10万HIT有難うございます★

 

1.10000 (三男→陛下)

 

ユーリ。

お前と10000回旅に出れば、

お前は10000回厄介ごとに巻き込まれて、

ぼくは10000回この身を剣を振るうだろう。

お前が10000回誰かに出会えば、

ぼくは10000回お前の不貞を許さなければならない。

お前が10000回間違いを犯しそうになったら、

ぼくは10000回お前をへなちょこと呼ぶし、

お前が10000回傷ついたら、

ぼくは10000回お前の涙を拭ってやろう。

そうしてお前が10000回喜んだら、

ぼくもその隣で10000回笑いたい。

なぁ、ユーリ。

もしお前が10000回地球に帰るなら、

ぼくは10001回目のお前との再会を、

たとえどんなに長い年月だって待てるんだぞ。  

だから。

ぼくが10000回、お前の名を呼んだなら、

お前も10000回ぼくを振り向いてくれないか。

 

 

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2007/7/3

100000回も足を運んでくださった、皆様に。

 

 

.フレグランス (陛下→三男)

 

忙しく行きかう人々に紛れて電車へと向かっている時、

ふと視界の端に柔らかな蜂蜜色の髪が映って消えた。

『!・・今の・・・』

その瞬間、鼻腔を突いてとっても甘くていい匂いがした。

それはどっかで嗅いだ事のある匂いだった。

懐かしくて、優しい、心が落ち着く香りだった。

そう、それは毎晩眞魔国のベットの中で・・・。

『ヴォルフ?まさか。』

それは人ごみの中での一瞬の出来事。

 

 

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2007/7/5

想いが作った、もう一人の愛しい人。

 


.間 (王佐と長兄から見たロイヤルカップル)

 

「なぁ、ヴォルフ。昨日のさ、あれ取って。」

「なんだ?あぁ、あれか。あれがいるなら、

 こっちも必要じゃないのか?」

「あぁ、うん。そうそう。忘れるとこだった。

 あぁ、サンキュ!ヴォルフ。」

「大事無い。」

目も合わせずにテキパキと仕事をこなす二人を

王佐と長兄が盗み見る。

「い、今の会話で理解できましたか?」

「・・・いや。」

「『あれ』や『これ』やで理解できるようになるとは・・・

 あの二人・・・。」

「慣れ、というものだろうなぁ。」

 

これで二人無自覚というのだから、

眞魔国の慶事はなかなかに遠い。  

 

 

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あれやこれや言わなくても、わかってしまう、阿吽の呼吸。

 

 

4.実らない果実 (苦悩する陛下)

 

「なぁ、なんでイチョウって実がなる木が決まってんだろうな?」

ユーリの間の抜けた質問に、

村田はちょっと苦笑しながら答えを教えてやった。

「銀杏ってさ、雌花と雄花があるでしょ。」

「木にも男と女があるってこと?」

「まぁ、簡単に言えばそうだね。」

「ふ〜ん・・・」

急に興味をなくした様子のユーリに村田は小首をかしげる。

「大体さ、渋谷は何が知りたかったんだよ?」

「べつに。」

ユーリは目の前の木を見上げて呟く。

「ただ、実が成らなくってもイチョウはイチョウで、

まっすぐ綺麗に育ってるからそれでいいじゃないかって思ったんだ。」

それは向こうの世界で待つ、

この木の葉と同じ色の髪を持つ想い人を思いながら。

 

 

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2007/7/9

男と女の性差、壁を乗り越えてしまったら、

きっと気にしないんだろうけど、些細なことで思い知らされるたびに、

自分自身に強く言い聞かせてしまう陛下。

この愛は嘘ではないのです。

 

5.虚ろ(ユヴォ)

 

寝起きのヴォルフは機嫌が悪い。

でも寝起きのヴォルフは常のヴォルフよりずっと素直で可愛らしい。

本当は寝ていたいくせに、

コンラッドと出かける予定をたてていることが気になるらしく、

落ちる瞼をこすりながら必死に起きるヴォルフラム。

そんなにも重たい瞼なら抵抗せずに寝てしまえば良いのに。

「ヴォルフ。」

「ん。」

「おれさ、今日出かけるのやめるよ。」

「・・・なじぇだ・・・?」

半開きの翠の瞳が綺麗。

呂律の回ってないアルトの声が可愛い。

そしてなにより・・・・寝顔がまた可愛いから。

虚ろな表情をさらすヴォルフを布団に押し込め、

自分の腕の中に丸め込んだ。

「ん?もう少しお前と寝てたいからだよ。」

 

 

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と2007/7/11

とにかくもう、かわいいなぁって。

 

 

 

6.海鳥(三男→陛下)

 

翼のあるものは良い。

そのものの思い通りの場所へ、飛んでいけるから。

遠く広い海を渡って往く海鳥などは、もっと良い。

どこまでもどこまでもたった一つの目的を目指して、

力強く飛んで行けるから。

「想いの強さなら誰にも負けないのに。」

ぼくに翼をください。

遠く遠く愛しい人の元へ飛んでいける翼を。

時空を超えて彼の元へ。

海鳥のように。

 

 

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2007/7/13

会いたいなぁ。

 

7.γ(陛下→三男、ぞっこん陛下)

 

「・・・で、あるからして、ガンマ線というものは〜・・・」

「・・・あっ!だからなんだ!!!」

「・・・・・渋谷。廊下に立っとれ。」

シャープペンを意味無くカチカチと鳴らしていたとき、

聞き流していた授業の内容の一部が、耳の中に転がり込んできた。

それが今の自分にぴたりと当てはまっていたものだから、

思わず叫んでしまったのだけど、もちろん先生様には理解されず、

教室を追い出される羽目になってしまった。

さざめくようなクラスメートの笑い声に背中を押され、

現状としては恥ずかしい状態なんだけど、

おれの頬が熱いのはそのせいではなくて・・・。

『ガンマ線というのは数センチの金属すら貫くもので・・』

「そうか・・それでか。」

脳裏には蜂蜜色の髪を揺らして笑う、婚約者の姿が映る。

『ぼくはお前の外見に惑わされたわけじゃないぞ!』

『ぼくはお前を眞王にも匹敵する魔王だと思ってる。』

『ユーリ・・・愛してる。』

まっすぐおれに向けられる賛辞とその根底に流れる彼の愛情。

それは気づけばγ線のようにおれの分厚い倫理観を貫いて、

彼とおれの間をぐっと縮めた。

「早くヴォルフに会いたいな。」

第27代魔王王配殿下、フォンビーレフェルト卿ヴォルフラムに。

追い出された教室のドアの前で、窓から見える青空を眺める。

 

 

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2007/7/15

一途な想いは鉄の倫理をも打ち砕く、と信じております。



 

8.硝子の境界線(ヴォルフ→陛下 寂しい三男)

 

婚約者。

たった一言の単語が、ぼくとユーリを繋ぐ。

でもそれは、とても脆い硝子の境界線だ。

「まぁたまた!おれたち男同士だろ?」

困ったように笑いながら、そう口にするユーリはまるで、

無邪気な顔で花を握りつぶす幼子のようで。

憎む思いも、咎める思いも、湧き上がらず・・・ただ。

__________________悲しくなる。

 

 

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2007/7/17

ぱちんと割れたその先には、何が残るんだろう?

 

 

9.時計の針(ロイヤルファミリー 決意の三男)

 

どうして、ぼくとユーリの時計の針は、

進みがこんなに違うんだろう?

 

疑問に思うまでも無く、それはぼくが純血魔族で、

彼が魔族と人間の混血であるからで。

もっと言うのなら愛する愛娘のそれは、

ぼくより進みの速いユーリをも凌駕する速さで進んでいく。

出会ったときは見た目だってぼくが一番年上だったのに、

今ではぼくはまるでグレタの孫。

そしてユーリの子のようにすら見える。

「でも・・分かっていたことだ。」

二人を愛した日から、この日が来ることを覚悟していた。

たとえ進みが違う時計でも、重ねる時間に変わりは無いから。

ぼくとユーリとグレタと。

共に過ごした日々が、笑いあい、

愛し合った日々が消えるわけではないのだから。

だから・・・・

「ぼくは、お前たちを見送ろう。

そうしてもう一度生まれ変わり出会える日まで、

愛し続けると誓おう。」

ぼくは決して約束を違いまい。

どんなに涙が流れても決して。

でも。

もしも、望めるのならどうか再び生まれなおすその時には、

ぼくらの時計が同じ時を進むものであれば・・・。

 

 

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2007/7/19

三男の決意。

時が簡単に引き裂けるような、やわな恋はしていないのです。

 

 

10.(ユヴォ/甘えんぼ陛下)

 

執務の合間、お気に入りの中庭の木の下。

長閑に晴れた日に、

ここでユーリと二人休憩を取るのが好きだ。

以前は膝枕を嫌がっていたユーリだけど、

最近は気に入りの色違いお揃いのブランケットを掛けて、

膝枕で休むのが気に入りのようだ。

「ユーリ早く休んだほうがいい。

 今日の午後は予定が詰まっていただろう?」

「それが、急遽明日に変更になったんだってさ。」

「そうなのか?」

「そうなんだ。」

動きたがりのユーリは仕事の延期を嬉しそうにそう答えた。

「ぼくも午後からは大した仕事がないから、

 ゆっくり休ませてやれるぞ。」

そういってぼくはいつものように木に腰を落ち着け、

膝をぽんぽんと叩いてユーリを促した。

けれどユーリはそれに従わず、

笑顔でぼくを押しのけようとする

「ん〜、今日は違うよ。今日のヴォルフはここ。」

さっきまでぼくが腰を落ち着けていた場所に陣取り、

ぼくに自分の足の間に座るように促す。

「一体どうしたんだ?急に。」

「たまにはいいだろ〜?こういうのも。」

ユーリの胸に後頭部を預けると、

腰に緩く手を回され、引き寄せられる。

後頭部で感じるユーリの鼓動。

背中に広がる、ユーリの暖かさ。

「最近お前、休んでないだろ?・・・というか、

 おれも最近忙しくて、甘えられてないし。」

後頭部に響いていたユーリの鼓動が少し早くなったのを感じ、

ほんの少しおかしく思った。

掛けられたブランケットの中が、

暖かさを増してくると、自然と瞼が落ち始める。

眠りに落ちる前に見た青空には、

睦まじく飛翔する二つの影。

 

 

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2007/7/21

前抱っこでおひるねって可愛くて大好きVv

ピンキーでもおもわずやってしまう、

お気に入りのポージンクスタイルです★

 

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