☆★☆ ぷーの新生活を覗く ☆★☆
***  劇的!?ビフォーアフター3 ***

 

* 寒い日には・・・ *

 

 

 

「寒い日はこれ食べたくなるよな。」

「ん?一体なんだ、急に。」

「ふっふっふっ〜、冬の買い食いといえばこれ!」

そういって陛下は紙袋を取り出しました。

 

 

 

「じゃぁ〜ん♪にくまん〜!」

そう、陛下が持ってきたのはほっかほかのにくまんです。

冬の寒い日にこれを食べるとなんだか

ほっこりするから大好きなほかほかのにくまん。

 

 

「なんだかあったかくて・・・ぷにぷにしてる。」

「食べたら体もあったまるし、何よりうまいんだよ〜、これ。」

陛下はおそるおそる手を出したプーの手のひらに、

にくまんを乗せようとしたとき・・・

 

 

 

「「あ・・!」」

ぽとん・・・・・

二人の手から逃げ出してしまった肉まんは、

地面で真っ黒に汚れてしまいました。

 

 

「ユーリが折角・・・買って来てくれたのに・・・」

「ヴォルフ・・・」

「せっかく・・ほかほかで・・・ユーリが・・・」

土の上に転がる肉まんを見て、

ぷーは落ち込んでしまいました。

 

 

「心配するなよ!な!ほら!」

陛下はごそごそと紙袋を探ると、もうひとつにくまんを取り出しました。

「一緒に食べようと思って買ったからもう一個あるんだよ。

 だから心配しなくていいよ。」

でもぷーの表情は晴れません。

「でもそれは・・・ユーリの分だ。」

 

 

「そんなこというなよ。確かに量は半分になっちゃうけどさ、

 半分こにして一緒に食おうよ。」

「だって・・・ぼくは、ぼくの不注意で、 自分の分を

 落としてしまったんだ。それなのに、お前の分を貰うなんて・・・」

しょんぼりしているヴォルフをみて陛下は困ったように笑います。

「お前はホント、変なところにこだわるんだな〜・・」

「なんだと?!」

 

 

「だって、おれはお前と一緒に食べたくて肉まん買って来たんだぜ?

 それなのにおれひとりで一個丸ごと食べたってさ、

 おなかは膨れてもそんなの侘しいし・・・。」

もう一度、半分こにした肉まんをぷーに差し出して

陛下はこういいました。

「な?一緒に食べよう?」

 

 

ぷーは静かに肉まんを受け取りました。

そして、ちいさくそれを齧って、またちいさく『おいしい』といいました。

それは木枯らしに吹き消えてしまいそうなくらい小さな声でしたが、

陛下の耳にはちゃんと届いていて、

二人はとても暖かな気分になったそうです。

 

 

 

「おいしいね。」

「うん。」・・・な、ふたり。

 

 

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2006/12/20

これ上手に並べてジフアニメとかつくれないかなぁ・・・・

「あんまんが良かった!」ヴァージョンのお話と悩んでこっちをUPしました。

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