ごあいさつ
特定非営利活動法人 みみより会 理事長 庄 司 敏 昭
 3月11日午後2時46分、三陸沖に発生した地震は東北3県と関東地方にマグニチュード9の強烈な揺れをもたらしました。その数十分後に、今度は強大津波が太平洋沿岸の岩手・宮城・福島と茨城・千葉の一部にも襲いかかり、家や車が流される映像は、テレビなどで繰り返し全世界に放映されました。
 更にさらに、この地震と津波によって東京電力の福島原発が水を被り、非常用電源も止まってしまい、原子炉の圧力が高まり、爆発するという深刻な事態に到りました。拡散する放射能からの防護ということで、付近住民は住み慣れた地域からの避難を強いられており、発生から四ヶ月(本誌がお手元に届く頃は半年経っているが)、事故が収束する見通しはまだ立っていません。
 この東日本大震災は、東京・横浜などに住む都市生活者にも大きな後遺症を残しました。停電による交通機関の停止に伴い、帰宅を急ぐ人と車が歩道と車道に溢れ大渋滞の混乱が生じました。
 みみより会も少なからぬ影響を受けました。震災翌日の12日土曜日は理事会が予定されていたのですが、交通の混乱を懸念して急遽中止されました。3月20日の例会は今後のみみより会の行方を占う「みみより会の進むべき道」をテーマに、会員の皆さんからの忌憚ない意見を聞く予定でしたがこれも4月に順延、5月に予定していた総会は6月に延期することにし、会員にはホームページ掲示板・メール・FAX等により周知徹底しました。
 理事長就任挨拶のはずが、いきなりの巻頭に何故こんなことを書いたかというと、平成23年3月にこういうことがあったと、記録に残しておくためです。人々は大きな事件があったことは頭の中に記憶しますが、それはやがて風化します。でも文書に書かれたものは記録として残ります。

 さてこれからが本題ですが私こと、この度の総会信任投票後の新理事会において理事長に推挙されました。いずれ理事長は仕方ないかなと覚悟はしていましたが、やはり身の引き締まる思いです。
 平成10年佐藤和夫会長就任に伴い、その指名を受けて副会長に就任し(2期目から理事長制度に会則が改定され)遠藤良明理事長のもとで4期、遠藤勇一理事長のもとで2期、合計7期副理事長を相務めました。副理事長以前の理事時代も含めて主に例会を担当してきましたから、私のみみより会役員活動歴は四分の一世紀を超えています。
 会歴・役員活動歴が長い割には、庄司敏昭って誰? という声も少なくないことに愕然としました。そこで今回は自己紹介がてら私の生い立ちを記します。
 私は昭和23年に静岡県沼津市に生まれました。父が軍関係の仕事をしていて転勤でこちらに来て、戦後もそのまま居付いて世の中が落ち着いてきたころ合いをはかり、私が2歳のとき東京に戻りました。そのせいか静岡の記憶はほとんどないのですが、なんとなく愛着はあります。平成6年の静岡支部設立35周年記念の集いには率先して参加しました。
 中耳炎が悪化して聞こえが悪くなり、商業高校に受かっていましたが担任の先生から、電話が取れないと就職はムリだと言われ、先生の紹介で名城大学付属電気専門学校に入りました。
 ここでの知識と技術の取得が、その後の私の職業人生に大いに役立ってくれたのです。東芝に入社して最初は電気関連一般の仕事をしていましたが、コンピュータの発展と共にパソコン関係専門となり、定年後は子会社に異る動していまも仕事しています。
 みみより会に入会したのは18歳のときだから、こちらの会歴も相当古い。私の耳のことを心配した母が読売新聞の記事を見て、私の名前で入会手続きしてくれたのでした。同年齢の仲間が沢山いて楽しくて、ベル会館で例会があった頃は毎月出席していました。
 それがベル会館倒産後は月例会場が一定しないこともあり、6年ほどご無沙汰しました。昭和50年にいまの東京都障害者福祉会館ができて中途失聴者・難聴者のための手話講習会を受講することになり、みみより会例会への参加も復活して今日に至っている次第です。

 さていちばん肝心の、みみより会のこれからの運営をどうするか? ですが、これはもう歴代理事長の路線を踏襲していくより他ありません。
 高齢化に伴う会員の減少は即会費収入減となり、不景気による広告の打ち切り、寄付金の落ち込みなど会を取り巻く状況は厳しい。このため会誌『みみより』は隔月刊になりましたが、月例会も今年度から隔月開催になります。
 2ヶ月に一度の例会は会が主催しますが、例会のない月はハイキング・旅行・美術鑑賞会・バーベキューなどーを、最近は時間に余裕のあるシニア世代が中心になりましたので、平日実施でも結構人が集まるようです。経験ある会員有志による企画立案と呼び掛けに期待しています。宜しくお願いします。

                       しょうじ としあき(横浜市港北区)

                   平成23年『みみより』誌 9月号(通巻574号)より
                               平 成 23 年 初 秋