夜のあいだに
夜の間に、数回目覚めてしまうのが最近のおれの日常。
別に眠りが浅いわけでも、寝不足なわけでもない。
ただ、気付いたら目覚めているのだ。
「あ・・・、またか。」
いつもの目覚めにあたりを見回すと、横に寝ているはずのヴォルフが、
布団からはみ出し、半身がベットから転がり落ちようとしているのが目に入る。
「また転がっちゃって・・・。しかもネグリジェまくりあがってるし!」
爆睡していつもより重たいヴォルフの体を引きずるようにして引き寄せると、
まずはネグリジェを元の位置まで引き戻す。
「腹と腰は冷やすと良くないもんな。」
それから布団でそっと覆うと、当のヴォルフは「う〜ん・・・」と唸りながら、
何かを探すように布団の中をまさぐりはじめる。
眉間に寄せられた似合わない皺と、毎夜繰り返されるこの行為。
「はいはい。お探しのものは、これだろ?」
ヴォルフの横に寝転がり、動き回る手をおれの体の上に乗せると、
手の動きはぴたっと止まって服の端を掴み、
眉間の皺は解除されて代わりに、にこ〜っとそれは嬉しそうに笑うんだ。
「・・・満足?ヴォルフ。」
柔らかな頬に唇を寄せて、小さなキスを一つ落とす。
そしてまたおれも、ゆっくり眠りへと落ちていく。
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