「今が10段目だから・・・ここは長編みで・・・」
マ王部屋のベットの上でぷーがなにやらやっています。
「強くしすぎず〜・・弱くも駄目で〜・・・」
必死に目の前の作業に取り組んでいたぷーは
陛下が側に近づいていたことすら気づきません。
「ヴォ〜ルフ!!なにやってんの?」
「うわっ?!ユーリ!!!」
ぷーはとっさに手元のものを隠そうとしましたがあとのまつり。
すっかり陛下にはばれています。
「それって・・編み物?!い、いきなりどうしたんだ??」
でもお前はろーどわーくとやらを控える気配はないし、
だからなにか防寒できるものがあればと思って
兄上に相談を、そうしたら・・・」
「ヴォルフ・・・!」
陛下がぷーの優しい言葉にじ〜んとしていると、
恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にしながらぷーは叫びます。
「だ、だ、だ、だいたいっ!お前がへなちょこなのがいけないんだ!
一国の王が風邪など引いたら民も迷惑するしっ!
だからぼくがこんな瑣末ごとで悩まなければいけないんだっ!
・・・おいっ!聞いてるのかっ、ユーリ!!」
「うん聞いてる。ちゃんと聞いてる。そんで、すっごく楽しみにしてる。」
怒りつつもその心のうちに溢れるぷーの優しさを知っている
陛下にしてみれば、なんと言われても嬉しくなってしまうのでした。
ようやくマフラーが編みあがりました。
「お前の好きな青空の色にしてみた。
これをつけてろーどわーくにいくんだぞ!?いいな?」
「うん、わかってる。ありがとう。」
明日も陛下はロードワークに行くのでしょうね。
***********************************
三男に手編みさせてみました。
兄上よりかはうまかったりして。