微妙な19のお題
09 > 嫌い、だけど好き 嫌いだから、好き
ヴォルフの嫌いなところ。
まずはその1.
妙に嫉妬深い。おれには他意はないのに、いつだって疑われているようで気分が悪い。
もっとおれを信じてくれよ、と思う。
そして、その2.
変に真っ直ぐなところ。良いことも悪いことも直球過ぎる。
開いた傷に塩を塗りこむような発言の数々に、何度涙したことだろう。
そして、その3.
寝相が壊滅的に悪いこと。一緒に寝ている俺の身にもなって欲しい。
ネグリジェなんて捲れ上がって着ている意味なんて無い位だし。
「あ〜・・もう!!まったく、どーしてあんな我儘なんだか。」
今日も今日とて口喧嘩をやらかしてしまって、
どちらもふてくされてそっぽを向いてしまってから早半日。
謝りに行くのも癪だけど、頭の中からはヴォルフのことが離れなくて困ってしまう。
せめてもの気晴らしと彼の嫌なところを上げ連ねてみたのだけれど、
これが結構あって今更ながらに驚いていた。
「そりゃそうか。初めは絶対こいつとは仲良くなれないなんて思ったもんだし。」
それが今はどうだろう。
おれをへなちょこの尻軽と呼びながらも、命がけで追いかけて来てくれて。
間違った道を行こうとすれば、必ず声を掛けてくれる。
「結局は____守られてるんだな、おれ。」
我儘で、嫉妬深くて、頑固者で。
そんなヴォルフが嫌い、だけど。
裏を返してみれば、自分の気持ちに素直で、一途で、淋しがり屋で。
そんなヴォルフを好き、だと思ってる。
好きだから、嫌いな面も一杯分かる。
嫌いだけど、そんな一面も含めて、ヴォルフラムだから。
やっぱり、好き、だな。
「あ〜・・もう!よしっ!!」
きっかけは、おれから作ろう。
あいつはこういうの、向かない性質だもんな。
きっと半分はまだ怒りながらも、半分は自分の行動に自己嫌悪して、
拗ねているだろうおれの婚約者の元へ。
そういうとこも、やっぱり、好きだから。
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