いつの日かぼくの想いは

 

「ユーリ、そろそろ休憩にしようか?」

「おぅ!はぁ〜・・もう手がだるいよ。」

「では、お茶の準備をしよう。」

料理長に頼んでおいた焼き菓子ととっておきの茶葉を出し、ユーリをテーブルへ呼んだ。

お茶を入れるぼくの横で、ユーリは一足先に焼き菓子を摘む。

「ん〜、美味いな〜。この焼き菓子。」

「そうか?まだたくさんあるからな。好きなだけ食べろ。」

ぽりぽりと菓子を齧るユーリを見ながら、ぼくはティーポットからお茶を注ぎだす。

コポコポとお茶の落ちる音か静かな部屋に響く。

ユーリのカップとぼくのカップの上を行ったりきたりしながら注ぐお茶。

だけど。

最後の一滴は必ず、ユーリに。

「ほら、入ったぞ!」

手渡すカップには、注ぎ落としたぼくの想い。

 

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2005/8/3

企画に関わった全てに皆様に捧げます☆

お茶は最後の一滴が一番おいしいといわれています。

煎茶は最後の一滴を、「露の一滴」といいますし、紅茶は最後の一滴を「ゴールデンドロップ」と呼びますよね。

そしてそれは、お茶を注ぐ相手が一番大切な人に差し上げる、というのが定番というか。

それはそうですよね、一番大切な人には一番美味しいお茶を飲んでほしいって凄く自然な気持ちです。

このお話のヴォルフも、いつも「大好き」の思いを込めて、ユーリに「ゴールデンドロップ」を注いでいるんですVv

なので。

お仕事を頑張るユーリのように、怒涛の三日間を過ごした皆様への私からのささやかな気持ちです(笑)

主催者様と、作品をあげてくださった全ての方、そしてそれを読みにきてくださった方全てに、

私からの感謝の気持ちを込めて。

これが私なりの、「ゴールデンドロップ」です☆

 

 

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