*** 全サネタ「裏・良くある風景」(ss) ***

 
★ 裏・良くある風景 その2(ユヴォルユ) ★

 

で?

いくら娘の望みとはいえ、この派手派手な衣装、

着なきゃならないのか〜・・・。

 

ツェリさまも相当気合入れたんだなぁ〜。

おれも地球生まれ日本育ちとはいえ、

時代がちょっとずれているから本物の十二単を良く知らないけど、

何枚も重ねて着るからスゲー重くなるとは言っておいたら、

信じられないくらい布を大盤振る舞いしたらしく、

持ち上げようと握ってみるとずっしり重い。

うわ〜・・・これ着るヴォルフは大変だな。

常に筋トレして筋力UPに余念がないおれだけど、

それでもこの重さは着たら重くて絶対身動き取れなくなりそう。

おれと体格はあんまり変わらないけど、軍人生活の長いヴォルフは、

俺より多少動けるとしても、さすがにこれを着たままでは、

いつものツカツカと淀みなく歩く姿はムリ、きっと楚々として動くのがやっとだろうな。

ん〜。

でも、想像してみるとそんなヴォルフも結構可愛いかも。

比較的動きやすいお内裏様の着物で歩く俺の後ろからは、

煌びやかな金糸と銀糸、それから目の覚めるような赤の内掛け姿のヴォルフが、

淑やかに付いて来る。

そうだな、十二単にはロン毛が付き物だから、

せっかくだからヴォルフ用に、金髪ストレートのかつら、用意してもらえないかな?

 

「言っておくが、そのお、お雛様とやらの役はユーリがやるんだぞ!」

 

・・・・。

えーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!

おれが黒髪ストレートのかつら着用かよっ!?

 

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自分がお雛様役を押し付けられると激しく抗議するのに、

頭の中では元より女装はヴォルフがするものと思い込んでいるユーリの思考を、

ちょっと歪めて(笑)補完。

「ヴォルフなら結構似合うはず」の台詞が、こんな事に・・・(笑)

 

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