あぶく

 

噴水から飛び出した一粒の雫が、水へ還る。

それは、高く強く飛び込んで、小さな空気を道連れに。
飛び込んだ雫は溶け合って、水の中には泡。

雫は水に紛れても、泡は混ざり合わないで、

空へと一人還ってしまう。

 

「まるでぼくらのようだ。」

ヴォルフラムは小さく呟く。

「まるで、ぼくと・・・ユーリのようだ。」

どんなに強引に、我侭を貫いて、引き寄せたって。

水の中、すり抜け、空に帰る泡のように。

高みへ、空へ、ユーリは逃げていく。

ぼくの手など届かないところへ。

「どうしたらいい?」

どうしたらお前と共にいられる?

「それは・・・」

ぼくが泡でない限り、この想いは叶わないのだろうか?

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しずく・・・へ。


2006/10/20

お仕事忙しくてネガティブに成ってるときに書いたお話です。
しずく、と対のお話です。
ネガティブが三男にうつっちゃってますね・・・(苦笑)