 2001年11月

トップ アイコン
トップページヘもどる

8/8
6月21日に発注して7月27日に到着しました。
webにも3〜4周で出荷のことわりがあります。
1作目の作成中で、しばらくはそのままにしました。
stewmacと比べて箱の大きさはほぼ同じ、梱包は新聞紙
でした。D28モデルです。
9/10
9月に入ってから作業を始めました。1作目とダブっています。
サイドをネックブロックとテールブロックで固定しました。
ローズウッドの厚さは2mmほどでしょうか。ずいぶん薄く、そのために曲げた型が戻っていました。ローズウッドの色は濃いこげ茶っぽい良い材料です。カーフィングを接着しています。
9/18
トップ材は3mmほど厚さがあります。サウンドホールのパーフリングをやろうとすると穴の溝が深く、表面をヤスリがけしました。
また今回はパーフリングに貝を入れようと思い、勉強中です。
2.8mm〜2.5mm程度まで削りました。
9/18
5mmほど残して、糸鋸で切断しました。前回はシトカスプルースという材でしたが、この材は白っぽい材です。端にこんな文字が入っていますD28用のグレードということでしょうか?
9/18
裏板は2枚入っていて張り合わせる必要があります。
ハタガネを使って両側から軽く圧をかけ、上からクランプで固定します。バックストリップをはさむので、おしゃれなギターになりそうです。
はみ出たボンドが作業台などにつくと厄介です。新聞紙などを上下にはさんでおきます。
このkitはごらんのようにブレースの位置をけがいた状態になっていてとても親切です。
9/21
裏板も糸鋸で5mmほど外側を切断しました。端材がもったいないので取っておきます。
このkitの親切な点は上にも書きましたが、左の写真のブレースもほとんど出来上がりの状態です。
トップのブレースも同様です。ネックはフィンガーボードがずれないよう2箇所のジョイント部があります。ペグヘッドのローズウッド板も接着済み、フィンガーボードはドットポジションの穴まで開けられています。ギターキットを初めて製作するのならmartinの方がお勧めです。ただ、裏板の接合の工程があったり、プラスティック系の材料の質はやや劣るのでLMIやstewmacから取り寄せるのが良いと思います。
10/10
ずいぶん間があいてしまいました。アバラムというアバロンをラミネイトしたものをはめ込みました。3枚セットでサウンドホールが埋まります。埋める前に接着剤のつかないフィラーストリップというのを入れておいて、エポキシが硬化した時点で抜きアバラムを入れます。少しきつく入れるときに貝が割れる音がしましたが出来上がりはまあまあです。
難は価格が高いことです。私が購入したのはグリーンアバラムのカーブ3点を3セット分購入しましたが1セットあたり19.98ドルです。D−45タイプを作るといくらかかるのでしょう?
10/10
ブレイスはほとんど加工済みです。多少削ってみましたが、1作目よりもブレイスは薄めでした。これが基準なんでしょう。注意するのはネックブロックとブレイスの上2枚がかみ合う構造になっています。この後のサイドにはみ出るブレイス削る時にうまくトップが入らずネックブロックを削ればいいことに気づくまで随分時間がかかってしまいました。
10/11
トップとサイドの接合は今回は外枠式で型が崩れないようにしてみました。1作目は出来上がった時点では結構満足していたのですが、写真で見ると、ウエストが引き締まっていない・・・なんだか製作者に似てしまっています。枠はまだ工夫の余地がありです。
 こうした枠はスプールクランプを止めるのにも時間がかかります。手際よく作業しなくていけません。助手が欲しいです。
10/12
フィンガーボードです。キットに入っていたパールは使わず、アバロンを入れました。本当はダイヤモンドスクエアタイプにしたかったのですが、このキットはすでに丸い穴が加工済みでした。
ところが問題が発生しました。7mmと6.35mmのアバロンはそのまま入りましたが、5mmの穴には入りません。ドリルを使って穴を広げていたその時、エボニーがバキッと1箇所欠けてしまいました。反省!・・・
それでもリカバーに強くなってきました。あせらず接着剤で固定し、ヤスリで表面を仕上げました。
10/19
割れ止めをつけました。6枚のローズウッド材が入っていましたので、3枚ずつ等間隔に長さを調整しながらタイトボンドで接着しました。stewmacのキットは布リボンをたくさん付けました。Xブレイスの中心部は前回と同じです。この時期は楽しい作業です。裏板をつけると中の作業はできないのでブレイシングの見納めです。カーフィングが裏板のブレイスに当たる部分をヤスリで調整します。
10/20
 裏板の接合です。今回は当て木を使って力が均一にかかるようにしてみました。中心にバックストライプがついています。中心を合わせたつもりだったのですが、後ろが2mmほどずれてしまいました。気づいたときはクランプをはずすときです。私感ですがマーチンのキットの方が側板のカーブがきつい感じがします。その分裏板の曲がりがきつくなったように思います。
枠をはずしての接合が少し不安です。このあたりで型枠を開閉できるようにしておけば精度が上がりそうですね。
10/26
 dremelを使ってバインディングの溝を掘りました。ルーターベースとエッジガイドを装着しての作業です。dremelは高速回転のミニルーターです。
 はじめて使ったときはどきどきものですが、慣れるとよく工夫されていて、使いやすいパワーツールだと思います。これ一台でいろんな作業に使えるそうです。但し裏板側のネックに近い部分はルーターベースとルーターのビットが直角にならないので工夫が必要です。
11/5
 製作のテンポがゆっくりですが材料待ちでした。きれいなメイプル材でエンドトリムを作ろうと思ったのですが、バックオーダーになってしまったのでキットのものをそのまま使いました。しかし、この作業はルーターを使う前にやっておくべきでした。
 せめてもと思ってバインディングはメイプルを使ってみました。ベンディングアイロンを初めて使いました。暖まるまで15分ほどかかりました。曲がるは曲がるのですが、わたしの思うようには曲がってくれません。これで苦労しているようでは側板曲げなど遠い夢になりそうです。
11/6
 ネックの入るところが写っています。マーチンのトラスロッドはこの形までトップを切らないと入らないのですね。
 パーフリングはマーチンへの憧れから、今回もヘリンボーンです。プラスティックのバインディングの方が製作は楽です。でも見た目は木の方がいい感じだし、これからどちらで作っていくかは悩むところです。前回失敗したゴムでの固定を、きつめにして再度挑戦しました。多少の隙間は覚悟の上です。
11/12
 ネックの作業も進めていきます。フレットボードのサイドドットも今回はアバロンで作ります。ドットの径は2.38mmです。2.5mmのドリルで穴を開け、エポキシを入れて固定していきます。ドリルの径が大きくてもちょうどぴったりになります。
11/14
高さは1cmほどあります。この面をトップの板と同じ高さまでネック側を削っていきます。一番難しいところです。ここがきっちりできれば一人前なのでしょう。2作目ですが前回と同じように、ネックの角度がつきすぎてしまい、無理して本体と平行にしようとして力を入れるので、ヒールキャップをつける場所にすきまができてしまいました。
11/17
 とりあえず仮組みをしてみました。やはり直角に入っていませんね。結果としてフィンガーボードをトップに会わせるので、ヒールが浮いた状態になります。間に削りくずを入れて隙間を埋めようと思います。
11/21
 ネックについては昨日から形を整えました。ほとんど加工されていますがヘッドとフィンガーボードの裏側というか写真の部分をヤスリで仕上げます。ここはstewmacと同じでした。
ペグの穴開けをします。電動ドリルで1cmの穴を開けます。下に木を当ててテープで巻き、割れを防ぎます。今回はネジの下穴も慎重に開けました。
11/22
 ヘッドプレートの調整をします。ほとんど出来上がりの状態ですが、ナットの入る幅をのこぎりで広げ、のみで落としました。
 ナットがきつく、ヤスリで削って入る程度の幅にすればいいと思います。
11/23
 この時点でネックを接合し、着色しました。前回は赤みが強かったのでローズの色に合わせました。その後、本体とネックを接合しました。ヒールキャップをつけようと当ててみると裏板よりはみ出てしまいます。裏板に合わせてヒールを削りました。
11/23
 フレットを打ち込みます。stewmacのものは直線のものが3本入っていましたがmartinは一巻きになっています。このカーブが結構打ちやすく、14フレット以降を打ちましたが、スムーズにできました。写真はフレットタングニッパーです。今回はプラスチックハンマーも使いました。
11/26
 トップにシェラックを塗り始めました。前回は濃さがわからず、結構厚く塗ってしまったので、ムラが出てしまいました。今回は薄目に10回位に分けて塗っています。シェラックはアルコールが蒸発するとすぐに塗り重ねることができ、作業が進みます。
11/26
 ネックはこの位置まで削ります。結局1週間程度かかり、結果としては1作目と同じで進歩がありませんでした。勉強しなくちゃいけませんね。
11/26
 フィンガーボードの接合を待つネックです。面が平らなことを確認します。何回も定規を当てて左右、上下の角度を確認しました。
11/27
 フレットを打ったフィンガーボードを接合し、角を落としています。前回は一つ一つヤスリでおとしましたが、Beveling Fileという新兵器を使いました。一度にできて効率的です。これは便利。
11/27
 裏板もシェラックをかけました。ヒールキャップをこの時点でつけたのですが、もっと早い時期につけておくべきでした。ヤスリがネックにあたり、せっかく着色したのにあらら・・・また塗りました。この時期はあまりいろいろやらない方がいいんですが、出来上がりが近いと気持ちが浮ついてしまいます。いかんいかん。
11/28
 トップは前回と同じでマイクロメッシュでゴシゴシというよりスリスリ優しく研磨していきます。1500番から始めますが、4000番あたりがいい感じで光り輝きます。6000番では鏡のようになってもうたまりません。
 そんなトップもブリッジをつける場所はせっかく磨いたのに240番の紙ヤスリでゴシゴシします。この位置も勝負というか気合いで何回も確認して決断します。
11/28
 あらら、もうこんなに出来ちゃいました。5mmのドリルでピンの穴を開け、リーマで少し広げます。サドルとナットは今回ちょっとさぼって半加工品でしたのでちょちょいのちょいで出来上がり。実は完成を急いでいるのです。
11/28
もう失敗は繰り返さないぞ。チューナーもしっかりついてます。前回はビンテージタイプでブッシュを打つ方法でしたが、今回はネジで締めるシャーラータイプ。作るのはこっちの方が簡単です。
11/28
 ということであっけなく完成しました。ピックガードは貼ってありませんが、微調整をこれからします。1作目ほどの感動はありませんが、なかなか良い出来です。
 塗装がきれいに出来るようになってきました。アバロンのドットやパーフリングを入れることによって高級感が出てきました。
 反省としてはネックの仕込み方をもっと勉強していくこと、
  
 下の写真は2台並べてみました。手前がMARTINのキットです。色の違いはシェラックの濃さでしょう。
 くびれの部分も今回はうまくいきました。見た目は遙かに2作目が上です。まあ結構贅沢して作ったこともありますが・・・
 キットの比較ですが、初めて作るなら、Martinの方が作りやすいと思います。STEWMACのキットもこの間値下げされて、ブレイスも加工済みになったので、全体の質でいけば軍配が上がります。どちらも慎重に作っていけば市販品の価格のギター以上の音色に巡り会えます。
stewmac martin
価格
ローズウッド
375ドル
ペグ別売
マニュアル17pで細かく説明されている。
(現在はビデオがつく)
399ドル
マニュアルは簡単なもの
裏板 接合済み 接合が必要
表板 加工済みで形は出来ているが、裏にけがき線がなく、時間がかかる。 加工済みだが切り抜きが必要。裏にもけがき線があり、ブレイスの位置が記入されている。
ブレイス ノミで加工する
(現在は加工されたものになっているもよう)
加工済み
指板 サイズを決めて切断が必要、ドットの穴開け必要 加工済み、ヤスリがけもされている
ネック ペグヘッドの加工が必要 加工済み
バインディング ivoroidで高級感がある whiteでシンプル
チューナー ビンテージタイプ(現在は別売) シャーラー(ゴトー製のmartinロゴ入り)