微妙な19のお題 02>> あの日から浮かぶのはいつも決まって
透き通った美しい水の龍を操る君の姿。
初めて、人を、美しいと思った。
気高い、双黒。
その、闇より深い瞳がぼくを見つめている。
それは背筋が凍るような冷たさ。
けれど、魔法が解けてみれば、
今度はこんなにも温かな柔らかな瞳。
側に。
彼の側にこの身を置いてから、
その黒耀の瞳が放つ光にも色んな色があることを知った。
自分でも良く分かっているんだが、
ぼくは相当な我がままで、プライドは空より高い。
だからなかなか素直にはなれなくて、
いつだってお前に、きつくあたっているような気がする。
でも。
分かって欲しい事があるんだ。
ぼくがお前のことを、どんなに愛しているか、ということを。
だからこそお前には、その地位に相応しい者になって欲しいのだと言うことを。
「本当なんだ。愛してる・・・ユーリ。」
あの日から決まって、この脳裏に浮かぶのは、
愛しい双黒の貴方のことばかり。
初めての夫婦喧嘩(え?)後、ユーリが目覚めるまでにだんだんと芽生えた恋心。
少しずつ膨らんで、果ては密航まがいまで・・・のあたりのヴォルフです。
ヴォルフがユーリに好意をもったのって、多分寝てる間なんじゃないかって思うんですよ。
じゃなきゃ、初っ端「男に好かれても嬉しくない」だの、「(求婚を)屈辱」だの、
「異世界・人間大っ嫌い」と思っていた子が、目覚めた途端、異世界文化に興味をもったり、
コミュニケーションとったりしないと思うんで・・・。