◎ 窓硝子 ◎

 

窓べに立って空を見る。

冬の寒さに澄んだ空に常より輝きを増した星が我先にと瞬いて。

月の光もさらに黄味を増したよう。

ぼくはその空に吸い込まれないよう、きっちりと締めた窓べに立って、

冷たく冷えた硝子に頬を付けた

ほぅ…っと。

ぼくの頬の温もりとついた吐息が窓に小さな白い印を残す。

 

_________ぼくはここにいる。

 

それは確かな存在の証。

ここにはいない「彼」の残した残り香が薄れるかわり、

残された思い出だけが美しさを増すのを止められない。

罵倒し、喧嘩した夜でさえ、彼の温もりを思い出すあまやかな痛みに変わるのだから。

「きっとまたあえる…」

出会えたことすら美しい夢の一部でなければ。

 

 

 

 

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2007/1/5

一年のけいは元旦にあり・・・なんですけど、

最初の更新でちょっとブルーな三男で申し訳ないです。