注意しなくては

いけない品物

ボンディング加工の品物

一枚の生地を作るのに2種類以上の素材を貼り合わせて作ります。生地は独特の張りがあります。ある時期が来る（２〜３年)と貼り合わせに使われる接着剤(ポリウレタン系の接着剤が多い)の寿命で接着力が落ちてきます。(経時劣化という)具体的には生地にしわが残ったり気泡が入ったように見えます。(剥離という)製品としての寿命ですが、クリーニング処理後に顕著に現れる為、クリーニング店と原因をめぐってトラブルになりやすい品物です。

数年前に流行りましたが、その頃お買い求めの品物が寿命に来ていて、昨今、トラブルが急増している品物でもあります。

※ポリウレタン等の樹脂コーティングと事故の形態は似ていて(原因は同じ)、このトラブルは回避することが出来ません。着用していなくても経時劣化が起きていれば、最初のクリーニングでも、ほぼ100%トラブルになります。

樹脂コーティングの品物

ポリウレタン系と塩ビ系、大別して2種類流通してます。これらの品物は、経時劣化による剥離、破れ、硬化、収縮等が起こります。

ポリウレタン系は剥離、破れが出ます。これはポリウレタンの高分子が加水分解される事(これが経時劣化の原因)によって起こります。大体寿命が２〜３年程度で、薄くコーティングされている品物は製造された年の内に事故になるケースもあります。よくある品物としては、フェイクレザー、スノーボードウェア、ミリタリージャケット等

コーティング処理により生地に防水性防風性が付与されるが、耐久性に欠点が在る製品。

ミリタリージャケット等の軍用品は消耗が激しい為、定期的に支給が行われているので、数年持てば良いという発想で企画製造されています。

塩化ビニール系は硬化、収縮が起こります。これは可塑剤(かそざい)と呼ばれる塩ビにしなやかさを持たせる成分が抜けてしまう為起こります。可塑剤が抜けてしまった分、品物は硬くなり縮みます。寿命は硬化、収縮が始まったら寿命です。放っておいても可塑剤は抜けてきますが(経時劣化)、油脂に可塑剤が溶脱する性質が在りますので、皮脂に反応して襟の所が硬化する事故形態です。良く解る例としては、灯油の手動ポンプやビニールホース等が灯油に反応してしまい硬化、収縮、ひび割れが発生して使い物にならなくなった。というのが身近にある塩ビ系の製品の特徴ではないでしょうか？

衣料品としては雨合羽が代表ですが、フェイクレザーや基布にコーティングされている物も在ります。そうった品物の場合は取り扱い表示で表記されていない場合ドライクリーニング処理でトラブル(硬化、収縮)になります。

※ドライクリーニング溶剤はソルベントと呼ばれる工業ガソリンにドライソープという洗浄成分が添加されています。

ストレッチ素材の品物

ポリウレタン糸使用の品物はストレッチ素材と呼ばれてます。ジャケットやスラックスやブラウスに使われています。経時劣化により生地に織り込まれている糸が切れたり伸びたままになってしまい、要は復元できなくなる為、肘が出たままになったり膝が出たままになったりの型崩れが起きます。

※ある時期が来たら型崩れが起きる品物と御理解下さい。

オイルコーティングの品物

オイルコーティングの品物はコ−ティングオイルがどんどん落ちてきて(または乾燥して)風合いが変わる事が挙げられます。また、コーティングオイルの色移りが起こりますので要注意です。着用時は特にお気を付け下さい。濃い目の色のコーティングオイルが多いようなので、着合わせ、持ち物は同系統の色の濃い目の色を使われるのが良いと思います。

※色移りが起こっても目立たない効果が期待できます。

モール糸使用の品物

モール糸の製品は糸にボリュームがあります。編み目が通常のニット製品と違いかなり緩めの編みになっていて、通常の着用やクリーニング処理により激しく型崩れが起きます。

※ファッション性は高い品物ですが、重大な欠点もある品物です。欠点も御理解の上でお買い求め下さい。

竹繊維の品物

最近流行してますが、竹繊維の品物は繰り返しの曲げ伸ばしで繊維が破断してしまいます。実際の製品を見みますとトップスに使われてる事が多い様ですが、一見して普通に竹が使用されているとは解りません。具体的にどういう所がトラブルになるかと言うと、ひじの内側のしわがよるところに多く出ている様です。

※繊維の組成はお買い求め頂く時に十分気を付けて下さい。

浴衣

最近ブームで着物メーカーやユニクロ等で安価で出回っている様ですが、この品物も注意が必要です。品物が新しい内は問題無いのですが、ある時期が来ると染めに使っている染料が劣化してしまい、色泣きを生じます。よく御客様から「この間やってもらった時は平気だったわよ」等と言われますが、実は結構トラブルが多い品物なのです。

※新品のうちに色泣きするか染料が劣化してから色泣きするかの品物だと言うことを御理解下さい。