わたしたちふたり長い間むっつり黙りこんでいました

 

今日はものすご〜く嫌な事があった。

ユーリは思わず深い溜息をついた。

国に関する事で、グウェンダルと激しくやりあってしまったのだ。

元は国境近くの小さな小競り合いの解決法が原因だったんだけど・・・。

小競り合いの解決法を話し合ってて、小競り合いしてるんじゃ世話無いけど。

思い身体を引きずってようやく部屋に付いたおれに、

金髪の婚約者殿がいつものごとく近寄ってくる。

「どうした、ユーリ!へなちょこ顔がいつもより・・・」

「あ〜もぅっ!!『もっとへなちょこになってる』っていいたいんだろ?!

わるかったなっ!でも今日はおまえのその『へなちょこ〜』も聞きたくないの!」

完全に八つ当たりだって分かってる。

だけどそれをどうにも止められない、おれ。

そんなおれを不審に思ってヴォルフの翠色の瞳が覗き込んできた。

「どうかしたのか?嫌な事でもあったのか?」

「・・・ヴォルフ、背中貸して。」

ベットの上によじ登ると自分の横をぽんぽんと叩き、彼を呼ぶ。

ヴォルフラムはほんの少し小首を傾げたが、それ以上何も言わずに黙っておれの言葉に従った。

お互い背中あわせに、足を投げだして座る。

目も合わせず、言葉も交わさず。

ただあるのは、背中あわせに感じるヴォルフラムの温もりだけ。

でもその温もりだけが、凝り固まったおれの心を解していく。

 

おれたちふたりは長い間、むっつりと黙っていた。

 

でもそれは、温かな時間だった。

 

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2005/9/15

正直、実生活に疲れています(笑)

私にもあったかな背中プリーズ!!!!

 

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