チークタイムは二人のために
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眞魔国第27代魔王陛下が即位されて、随分と年月が経とうとしております。
即位当時はまだ、魔族年齢にしても成人とはいえなかったユーリ陛下も、
喜ばしいことに無事に16の年に達せられました。
そして幾多の苦難や問題に立ち向かい、それを解決してまいりました。
その姿はもう、我が眞魔国の王に相応しく、優雅に、力強く!!!
陛下は歴代魔王の中でも珍しい、双黒の荒人であり、
また『ちきゅう』と呼ばれる異世界でお育ちになった方であります。
二つの世界に愛された魔王陛下は、眞魔国だけに留まるという事が出来ず、
成人のお祝いや御誕生のお祝い、各種お披露目などの催しが、執り行われずにきておりました。
ですが!!で・す・が・っ!!!!!!このたび陛下より、
「もうこの際だ!矢でも鉄砲でももってこい!!あ〜、いいよいいよ、なんでも纏めって祝ちゃおうぜ!」
との温かい、やる気に満ちたお言葉を頂きましたので、
不肖私ギュンターが、陛下のお披露目の会の式を取らせて頂くことになったのです。
眞魔国を挙げて、我らが陛下のお祝いを致しましょう!!!
それはもう、陛下のお心に、そして我々の心に・・・
いいえ!もう、眞魔国の歴史に残るような!!!そんなすばらしい宴を開きましょう!!
_________以上、シンニチより抜粋。王佐フォンクライスト卿ギュンター様からのお知らせより。
華々しくシンニチのトップに上記のような内容の記事が永遠と30ページに渡って掲載された。
簡単に言えば、ようやく身辺が落ち着いたので改めて皆さんの前で正式にお披露目します、
といった宴のお知らせ。
本当なら内々に・・・とユーリは思っていたけれど、『せっかくのお披露目なのにあんまりです!』と
麗しの王佐に泣きつかれれば、諦めざるをえないというもの。
これはもう、十貴族だけでなく、城下でもお祭り騒ぎになることは明白だった。
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