微妙な19のお題 14>まだ言葉というものに怯えたままのぼくから、
「ぼくは、ユーリが好きだ。」
面と向かって投げかけられる言葉にいつも怯んでしまう。
もちろんおれだって彼が好きなのに、
答える勇気を彼の真っ直ぐな言葉が切り裂いていく。
そうして口から出て行くのは、呆れた溜息位になる。
でも。
呆れているのは、自分自身の勇気の無さだったりするんだけど。
そうやっておれが呆れた溜息を吐く度に、
『納得いかない!!』と、ばっちり顔に書いて、
お決まりの「へなちょこめ!」を連発しながら、
我儘ぷーはプリプリ腹を立てながら王様ベットに潜り込む。
それは、いつもの光景で。
それは、当たり前の、一種の儀式みたいなものになっている今日この頃。
でも、どこかでは『これじゃいけない』と感じているおれ。
ヴォルフラムを、愛しているんだから。
ヴォルフラムを、信じているんだから。
だけど、まだ言葉というものに怯えたままのおれから、
せめて君に出来ること。
眠って、その翠の瞳が隠れているうちに。
白磁の頬に落とす口づけは、せめてもの愛の証。
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