愛知県名古屋市　古民家再生・築50年の家


再生前　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　再生後
■名古屋市瑞穂区に建つ築50年の住宅です。お施主様は2004年に瑞穂区で開催しました3階建てエレベーター付き住宅の新築内覧会をご見学してくださり、古民家再生の相談をいただきました。場所は、内覧会の会場となったＯ様宅の斜め向かいのご近所さまです。そして今回、お施主様宅で開催させていただいた内覧会でもたくさんのご近所の方が足を運んでくださいました。なかでも、「おたくの大工さんよくがんばるねぇ～！夏の暑い日でも一心に仕事をしていたから、すごいなと思っていたよ。いつもしっかり仕事をしていたので、自分の家ではないんだけど出来上がりが楽しみでねぇ～。どんな風にできたのか今日は見せてもらいにきたよ。」と声をかけてくださるお客様もあり、とてもうれしく思いました。 ■今回は築50年の民家の再生とあって、この他にもご来場者様より「懐かしい感じがするね！子供のころに住んでいた昔の家ってこんな感じだったなぁ～思い出すよ・・・」というお声もいただきました。また、一方では「建てかえる方が簡単かもしれないのに、どうしてわざわざ大掛かりな改装をしてまで建物を残すの？？」というご質問もいただきました。私たち、松美建設では「民家再生」を次の3つの視点からとらえています。 ■「もったいない！」壊すのは確かに簡単ですが、壊してしまえばただのゴミになってしまいます。（リサイクル化が進んだとはいえ、生まれ変わるのはたったの数％） ■「昔になればなるほどいい材料！」現在では手に入らない材料が使用されています。こういった材料は、運良く手に入ったとしてもすごく高価です。桧等の木材は腐らなければ、何百年もの耐久年数があります。ローコスト住宅の柱はホワイトウッドの集成材なので腐りも早いのです。 ■「施主様の思い出を大切に！」「柱のキズはおととしの・・・♪」・・・せいくらべ・・・という歌にもあるようにひとつひとつのキズも大切な思い出という方もいらっしゃいます。長年すんでおられたお客様の「思い出」も大切にし、また、同時に再生させたいのです。そんな思いで民家再生をしております。 2005・10月完成
	リビング：壁しっくいわらすさ入り　床暖房仕様

■漏水により腐食した梁の下側に新しい梁を入れて補強しました。この梁は土壁とくっついており撤去ができませんので新しい梁で補強します。
	■まずは建物の補強です。 50年も頑張ってきたおうちです。雨風にさらされてそれなりの傷みがあります。どれくらいの痛み具合かはめくってみないとわかりません。・矢印の場所から雨水が入り込み中の木を腐食させていました。
	■キッチンのあった1階奥の屋根は取り除き新しく作り替えます。
■これは・・・？雨戸側板の装飾部です。大工さんが彫刻刀で彫っていきます。内覧会でもこの写真を展示したところ皆さんの関心が集まりました。
		■建具の再利用今ではなかなか手に入らない手作りの波板ガラスが施された懐かしい建具。きれいに洗い埃を落として塗装を施し二階のホールで再利用しました。
■照明の再利用 1F玄関の照明は改装前の住まいで50年間使われていたものを再利用しました。手作りガラスからやさしい明かりがこぼれます。
【画像の上でマウスポインタを動かすと改装前写真に変わります】
二階の部屋です。床は桧を使い壁はしっくいで仕上げています。青いラインが再生前の天井のラインです。小屋裏を見せることにより開放的な空間が生まれます。
玄関：再生前は玄関を開けると廊下が丸見えでしたが今回、一階はワンルームにしたので廊下はなくなり新しく壁をつくりステンドグラスをはめ込みました。	一階リビングのタタミコーナー：ソファがわりにくつろいでいただけます。下は3つの引き出し式収納です。	再生前の欄間のビニールシートは隙間風を防ぐため・・・再生後は断熱もきちんとしましたので快適です。
二階の部屋も細かく仕切らずできる限りのびのびとした空間をつくりました。	ステンドグラス：夕暮れ時になると西日をうけて美しく輝きます。	唯一設けた二階の個室。襖には越前和紙を貼っています。
リビングには床暖房を採用したので冬も快適です。ここのお宅には犬がいます。さらに、この再生工事中に捨て猫を拾われ、あたらしく家族の一員とされました。ぽかぽかの床暖房はきっとペットたちもも喜ぶことでしょう。 ■再生前は青いラインの位置に天井がありました。 ■ピンクのラインの位置には鴨居がありました。部屋の真ん中の柱は廊下の壁があった名残です。