++ギャシュリークラムのちびっ子たち++

マザーグースに「AはアップルパイのA」という歌があります。
「A was an apple pie;」(AはアップルパイのA)
「B bit it,」(Bはそれに噛み付くのB)
「C cut it,」(CはそれをカットのC)
以下、D、E、F・・・とアルファベット順に続き、
最後はZで終わるこの手のアルファベット歌は良くあります。
今回紹介する絵本も、アルファベット26文字に載せたワルツ。
記憶の糸を手繰り、幼少ころのご自身と円舞しながら読めば
きっと純真無垢なあの頃を思い出すはずです。

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著者/エドワード・ゴーリー
訳者/柴田元幸
初版/2000年10月
発行/河出書房新社
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まずは軽く、A〜Cまで見てみようか。
「Aはエイミー かいだんおちた」
「Bはベイジル くまにやられた」
「Cはクララ やつれおとろえ」
どおゆう訳だか、とにかく子供が
悲惨な死に目に遭っとる。

緻密な線画の挿絵にただ一文、
誰かが「ちっそく」とか「したじき」とか
「ひだるま」とか書かれているよ。

いいねぇ。
エドワードゴーリーっていいねぇ。
この、「子供はとりあえず死んでおけ。」な
感性いいねぇ。


さて、読み進めていくと、
「Pはプルー けんかのまきぞえ」
プルー
・・・オイッ!
プルーさんよぅ
なんでBARに入ろうとしているのかな!?
こどものクセに!!
なんでBARに入っちゃったのかな!?
こどものクセに!!

おそらく、けんかもコイツが原因。

注目すべきはクェンティン。
クェンティン
この顔・・・さてはおまえ、
ゴルゴ13だろ!?
「Qはクェンティン おちたのはぬま」
クェンティン
なるほど、ゴルゴ13らしく背中には気をつけていたものの、
前方は不注意でしたか

こうして、最後のZで
「Zはジラー ジンをふかざけ」
と、26人の子供がめでたく死に絶えてこの本は終わります。

ワルツよりはレクイエムが似合ってました。

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しかし、この本、何が一番問題かって言うと、
献辞にて「ヘルネに」と書かれてしまった
ヘルネさんに相違ないだろう。
何が嬉しゅうて子供がバッタバッタ
死んで行く話を捧げられているんだ、
この人。