微妙な19のお題(03)理由なんていりませんただ好きなんです

 

 

ぼくがユーリを好きだといえば、

『だっておれたち、男同士じゃ〜ん?』と、ユーリの決まり文句。

だからなんなんだ、とユーリに言いたい。

大体最初に求婚してきたのはそっちじゃないかと文句をいえば、

『そんなん、おれが異文化コミニュケーションに失敗しただけで・・。』

と、返ってくるだけだ。

だったらお前に聞きたい事がある。

 

お前は、人と出会って、人と仲良くなるとき、

見た目がどうだとか、

性別がどうだとか、

そんなことで、今後自分の知己として付き合っていく人間を決めたりするのか?

もっとも、そんな考えの奴らも、世界中探せばそう少なくは無いだろうが、

目の前に居るお前、そう、『シブヤユーリ』は少なくともそんな人間か?

違うだろう?

だってお前は、何一つ偏見などを持たず、人と仲良くなれる才能の持ち主なんだからな。

ニコラのことも、ニックのことも、グレタのことも・・・。

うん、自分でその辺はよく分かってるようだな。

だったら、どうして、ぼくにだけ、そんな偏見を振りかざす?

『え?』じゃないっ!!

どう考えても偏見だろうがっ!!!

ぼくを拒む理由が、『性別』だけだというのなら、

こうしてお前に語りかけている『フォンビーレフェルト卿ヴォルフラム』という男が、

どういう人物なのか、全く気にかけていないということなんだぞ?

それがどういう意味なのか分かるか?

否定されるたびに、ぼくがどんな気持ちでいるか、お前に分かるか?

ぼくはお前が好きなんだ。

理由なんていらない。

シブヤユーリという人物の、その全てが魅力的だと、思ってる。

愛するに値する、尊いものだと、そう思ってる。

なぁ。教えてくれ、ユーリ。

お前はぼくをどう思ってる?

お前はぼくを・・・好きか??

 

・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

おいっ!!このへなちょこめっ!!

 

言葉に詰まるなっ!!!

それはそれで地味に、傷つくだろうがっ!!

 

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2005/1/8

このタイトル、作代としては面白かったです。

色々考えて、結局はっきりしないユーリを問い詰めるヴォルフに落ち着きました。

普段私が、性別だけが気に食わない、後は全て好みなんだけど〜なんて言われたら、

きっと普通に振られるよりきついだろうな〜と思っていたので。

でも、うちのヴォルフは結構前向きなのでこんなもんじゃ、諦めませんけどねっ!

というか、この無言はある種の肯定・・・なんですけどね、この場合。

 

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