*** 全サネタ「裏・良くある風景」(ss) ***

 
☆ 裏・良くある風景 その5(ユヴォルユ+コンラート) ☆

 

眞魔国ロイヤルカップル(予定)な二人、ユーリとヴォルフラム。

今日は朝から用があるとかで、二人して俺の部屋に転がり込んできた。

しかも部屋の住人である俺の都合など聞く前に、

なにやら大きな荷物を持ち込んできて、あ〜でもないこ〜でもないと言い合っている。

「一体何があるの?」と聞く前に、ふと窓の外を行くエンギワル鳥を指差して、ユーリがぼやく。

それを不思議そうにヴォルフが見つめ、それから自分の知識の限りを尽くして、

ユーリにエンギワル鳥の事を教えている。

傍から見ていれば、まるで幼い兄弟のようだ。

けれどヴォルフラムの説明に、ユーリは少々困惑気味だ。

まぁ、しかたがないといえば仕方がない。

地球の感覚と魔族の感覚には、少々ズレがあって、

地球に赴いた際、俺もこのズレには随分悩まされたものだから。

そこへふとユーリの呟いた質問に一瞬俺の思考も止まった。

おやおや。

今「ヴォルフ、俺のことどう思ってる?」っていったかな?

多分ユーリに他意はないのだろうけど、ユーリの事を愛してるヴォルフのこと。

そんな質問をされては、動揺しないわけないだろうし。

あぁ、ほら。

素直な俺の弟は、結構純粋なんだから、苛めないでやってくださいね、ユーリ。

子猫が二匹、無邪気に戯れてるような雰囲気のこの二人には、

艶のある話などもちろん無縁で、いつもどおりに口喧嘩で話を閉めたのを確認すると、

この部屋に来た本来の目的を聞き出してみる。

あ〜、成る程。

「ひなまちゅり」・・・お茶会の余興ね。

これはうまく母上に乗せられたようだな。

またもや衣装の話で揉め出す二人を、うまく落ち着けて話を進めると、

ヴォルフラムは何処からか仕入れてきた地球の話を自慢げに持ち出してきた。

「ひなまちゅりを讃える詩」??

さすがに地球に行った俺でも、滞在したアメリカの事なら多少は分かるが、

日本古来の伝統となると弱い。

俺の知らない地球のことをユーリに披露出来るとあって、

ヴォルフはいつもより胸を反ってる角度がキツくなっている気がする。

相当嬉しいんだな、きっと。

そういえば昔、初めて童話の一部を暗唱出来るようになった時も、

あんな風に自慢げに胸を逸らせて、皆に聞かせていたっけ?

俺と陛下の二人から「聞かせて!お願い!」と頼まれて、

嬉しさを押さえられないような顔で、朗読をはじめるヴォルフだったが。

あちゃぁ〜・・・やられた。

「そんなくっだらないことを吹き込むのはムラケンだな。」

「あぁ、やっぱり大賢者ですか。」

・・・どうやら今回も、ヴォルフが大賢者のおもちゃになったらしい。

事実を知らされて、出て行くヴォルフに声をかけると、

「兄貴面するなぁ〜っ!」

との、お返事。

いや〜、ユーリのおかげで随分俺との関係も緩和されたものだ。

兄貴、だなんて。

久々にそう呼ばれたな。ふふふ。

ほんのりと幸せな気分に浸っている俺の横で、

ヴォルフが行儀悪く叩きつけていったドアの軋む姿を、ぽかんと見つめていたユーリが、

ようやく正気に戻ると、今まで疑問だったという「疑惑の物体」を指差して、

俺を小首を傾げて俺を見つめてきた。

 

まるで悪戯盛りの子猫のような、この二人。

幼いころのことなんて、記憶の奥底に直し込んでしまって、

自分ひとりで大きくなったつもりでいるらしい、可愛い二人。

似ているようで似ていない、ユーリとヴォルフは俺の可愛い育て子達だ。

 

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コンユな次男はどうにも受け入れられない私ですが(コンユ好きさん申し訳ありませんっっ!!)

このCDみたいに「ユーリもヴォルフもかっわいい〜♪」オーラを出してる、

ブラコンおにーちゃんコンラートは大好きっ☆

ユーリとヴォルフが戯れるのを、優しく見守るお母さんみたいなコンラート、萌え♪

 

 

 

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