どんな歌をおまえにうたってあげたらいいだろう

 

魘され、額に汗しながら眠るユーリを。

起こすべきか、宥めるべきか、ぼくは諮詢した。

何を悩んでる?

何がそんなに苦しいんだ?

本当は苦しいのに、それを隠して無理して笑うところのあるユーリに、

数日ぼくはそう問いただしたくて仕方なかった。

けれどそう問いただしたところで、

『悩み?そんなのないよ!』と誤魔化されるだけだ。

・・・いや、もしかしたらユーリ自身が気付いていないのかもしれない。

なにか心の深いところで、なにか。

「う・・う、ん・・・」

眉根を寄せて呻く、ユーリ。

せめて夢の中だけは、穏やかな時間を過ごさせてやりたいのに。

「ユーリ、ぼくは側にいる。」

それがぼくの役目。

それがぼくの喜び。

それが・・・ユーリに出来る、ぼくのすべて。

そっと額の汗を拭ってやると、その背をそっと抱く。

そして小さなリズムをもって、その背をあやしながら、

思い出した子守唄を歌う。

はるか昔に、誰かが、ぼくの耳元に囁いた、子守唄を。

 

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2006/7/9

これで表向きは50のお題制覇です☆
わーいわーい♪

愛されて育った子は、愛し方を知ってる。
陛下も三男も、きっとそういう子なんだと思ってます。

 

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