++うろんな客++
ゴーリー作品を人に勧めるとその反応はとても良好で、
「面白い」「気に入った」「最高!」と言ってくださる方が殆どです。
しかしまた、同じ方々はこうも言います。
「ヤバイって(藁」
「何も得るものがない」
「子供の情操教育に良くない
でも今回紹介するゴーリー作品は
(1)全然ヤバくなく、
(2)何か得るものがあり、
(3)子供にこそぜひ読んでもらいたい作品。
てゆか、大警告!
今回のゴーリー作品、誰も死にません!!
マジですか?マジです!
これでもう(1)のヤバくないは無問題だNE!
書名/うろんな客
著者/エドワード・ゴーリー
訳者/柴田元幸
初版/2000年11月
発行/河出書房新社
タイトルにある「うろんな客」とは、
表紙に描かれたカギ鼻で白目を剥いた
シマシママフラーに白い靴を履いたケモノです。
こいつがある日突然、とある一家に乱入するところから物語は始まります。
「風強く 客もなきはず 冬の夜
ベルは鳴れども 人影皆無」
主人公、ピンポンダッシュで登場。
それって登場してません!てツッコミはさておき
今回柴田さんの和訳が特に秀逸です。
五・七・五・七・七の短歌形式の上に最後の句は四字熟語。
(2)の何か得るものとは四字熟語を覚えられることなのです!
定型詩の問題もこれでバッチリ!
国語の点数一気にUP!
この調子で「客」の後ろからド突き倒したくなるような悪態を描いて行き、
最後に意外性あるオチがつき、
解説も併せ読んだところで
我々はこの「客」が何だったかを知ります。
奴は子供の比喩だそうです。
だから、子供に読み聞かせるときは
その子と対比してやれば(3)の子供の情操教育になるんじゃないのかなぁー?
まぁ、ここまで言ってなんだけど
(1)(2)(3)を気にしながらゴーリー作品読もうなんて人が
何よりもうろんだって。素人にはオススメできない。