微妙な19のお題 13>
約束をしよう、それはとてもはかないものかもしれないけど
ユーリと出会って、ぼくの人生は激変した。
自分から求婚しておいて、ぼくが伸ばした掌から、
するりするりと逃げてしまう、ユーリ。
愛しくて。
大切で。
ぼくが見ていないと、危なっかしくてたまらないから。
振り解かれても振り解かれても。
追いかけて、捕まえたくなってしまう。
たくさんの旅をして。
ぼくも、知らなかったたくさんの世界を見て。
思っていたより人間も、魔族となんら変わりないものなんだと知って。
ユーリが望む、「争いのない世界」が、
難しいとはいえ、決して夢物語ではないのかもしれないと思うこともある。
でも。
やっぱりその道は、決して平坦なものだとは思わない。
そして。
例え平坦なものではないと知ったとしても、
歩みを止めることなく突き進むであろう事も分かっている。
だから。
約束をしよう、それはとてもはかないものかもしれないけど。
たとえ、ユーリが「男同士」の壁を越えられなくても。
ぼくの愛を受け入れてはくれなくても。
いや。
それどころか。
側にいるぼくを忘れてしまって、誰かに愛を囁いたとしても。
それでもぼくは、貴方の側にいよう。
貴方が笑っていてくれるなら。
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