微妙な19のお題 10 > この笑顔でいつまできみをはぐらかせるのでしょうか

 

 

ヴォルフを好きだと気付いた時。

それは初め、気の置けない友人の範囲内だと思っていました。

君がおれに傾けてくれる気持ちが、『愛』や『恋』の類だと知りながら、

君が側にいる心地よさを手放さない為に、

君の気持ちに気付かないふりを続けてきました。

でも、気付けば。

おれは君に恋してた。

側にいないと淋しくて。

離れていて君を思い出さない日は無い。

「ユーリ・・」と優しく俺を呼ぶ声。

叱咤しながらおれを支え、天使の笑顔で激励してくれる。

 

君はもう、おれの家族と同じ。

大切な人。

 

ヴォルフラム。

どうかもう少しだけ。

俺の中にある、『倫理観』という小さくて大きな壁が、

まだどうにも越せなくて、君の気持ちに応えられないんだ。

 

いや・・・越さなくってもいい。

せめてその壁に、穴一つ分開くまで。

おれが通れる穴一つ分開くまでどうか、待っていて。

 

それまでは。

大切な友人として。

そしてこの国に住まわる、おれの大切な家族として。

 

おれは君の側に。

そして、君をおれの側に。

 

この笑顔でその時まできみをはぐらかせるでしょうか?

 

 

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2005/2/9

「男同士」の壁とヴォルフへの想いの狭間で悩むユーリ、です。

結果は決まっているのでしょうが・・・、

生まれ育って、培ってきた倫理観や常識と言うのは、なかなか覆せないものですものね。

でも!!でも!!

覆したその先には、可愛い天使が待っていますよ〜っ、陛下!!

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