2005年3月

 不在中室内の換気をどうするか

  毎年、梅雨どきから秋にかけて湿度が高いとき長期間窓を開けないと部屋の中に湿気がたまり蒸し風呂のようになりカビや虫たちの住みかとなってしまうので、前々からどうしたものかと思案していた。電灯線の電力で常に換気扇を作動させておくことも考えたが、何かの原因で電気火災になっても困るし、何かいい考えはないかと考えていたところ、太陽電池なら太陽が出ているときだけまわっているだけだから電灯線使うより安全だろうし、電気代もかからない。しかし、通常の換気扇はAC100Vで動作する。太陽電池で100V出すのは容易なことではない。あまりにも太陽電池にコストがかかりすぎる。あきらめていたとき、そういえばパソコンで使われている排気ファンが12ボルトで動いていることに気がついた。これなら、安く太陽電池を使った換気扇ができるかもしれない。さっそく材料探しにとりかかった。

 

   
 太陽電池パネル

  使わなくなった古いパソコンの中から直径約8cmのファンを取り出す。ファンの中央部に張ってるラベルによると、メーカーはミネベアである。電圧は12Vで電流は0.14mAだ。この規格に合うような太陽電池パネルを探せばいいわけだ。こういうとき最大の力を発揮しているくれるのがインターネットなので、検索のホームページ、GOOGLE、やYAHOO!で手当たりしだい検索閲覧する。その結果、太陽電池は安くはないことが判明。しかし、時間をかけてでもできるだけ安い太陽電池を探すことにした。探すこと1ヶ月ついに見つけました。『秋川電子通商』という会社がインターネットを使った電子部品の通販をしている。電子部品ならほとんどのものが売っているようだ。そして、本命の太陽電池もモジュール単位で売っている。たとえば、シリコン太陽電池モジュール0.5V・300mAが160円で売っている。このモジュールを24枚直列につなげれば12V・300mAの太陽電池ができる。しかし、商品の中に完成品も1つあった。 アルミ太陽電池モジュール12V160mA。防水型になっているようなのでこれなら手間もかからないし、値段も2980円とおこずかい程度で買えるのでネットで注文。商品は代引きで3日ほどで到着した。天気のいい日に手持ちのファンと接続し試運転。結果良好で日が当たってればビュンビュンファンがまわってくれた。しかし、少しでも日射量が減ったり影がかかるとたちまちに停止する。電流が若干たりないのかもしれない。

     

    天井板に排気管を固定


     排気管の排気口
 
 排気ダクト

 換気扇を設置するにあたり一番の問題がどこにつけるかだ。屋根に穴を開けて排気するのが一番効率がいいのだろうが、心配性の故、どうも踏ん切りがつかない。壁に穴を開けるのもたいへんだし・・・。 いろいろと考えた挙句、天井と屋根の間に15センチくらいの隙間があることに気がついた。そこには断熱材が入っているだけで特にそのほかはないのでここに排気管を設置することに決めた。排気管は太さ7.5cmの塩ビのどこにでも売っている配水管を使用した。まずは、天井を買ってきた配管の太さに合わせて丸く切る。今回は作業効率を考えて、道具を新調した。まえから欲しかったジグゾーをケーヨーD2で2890円で購入した。排気管の形状を鉛筆で天井に写し取りドリルで穴を6つ開ける。そして、ジグゾーであけた穴から穴へと丸く切り取る。そこに排気管を入れて細い木ネジを使って天井に固定する。外側も同じように丸い穴を開け排気管を通す。完成図は左のとおり。

     

  排気管にファンを取り付けた


  自作のカバーを取り付ける
 
 換気扇

 換気扇はパソコンの部品であるファンを使う。スペックは上記のとおり12V・0.14mAで作動する。壁とファンの間にログハウス建築であまった断熱材をパッキン代わりに天井とファンの間にはさむ。そして木ネジで天井に固定する。配線は排気管の中を通して外に出し、太陽電池パネルに接続する。

 自宅で作ってきたカバーを取り付ける。これで目立たなくなり、違和感がなくなったのではないだろうか。

 これで完成。日が照りだすと換気扇は元気に回りだした。効果のほどはまだわからないが、次に行っ時にはわかるだろう。

 

 

 太陽電池2号



2005年5月


近くのホームセンタでアルミのコの字型の材料を購入し加工してフレームを作る。



ホームセンターで購入したプラスチック製のダンボール状の板に直列につなげた太陽電池をボンドで接着する。



フレームの中に右の様に組み立てた太陽電池を組み込みほぼ完成



使っていないアングルを使用して足
をつけ、ベランダの屋根にネジで固
定し完成
   太陽電池とパソコンの排気ファンの組み合わせでどうやらログハウスの換気はできることがわかったので、居間にも換気扇を取り付けることにした。今回は、壊れたパソコンの電源から排気ファンを取り外し使用することにした。これはミネベア製で12V・290mAで作動する。いずれにしても、太陽電池を増設しなければいけない。再び秋川電子通商のホームページで探したところ、1ユニットでDC2V・500mA発生する太陽電池ユニットがあった。販売価格は1ユニット800円である。これなら6枚購入して直列にすれば12V・500mAの出力が得られ、ファンを並列に接続すればちゃんと動作するはずである。


 この太陽電池パネル6枚を申し込み、数日後代引きで宅急便がもってきてくれた。さっそく実験開始。6枚を直列に接続して太陽に当ててテスターで電圧を測ると12Vジャスト! ついでにファンを接続するとうなりをあげてビュンビュンまわってくれた。多少日が翳っても速度は落ちるがまわっていた。


 実験も成功したので、次はこの太陽電池を入れる防水ケースの製作に取り掛かる。材料は、コの字型のアルミフレーム、太陽電池ユニットを貼り付ける板、透明なアクリル板、フレームをつなげるL字兆番と鉄板ねじ、コーキングである。


太陽電池は、8角形と変な格好で、1辺が12cmある。並べ方は左のように3X2列にするから、フレームの大きさは最低36X24cmでちょっと大きめに作って40X28cmくらいにすることにした。後は適当にアルミフレームをジグゾーを使って切って、ドリルでネジを入れる穴を開け兆番をつけて鉄板ネジででそれぞれの角を固定する。フレームができたところで、次に太陽電池ユニットを貼り付ける板を用意する。板は、プラスチックでできているダンボールと同じ形状のものを使った。これははさみで切れるので非常に加工が楽だった。その上に太陽電池ユニット6枚を強力ボンドで貼る。それぞれの太陽電池のプラスーマイナスを直列に結線する。仕上に太陽がよく通るように透明のアクリル板をネジでフレームに固定し、水が入らないように隙間にコーキング材を入れて完成した。

 この太陽電池に前につけた寝室のファンと今回のファンと並列につなぎ太陽に当てると2つとも勢いよくまわった。居間につけたほうはうるさいほどだ。これで今年の梅雨は、カビから解放されるだろう。