こちらは2005/8/27放送のマニメ『動き出す影』をみて、

2005/9/3放送のマニメ『闇からきた魔物』の一部を予想したものです。

(といっても上げるの遅くなって放送後にUPになってしまいましたが/苦笑)

あくまでも『こんなシーンあればな〜Vv』と思っただけですので、

ネタバレ嫌じゃなければ、お気軽にどうぞ!

 

 

 

 

 

 

「裏・動きだす影」

 

「ようやく手に入れた・・・私の世界を開く鍵よ・・・・」

 

誰かがそう呟いて、冷たい指先でぼくの頬を撫でた。

『一体・・・なにを?』

心の中でそう問い掛けるも、答えるものは何も無く。

静かに密やかにもう一度深く意識は落ちていった。

 

 

目覚めた時、ぼくは狭い檻の中だった。

「ここは・・一体・・・」

曖昧な記憶を必死に脳内から手繰り寄せ、傀儡との戦いを思い出す。

何度斬りつけ倒しても、起き上がってくる気味の悪い傀儡は一体なんだったのだろう?

そして僕がここに居る訳は?

そもそもユーリとグレタ、それからベアトリスは無事なのだろうか。

一向に状況は掴めないが、ふと、さきほど聞こえた不思議な言葉を思い出す。

『ようやく手に入れた・・・私の世界を開く鍵よ・・・・』

鍵?

そのたった一言の単語が酷く重く、胸に響く。

「まさか・・な?」

一瞬過ぎった嫌な予測を振り解くように頭を振った。

「それよりももっと確実な理由を考えよう。」

 分からない出来事がぐるぐると頭を廻る。

その間にふと。

尊敬する長兄の声で、幼い頃より重々言われてきた言葉は思い出された。

『いいか、ヴォルフラム。お前は現魔王の嫡子として、そして十貴族の子弟として、

己の価値を見極めて行動しなくてはならない。』

そう。

そうだった。

ぼくは前魔王の息子で、十貴族の子弟で、また現魔王の婚約者という立場だ。

自国の中にあっても、他国からみても、ぼくの位置する場所の利用価値は高い。

もしこの誘拐が、ぼく自身を餌に眞魔国へ不利益をもたらすつもりなら、

それだけはなんとしてもそれは避けねばならない。

ぼくはスカーフ止めのブローチを外し、握り締める。

「もしぼく自身を餌に、眞魔国が・・ユーリが・・・」

そうなる前にぼくが出来る事は一つだけ。  

ごくり、と生唾を飲む。  

ブローチを裏返せば小さなつまみがあって、そこを回せばロケット状になった部分が開く。

かちり・・と音を立てて開くとそこには、白い粉が入っていた。

それは、致死量の毒薬。

幼い頃より貴族の、そして王族の当然のたしなみとして持たされていた毒薬。

それは『己の価値を知り、国に不利益をもたらす前に、誇りを持って死を選ぶ事』を

全うする為に持たされていたものだった。

「長年持たされたこれを使う日がくるとはな。」

白い毒薬に唇を寄せてふと思う。

グレタが贈ってくれた可愛らしい贈り物も、大切なパーティもめちゃくちゃになった。

「ケーキ、一口だけでも食べておけば良かったな。」

そうすればユーリとグレタと三人の、幸せな思い出を胸に抱いて逝けたのに。

「でも・・きっとまた会える。」

もう一度意を決して、唇を寄せたそのとき。

「はなせよ〜っっ!!はなせっ!!」

「・・・・ゆーり?」

聞き覚えのある声が、愛しいものの声が、あたりに響いた。

 

「ユーリ・・?なぜ?」

こうあるべきでないと分かっているのに、ぼくは胸に溢れる喜びを押さえる事が出来なかった。

 

あぁ、ユーリ・・・愛しい人よ。

お前はいつだって、ぼくに生きる意味をくれる。

 

 

 

 

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2005/9/3

昔、映画か・・いや、博物館でだったかな?

貴族・王族の装飾品の展覧会みたいなのがあって、その展示物の中に、

毒薬を入れる隠しのついたブローチや指輪などが展示してありました。

なぜ毒薬が??・・・その理由は上記でヴォルフラムが述べたとおり。

ヴォルフラムはやっぱり「誇り」に裏付けられた教育を受けているし、

こういう事態ではきっと国を、ユーリを、守りたいって思って行動すると思うのです。

でも、そんなヴォルフラムの「死の決意」であるユーリが、

同時にヴォルフラムの「死への躊躇い」「生きる意味」であってくれたらと切に願っていますVv

 


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