ゆらり、揺れる想い ◎

 

「なぁ、しーぶやっ!最近ご執心のあの子元気?!」

「わっ!?村田!なにっ?いきなり!」

飛び上がり驚く、ユーリの顔。

ひそひそと耳元で大賢者が何かを呟いたらしい。

いきなり頬を染めて、弁解するユーリ。

思わずむっとして、怒鳴りつけようと息を大きく吸ったが、

それは不発に終わってしまう。

最近はいつもそうだ。

以前のように一体何のことだと問い詰めることができたなら、

どんなに楽だろうか?

「おまえなぁ・・ヴォルフに聞かれでもしたらどうしてくれるんだよ?」

あいつの焼もちは本当に凄いんだからなと続くその言葉に

踏み出しかけた足は止まってしまう。

理由は簡単だ。

不貞を問い詰めてもいつも答えは同じ。

聞くだけ無駄なのだ。

ユーリの心は変わることは無い。

彼は・・・ぼくを好きにはならない。

ぼくが男である限りは。

これ以上は近づくことは許されない。

それはもう・・きまっていること。

ぼくは・・・こんなに、愛してるのに。

 

ぼくは二人に気取られぬよう、その場を後にした。

 

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2006/11/6

きたいことが一杯なのに最近筆が進みません・・・
ネガティブ時期に書いたストックなんぞ上げてみました。
ヴォルフ視点。

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