あ・い・た・い

「さようなら、またね……」
「うん、また明日」

二人が別れたのはほんのさっき
なのに……もう会いたい

古代君……今日は楽しかったね
芝生の上で寝そべって空を見るのは素敵だったわね
それから、お弁当を頬張るあなたがかわいかった
おむすびのご飯ホッぺに付いてたのを取ってあげたら
照れ笑いしてたあなたも……す・き・よ

夕方、海に沈む夕日
夜、輝き始めた一番星
そして、満天のダイヤモンドたち……
二人で見上げると、いつもよりずっと素敵に見えた
そして、甘いキッス……
思い出したら、ドキドキしてくるわ

別れる前にいつも、「次はいつ?」って聞きたくなってしまう
あなたがすぐに言い出してくれなくてちょっぴり淋しくなった頃
あなたはやっと次の約束……
「明日もあいてる?」
わたしの大好きなあなたの言葉
だって、わたし……ずっと会っていたいんだもの
ずっとずっとずっと……

時計を見た……もう11時
古代君はもう夢の中かしら?
私はそこにいるのかしら……?

電話をみた……
かけてみようか? ううん、だめだめ
きっともう眠ってるもの……
でも、もしかしたら起きてるかも?

よぉ〜しっ!
電話に向って念力をかけてみようかなっ
古代君が私に電話したくな〜る!したくな〜る!!
うふふ…… そんなこと伝わるはずないわよね

prrrr…… その時、電話が鳴った
えっ!? 

「はい……」
『あ、雪? まだ起きてたの? 電話取るの早いね』
だって、ワンコールでとったもの。うれしいっ!
「古代君……」
『なんだか急に雪の声が聞きたくなって……』
伝わったのかしら? 念力!?
『さっきまで会ってたばかりなのに、変だよね?』
「そんなことない。わたしも、おんなじよ。声が聞きたかったわ」

『そう、よかった。雪何してたの?』
「……古代君のこと考えてたの」
『僕もだよ。雪のことを想ってた』
「こ・だい・くん……」
『なんだよ、声が上ずってるぞ』
だって、わたし……うれしくて涙腺が壊れたみたい……涙がでちゃう
『雪の顔が見たいな、画像ONにしてもいい?』
「だめ……」
『どうして?』
「どうしても……」
だって、私が泣いてるのがばれちゃうもの……
「明日、会うまでのお楽しみよ」
『あっ、そうか、そうだね』

しばらく雑談……さっき会ったばかりなのに
たくさんおはなししたばっかりなのに……
いくらでも話すことがあるの
幸せなMidnight Time

そして……12時、シンデレラタイム
『あっ、明日になっちゃったね』
「ほんと…… 今日、また会えるのね?」
『うん…… じゃあ、そろそろ寝ないと』
「そうね……古代君。電話ありがとう」
『おやすみ、雪……じゃあ、また今日…… あはっ、可笑しいなぁ、今日だなんて』
「うふっ、そうね。ねぇ……」
ねぇねぇ、最後になにか言うことな〜い?
『なに?』
「ううん、なんでもない……」
あなたから言ってくれないんなら
わたしから言っちゃうもんね!
「おやすみ……なさい……古代君……ス・キ・ヨ」
『お、おやすみ……雪、僕も好きだよ……アイシテル』
うふふ……古代君ったら焦ってる
でも「愛してる」って言ってくれたわ! うれしい!!
とってもあったかい気分で受話器を置いた

こだいくん……
昨日会ったばかりなのに
電話でお話できてハッピーなのに
それでも……
あいたい、あいたい……いっぱい会いたい
あなたに……あ・い・た・い

おわり

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