微妙な19のお題 12>きみと共有するものは、空気とことばと、それともう一つ

 

 

「可愛いな。」

「あぁ。おれの娘だもん。」

アニシナの研究室で目一杯遊んできたからだろう。

お風呂に入って、食事をして、彼女に自室に着いた途端、

可愛い娘はゆっくりと夢の世界へと旅立ってしまった。

すやすやと眠るグレタの健康的な小麦色の頬にキスをすると、

何故だかむっとした表情のヴォルフがおれを睨んでいた。

な、なんだ?

まさか、『ぼくにも口づけは?』とか言い出すんじゃないだろうな?

おれの心配をよそに、当のヴォルフはというと。

「ふん!グレタはぼくの娘だからな!!」

今度はおれに対抗するように、グレタの額に小さなキスを落とした。

 

純血魔族と、純血人間と、魔族と人間のハーフと。

今のこの世界では、相容れない3つの種族の代表みたいなものだけど。

今、この部屋にあるのは、それとは正反対の穏やかな空気だけ。

それは、魔王になったおれが望む、世界の縮図だ。

純血魔族も、純血人間も、魔族と人間のハーフも、皆同じ、命を持ってる。

その尊さを、感じるこの瞬間。

それを、おれは、何にも変えがたいほど、幸せだと思っている。

 

愛しい婚約者。

君と共有するものは。

この世界、この空気、この想い。

そして、二人を繋ぐ『可愛い娘』と。




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2005/3/15

最近ロイヤルファミリーネタばかり思いつきます・・・。

この三人が揃うと本当に可愛い(笑)

でも実はヴォルフママと手の掛かるお子様二人に見えるんですよね〜。

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