微妙な19のお題 13>

約束をしよう、それはとてもはかないものかもしれないけど

 

 

ユーリと出会って、ぼくの人生は激変した。

自分から求婚しておいて、ぼくが伸ばした掌から、

するりするりと逃げてしまう、ユーリ。

愛しくて。

大切で。

ぼくが見ていないと、危なっかしくてたまらないから。

振り解かれても振り解かれても。

追いかけて、捕まえたくなってしまう。

 

たくさんの旅をして。

 

ぼくも、知らなかったたくさんの世界を見て。

思っていたより人間も、魔族となんら変わりないものなんだと知って。

ユーリが望む、「争いのない世界」が、

難しいとはいえ、決して夢物語ではないのかもしれないと思うこともある。

でも。

やっぱりその道は、決して平坦なものだとは思わない。

そして。

例え平坦なものではないと知ったとしても、

歩みを止めることなく突き進むであろう事も分かっている。

 

だから。

約束をしよう、それはとてもはかないものかもしれないけど。

たとえ、ユーリが「男同士」の壁を越えられなくても。

ぼくの愛を受け入れてはくれなくても。

いや。

それどころか。

側にいるぼくを忘れてしまって、誰かに愛を囁いたとしても。

 

 

それでもぼくは、貴方の側にいよう。

貴方が笑っていてくれるなら。

 




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2005/4/24

ユーリが否定してばかりなので、たまにはヴォルフも落ち込んでるんじゃないかな?

なんて思って書いてみました。

どんなに否定されても、はぐらかされても、

それでもヴォルフは側にいてくれるのでしょうね。

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