どちらがどちらの会話かは内緒★

メセの会話を縞さんが読みやすいように代えてくださってますVv

縞さん、お世話お掛けしました(ぺこり)!!

 

ある日。
川から、どんぶらこ、どんぶらこ、と白桃と黄桃が流れてきました。
さぁ、どちらを選びますか。


白桃か黄桃か。次男、長男は悩みました。


そこへ村田がやってきて〜♪一口齧った白桃を〜♪
(童謡まちぼうけのメロディー)


次男が白桃を取ろうとしたら、長男が慌てて牽制しました。

小さく舌打ちをした次男は仕方なく黄桃、長男は白桃を……と思ったら。
白桃が、すでに一口、齧られていました。
「ああッ、私の白桃ちゃんが……!誰だ齧ったのは!」
怒りの長男。


黄桃は言いました。
「ちがうよ!そこを齧ったのはおれじゃない!村田だ!!」


「ムラタって誰だ、男か?!」
どこかで聞いた台詞を、長男は叫びました。

齧られた白桃は、ひっそり屈辱に震えていました。
「このぼくが……!」


怒った長男は大賢者を探しにいきました。

はじめは笑っていた次男も、白桃についた噛みあとを見て密かにプッツン。
黄桃を置いて村田捜索にくわわりました。


あわれ、置き去りにされた黄桃。と白桃。

切り株の上には。
齧られて屈辱に震える白桃と、呆然とした黄桃が。
「え?え?なに?おれたち、いきなりふたつっきり?」


「ふたつきり、だな?」
二つきりと言われて、白桃は少し元気になりました。つやが良くなりました。


でも白桃はふと思い出します。
自分には、無残な噛みあとがついていることを……。


「……ぼくは傷物になってしまった」
ぽつりと呟く白桃。


こころなしか艶も失われ、なんだか賞味期限寸前のような有様です。
色の変化が激しく、情緒不安定な白桃。

「こいつはおれが見てやらないと」

そんな白桃を見て、黄桃はポツリと呟きました。
「でも、さ。お前はお前だし。おれから見れば、今でも充分うまそうだぞ?」


白桃は、また少しつやが戻りました。
「それは本当か?……じゃあ、お前がぼくを食べてくれるのか」


「え…?く、くってもいいの?」
白桃のその一言に、黄桃は急に色めき立ちました。
艶は増し、産毛まで逆立てて、はぁはぁしてしまいました。

チャンスです!ここには長男も次男も村田もいません。


「あ…ああ、存分に食べてくれ。ぼくは本望だ」
白桃は、黄桃の勢いに押されつつも、嬉しそうに言いました。

黄桃は、はぁはぁしたまま、一気に白桃の上に乗っかりました。
そうしたら。
白桃のつやが良すぎて、ツルン!と滑ってしまいました。

白桃は叫びました。
「何をしている、へなちょこ!」

その後は、

「お互いに齧りあって、長男と次男が村田をボコって帰って来たときには種だけになっている事でしょう」
「種だけになって、また新しい二人が生まれるんですね」
「並んで埋まって、寄り添った木になって、白と黄色の混じった『グレタ桃』を一杯産むんですよ!」

という話をしていました。

SSはこのような会話を元ネタに書かれています、一応(笑)