きみは花のよう
人と魔族の関係は、固く痩せた土地が広がっているようなもの。
皆それに気付いているけれど、誰もそれを耕そうなんて思わない。
「それが当たり前なんだ」とただ見ているだけだ。
だけど。
ユーリは違う。
小さなその手で砂を割り、新しい種を撒く。
その手はいつしか、土に汚れ、石に傷つき、血を流していても。
いつか花が咲くことを夢見ながら、何度でも土を掘り、種をまく。
そしてそのことをまるで当たり前のことだと、ただ見ているだけのぼくらに笑いかけながら。
種から育ついくつもの思い。
お前はそれをいとおしげに見つめている。
だからぼくは、お前の咲かせた花を守る、花守になりたい。
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