甘えん坊

 「雪…… あったかいね。それに、いい匂い……」

 「うふ…… そう?」

 「雪の胸の中で眠ると気持ちいいんだ…… あったかくてふわふわしてて……」

 「甘えん坊ね……」

 「こんなこと言ったら怒るかな? かあさんを思い出すんだ……」

 「ううん、進さんのおかあさん…… 会ってみたかったわ」

 「やさしい人だった…… けどね」

 「けど?」

 「今は雪の方がいい……」

 「まあ……お上手」

 「雪はいつも僕をつつんでくれている。雪に触れていないときでも、僕はいつも君につつまれてるんだ。だから、いつも心が暖かくなる」

 「幸せ…… 今なんだか、とってもそういう気分よ。あなたの心がしみてくるような……」

 「僕も…… 幸せだなぁ…… 雪の胸に抱(いだ)かれて、まるで赤ん坊のように安心してる」

 「ゆっくりお眠りなさい……」

 「うん……」

 「おやすみ、わたしのかわいい甘えん坊さん……」


(by めいしゃんさん)

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