注意しなくては いけない品物 |
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これからの時期に注意しなければならない品物は・・・・・ 人工皮革使用の品物です。(特に冬物に使用されています) 何に注意しなければならないかと言うと、何しろ乾燥が悪い品物なのです。 乾燥が悪いと言うと具体的には何が問題になるのかと言えば、 それはドライクリーニング溶剤の残留が一番の問題です。 このドライクリーニング溶剤の残留は最近もマスコミに取り上げられましたが、 皮膚炎(薬品火傷)の原因物質です。 ※薬品火傷は軽油、灯油、ガソリン、エンジンオイル等でも起ります。 ポリウレタン素材に使用される石油系溶剤(水の代わりに洗剤を溶かし込む媒体)とは ソルベントという溶剤です。 ガソリンや灯油の従兄弟みたいな物で可燃性の揮発性有機溶剤です。 (ソルベント・・・分類上は工業ガソリンに分類されてます) 人工皮革の生地は・・・ お持ちの方は判ると思うのですが、わりと厚めの生地が多いようです。 生地自体がスポンジ状の構造をしていて、 その分溶剤を吸い込んでしまいやすいという事が言えます。 元々乾燥しにくい厚地の生地に、さらにスポンジ状云々の悪条件が 重なってしまうわけですから当然、溶剤残留の危険性は高まっていきます。 (デニム地や厚地のニットも乾燥はあまり良くない) 我々業者側としても気を付けてはいますが、お客様より「急いで仕上げて下さい」 と言われればその要望に沿うような仕事をする事になります。 その結果、乾燥時間が足らなくなり溶剤が残留したままの品物が お客様の所に届いてしまう訳です。 乾燥が悪い品物の特徴としては「品物から石油臭がする」事です。 よくお客様が「ドライクリーニングの匂い」がすると言われる事が在りますが (溶剤の種類によっては臭気の無い物が在りますから注意が必要です) 業者が品物を処理した証として安心するのではなく、 皮膚炎の危険が在るとお考え下さい。 もしその様な品物が届いた時には、すぐに業者に連絡をする事をお勧めします。 対処方法ですが、そのままの状態でお召しになる事は出来ませんから、 溶剤を乾燥させる事になります。 目安としては、石油臭が無くなるまでカバーを外した状態で吊るしておいて下さい。 (品物の状態にもよりますが、品物を裏返して室温で 2〜3日程度の陰干しで溶剤が蒸発します) お急ぎの場合には業者に連絡した方が良いと考えます。 (そのための設備があるゆえ・・・) 注:自然乾燥しなければならない品物に付いては諦めて頂くしか無いですが・・・・ 特に女性のお客様が人工皮革の品物をお召しになる事が 多いと思いますが、クリーニングに出される時には、 品物の乾燥に時間がかかってしまう為決して急がず、 時間に余裕を持ってお出し下さい。
お客様にお願い!
当店では溶剤残留による人身事故を防ぐ意味で お時間を頂く場合がございます。 時間を頂けない時には受付をお断りさせて頂く事もございます。 事故報告例では女性物のボトムが素肌の上に直接着用される為に 溶剤残留による薬品火傷(皮膚炎)の事故率が高いようです。
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