戦士の休日〜Xmas on YAMATO〜
「ふうっ……終わった」
ヤマト艦長代理古代進は、自室で大きな吐息をついてパソコン画面を終了させた。その日の航海日誌と訓練記録をやっと入力し終わったのだ。
「まったく書くことがありすぎて困ってしまう……」
進は椅子の背もたれに伸びをするようにもたれかかって、今日の訓練のことを思い出していた。
西暦2201年12月22日。年の暮れも押し迫ったこの日、ヤマトは新人達を乗せて訓練航海を続けていた。
先の白色彗星との戦いで傷つきながらも、辛くも勝利を得たヤマトは、暫定的とはいえ地球艦隊旗艦となった。そして先日、地球復興の象徴として華々しく地球を立ち、訓練航海へと旅だったのだ。
しかし、宇宙戦士訓練学校を卒業したばかりの新人達にとっては未知のことばかり、学校の授業とは違う実践訓練に戸惑うことも多く、様々な問題が勃発していた。
艦長代理としてヤマトを統括する進としては、少しでも早く戦艦としての最低限の体裁を整えなければと、気持ちばかりが焦る今日この頃であった。
特に今日のアステロイドベルトでの戦闘訓練では、有望新人であるはずの北野と坂本が大ポカをやらかして、進は汗をかくほど怒鳴ってしまった。
「パンツ一丁はちょっとかわいそうだったかな、あいつら。けどなぁ、実力はあるんだから、あいつらにきちんとモノになってもらわないと困るんだよ!
なのに、度胸が据わってない奴やら、戦闘をなめてる奴やら……ふうっ、まったく頭が痛いよ」
数年前の自分の姿など忘れたような艦長代理は、再びため息をつきながら、時計の方を見た。地球標準時にあわせた時計は、まもなく夜中の12時を示すところだった。
「ああ、もうこんな時間か…… 明日の訓練もあるし、もう寝るとするか」
う〜〜んと大きな伸びをして立ちあがったとたん、お腹がグーと大きな音をたてて鳴った。
「ああ、腹、減ったな……」
がっくりと肩を下ろす。今日も一日怒鳴りまくっていた。実は、この怒鳴るという行動、腹に力が入るせいか、やけに腹が減る。夕食もお代わりして食べたはずなのに、もう腹の虫が騒ぎ出している。
「このままじゃ、腹が減って眠れねぇや。食堂行って、夜食でも食ってくるとするか……」
腹が減っては戦が出来ぬというが、彼の場合、腹が減っては寝ることも出来ないらしい。
進は自室を出ると、食堂に向かって歩き始めた。途中には、他の士官クラスのクルー、つまり第一艦橋の同僚達の部屋があった。
こんな時間であるから、当然音はない。進は、みんなもう夢の中だろうな、と思いながら通り過ぎていった。
そして、最後に一番端にある森雪の部屋の前に来たところで、足を止めた。
(雪……)
扉をじっと見つめながら、今日北野たちを怒鳴ったあとに、雪がフォローしてくれたことを思い出した。
あんな風に雪に優しい声で「思った通りにやりなさい」と声をかけてもらえると、正直言ってとても嬉しかった。特に、怒鳴った後で、自分でも厳しすぎたかな、と一瞬戸惑っていたところだっただけに、あの一言はとてもありがたかった。
(島にはからかわれたけどな……)
思わず笑みがもれる。照れ隠しに話を逸らしてしまったが、島がそんな風にからかってくれたことも嬉しかった。島も大切な人を失ったあの戦いから少しずつ立ち上がってくれているのだと思うと安心する。
(雪も、もう寝たんだろうな……)
一瞬、部屋のコールボタンを押したい衝動に駆られる。特に用があるわけではないが、訓練の愚痴から島のことなど、とりとめもない話を彼女としたかった。それだけで、疲れた進の心は至極和むのだ。
しかし、訓練航海に出てから早1週間、進自身も多忙だが、雪も生活班長として新人や初めてのクルー達の戸惑いを緩和するために大忙しで、なかなか二人でゆっくり話をする時間も取れなかった。
(雪と話がしたいな……)
とはいえ、今は時間も時間だし、たとえフィアンセとはいえ、眠っているであろう女性の部屋に勝手に入るわけにはいかない。
(また明日……だな。おやすみ、雪。明日も頼むぞ)
進は心の中で、扉の向こうの愛しい人に声をかけた。
フロアを降りて食堂のある階に着いた。廊下には人の気配はない。照明も、出入り口を示す場所についている非常灯が点灯しているだけで薄暗い。
通常航行時は、夜間は緊急待機クルー以外は皆自由時間で、21時以降は通常就寝タイムとなる。だからそれも当然のことだった。
ところが、食堂に近づいてみると、扉が開けはなれた部屋から明かりが漏れていた。
(ん? 誰かいるのかな? 夜中に腹をすかせるのは俺だけじゃないってわけか?)
若いクルーが多いヤマトである。腹を減らして夜中に食い物あさりをする連中は珍しくない。進はそんな仲間がいるのだと思った。
しかし部屋に近づいてくると、それが違っていることに気付いた。女性の鼻歌を歌う声が聞こえてきたのだ。曲目はジングルベル。それを聞いて、進は初めて、そういえばもうすぐクリスマスだったなと気がついた。
(雪……だな?)
当然である。クエスチョンマークをつけなくても、今航海でヤマトに乗艦している女性は、森雪一人だけだ。もちろん、進とてその声には思いっきり聞き覚えがある。
(こんな時間に、いったい何してるんだ?)
進が足早に食堂に飛び込むと、そこでは雪がジングルベルを歌いながら、小さなクリスマスツリーを飾り付けていた。
「雪!?」
部屋に入ってすぐに進が叫んだ。と同時に雪も振り返った。
「あら、古代君!」
雪は、進の姿を見て、嬉しそうにニコリと微笑んだ。
「なに……してるんだ? こんな時間に」
不思議な顔で目をぱちくりさせる進を見て、雪は美しい瞳をキラキラさせながら答えた。
「何って、見てわからなぁ〜い? クリスマスツリーを飾ってるのよ。だって、もうすぐクリスマスでしょう?」
「それはそうだが……」
なんでこんなところでツリーを飾っているのかわけがわからないと言いたげな進を見て、雪はくすくすと笑い出した。
「うふふ…… 新人さん達、毎日しごかれて大変でしょう? それにそろそろ疲れも出てくる頃だし。だから、食事の時くらい楽しい気分でいてもらおうと思って…… ねっ、きれいでしょう?」
「あ、ああ……まあ…… けど、こんなツリーどうしたんだ?」
至極当然な質問である。戦艦ヤマトにクリスマスツリーは装備されてはいない。
「もちろんヤマトの備品で……」
「えっ!?」
進が、そんな備品、リストで見たことないぞ、と思っていると、雪はまた、くすくす笑いながら言葉を続けた。
「って言いたいところですけど、そんなわけないわよねっ。うふっ、これは私の私物です。
乗艦する前に買ったの。ヤマトに乗る前の日、買い物に街を歩いてて目に付いちゃったのよ。もうすぐクリスマスでしょう。だからこんな飾り物がたくさん売られてて……衝動買いしちゃった! ツリー一つ欲しかったのよね〜
でも、次の日からヤマトで出航することは決まってたし、地球で飾る暇もなくて…… だから思いきって持って来ちゃった」
「……そう、だったのか……」
(ってことは、新人さん達を楽しませる、ってのは建前で、実は自分が飾ってみたかったんじゃないのか?)
と、心の中で進は苦笑する。あきれた顔の進に、雪は笑顔を引っ込めて、ちょっぴり心配そうに尋ねた。
「あの……もしかして、こんな私物、食堂に飾ったらダメですか? 艦長代理?」
「いや…… そんなことは…… いつもみんなの心を和ませる配慮には感謝してるよ」
おずおずと尋ねる姿がおかしくて、笑いだしそうになるのを我慢しながら、進は答えた。一応、生活班長殿の面目も立ててやろうという配慮付きで…… もちろん、雪の言葉にも一理あるわけだし……
すると、雪の表情が再びコロリと変わった。にっこり微笑むと、
「ありがとうございます!艦長代理!!」
と、大げさに頭を下げて見せた。
「おいおい、いちいち艦長代理、艦長代理って言うなよ!」
雪にそんな風に呼ばれるのは、どうも面映い。進はいつもの「古代君」ってので十分だと思った。
「はいはい」
わかったのかわかってないのか、いい加減に返事をすると、雪は再びニコニコしながらツリーの飾り付けを始めた。その姿に進はまたふっと笑いが漏れる。
「しっかし、どうしてこんな遅くにやってるんだ? もう夜中だぞ、寝ないと明日に堪えるぞ」
これも本音である。自分のことは棚に上げてだが、多忙な雪に倒れられたら目も当てられない。寝るときはちゃんと寝てもらわないと困るのだ。だが……
「ごめんなさい。でも、いろいろバタバタして時間が取れなかったのよ。それを言うなら古代君こそ、こんな時間にどうしたの?」
とすぐに切り返されてしまった。自分だってそうじゃないの?って顔で、雪が進を睨んだ。これはちょっとばつが悪い。
「あ、ああ……ちょっと腹減ったから……」
進が鼻面をポリポリとかきながら、ぼそぼそと言い訳をすると、雪はまた肩を振るわせて笑い出した。
「えっ? まあっ、やだっ! うっふふふ……」
「何、笑ってんだよ?」
今度は進の方が劣勢になって、口をとんがらせた。ヤマトの中であっても二人きりだという安心感からか、だんだんと二人の会話がじゃれあいになっていく。
「だって……今日はあんまり怒鳴りすぎるから…… だから、お腹すいちゃったのね。ふふふ、ふふふ……」
「ったく、笑い事じゃないって言ってんだよ。もう1週間も訓練しててこれだぜ。いつになったらまともな訓練になるんだか」
「2年前の誰かさん達だって相当なモノだったわよっ!」
愚痴る進に突っ込むタイミングも、さすがに絶妙な雪である。
「ぐっ…… あのなぁ〜」
「うふふ、わかってるわ。あなたの気持ちは…… お昼間も言ったでしょう。古代君は思う通りに厳しく訓練をしていけばいいのよ。あの子達には必要なことよ。
でも、時には休息も必要でしょ? こんな風にクリスマスの気分を少し楽しんでみたり、優しく声をかける人もいなくちゃ……ねっ」
「で、君が癒してくれてるってわけかい?」
「ええ…… 生活班長ですもの」
得意げに微笑む雪。確かに厳しいばかりじゃやられる方も身が持たないのは事実だ。それに雪の笑顔なら、癒し度は120%間違いなしだろう。
「確かにね。感謝してます。けどちょっと待てよ。じゃあ、俺が怒鳴り役で、君が慰め役ってわけかい?」
「もちろん、そうよ!」
さらに得意満面の笑顔の雪に、さすがに進としても納得がいかなくなってきた。
「それってさぁ、すごく俺が悪者になってないか? でもって君においしいとこだけ持ってかれてる気がしてならないんだが……」
首を傾げる進を見て、雪はとうとう吹き出してしまった。
「ぷっ…… あ〜ら、ばれちゃった?」
「ったくうっ!!」
と睨んでみたところで、雪の方は全く動じない。笑い出したら止まらないといった風情だ。
「ふふふ…… いいじゃないの。そういう役回りなんだから。それより、なにか食べたいんでしょう? こんな時間だし、軽い食事のほうがいいわね。なにか温めてきてあげるわ」
「あ、ああ……」
と、結局うまいぐあいに丸め込まれてしまった艦長代理である。ヤマトでの力関係とは、こんなものであろう。その上、
「あっ、古代君、その間に、ツリーの飾り飾っておいてね!」
「了解……」
とあっさり請け負って、いそいそとツリーを飾り始める艦長代理に、既にその威厳はなかった。
「えっと…… サンタの靴は、こっちにかかってるから、もう一つはこっちの方がいいな。星はやっぱり一番上だよなぁ〜〜」
と、真剣に飾りを掛ける場所に悩む彼は、既にただの20歳の青年だった。
しばらくして、雪がトレイに何かを乗せてキッチンの方から戻ってきた。
「はい、どうぞ。缶詰を温めただけだけど…… 消化にはいいと思うわ」
雪が持ってきたのは、深めのさらに入った具だくさんのクラムチャウダー。缶詰のシチューを温めてきたらしい。それと、二人分のホットココアのマグカップ。
「サンキュー」
進は嬉しそうに、さっそくそのシチューを食べ始めた。雪はツリーを飾りを続けながら、チラチラと進の姿を見る。雪の視線を感じると、進も顔を上げてニコリと微笑んだ。そして雪も笑みを返す。
(なんだか、おうちにいるみたい……)
ヤマトの艦内なのに、深夜の静かな食堂で二人きりでいると、不思議な錯覚に陥ってしまう。まるで、二人の部屋で、二人だけでクリスマスの夜を過ごしてるような……そんな気分。
「さあ、できたわっ! ちょっとライトもつけてみていいかしら?」
「ああ……」
雪がライトのスイッチを入れて、ツリーは見事に完成した。
食事を終えた進と飾り付けを完成させた雪は、今度は肩を並べて座ると、ホットココアを飲みながら、出来あがったツリーを眺めた。
サンタやブーツ、星にりんご、スノーマンにお菓子の家などなどが飾られた小さなツリーに、七色のライトが交互に点滅し、キラキラと虹色の光を放っていた。
「明日、朝飯食いに来たら、みんなびっくりするだろうな」
ツリーを見ながら、進が目を細めた。
「そうかしら? こんなのでも喜んでくれると思う?」
「ああ、もちろん喜ぶさ! 君のいう通り、戦士にも休日は必要だよ。俺にはこんな細やかな配慮は、とても思い浮かばないからな。ありがとう、雪」
進は、横にいる雪にニコリと微笑みかけた。
さっきは冗談めかして言い合いになったが、自分が厳しくする分、ヤマト生活班長としての雪の存在意義が大きいことは、進にもよくわかっている。
すると、雪が照れくさそうに肩をすくめて進の耳元で囁いた。
「ほんとはね…… 自分が一番飾ってみたかっただけなのよ」
「あはは、クリスマス気分になりたくて……かい?」
「ええ、うふふっ」
ツリーのライトに映えて、雪の瞳がキラキラと輝いている。
本当に嬉しそうな顔をするな、と進は思った。と同時に、こんなツリー一つで嬉しそうな雪に、申し訳ない気持ちで一杯になる。
もしも……何事もなく時を過ごしていたら、と進は考える。
あの白色彗星の飛来がなかったとしたら、進と雪は既に結婚していたはずだ。そして、今頃は二人きりのクリスマスを家庭で過ごしていたかもしれない。
小さな家族の小さな幸せのひととき……
そんな雪のささやかな夢を、どうしようもなかったとは言え、自分が完全にぶち壊してしまったことを悔恨する気持ちが、ヤマトで地球を飛び出してきてしまって以来、進の心には常にあった。
「ふうっ、すまないなぁ…… 去年は全然準備も出来てなくて君のご両親に甘えてしまったし、今年こそは君と一緒にもう少しまともなクリスマスを過ごすつもりだったんだけどさ」
すると、雪は意外そうに瞳を大きく開いて、進の顔を茶化すように見た。
「あらっ、ほんとうかしら? 怪しいわ〜」
「な、なんだよ。人が真面目に言ってるのに」
せっかくシリアスモードで雪への気持ちを吐露したというのに、雪にすっかり茶化されて、進はムッとする。と、雪はさらに言葉を加えた。
「でも古代君、もうすぐクリスマスだって……ほんっとに覚えてた?」
ドキリ。それは図星だった。
去年のクリスマスの時は、来年こそはと誓ったのは事実である。だが白色彗星の事件があってから、進の全神経はそっちに集中してしまっていた。当然、ここ数ヶ月クリスマスのクの字も思い出すことなどなかったのだ。
「えっ? あ……いや、まあ……ちょっと前までは……な」
「ほぉらっ、やっぱり! うふふ……」
雪が鬼の首でも取ったように得意げな顔でコロコロと笑い出した。またもや、口合戦では進の負けである。
苦虫をつぶしたような顔をしている進に、雪は笑いを収めて静かに見上げた。進を見つめるその瞳には、彼への愛しさが込められている。
「でもいいのよ、ほんとはそんなこと、どうでもいいの。こうして、古代君と一緒にクリスマスを過ごせるんだもの。それでいいの。だって……」
そこで雪は言葉を止めて、うつむいた。そしてぽつりと言う。
「もう、来ないかもしれなかった……クリスマスだもの……」
「雪……」
進は、うつむいたままの雪の肩にそっと手を乗せた。
生きて帰れないかもしれない旅に出た二人である。実際、もう少しで命を失うところだったのだ。
だから……生きてこうして二人でクリスマスを迎えられるだけで十分に嬉しい、という雪の切ない思いは、進の心を強く打った。
彼女の肩に乗せた手に、微妙な揺れを感じる。
(泣いているのか?)
「雪?」
進は、その細くはかなげな背中を強く抱きしめたい気持ちで一杯になった。そして肩に乗せた手に力を入れて、雪を引き寄せようとした。
とその時、雪は進に背を向けたまま、突然立ち上がった。
「あっ、そうだわっ! ちょっと明かり消してみてもいいかしら?」
「あ、ああ……」
進が呆然としている間に、雪は入り口まで走っていって、明かりのスイッチを消した。そして進に見えないように、そっと指で涙をぬぐった。それから雪は戻ってきて、また進の隣に座った。
部屋が真っ暗になると、お互いの顔ははっきりと見えなくなった。しかし、クリスマスツリーのキラキラした輝きは、より一層鮮やかに目に映った。
「きれいね……」
「うん……」
暗くなったのをいいことに、進は再び雪の肩を腕でぐっと引き寄せると、二人の体がぴったりとくっついた。雪も今度は素直に体をすり寄せると、頭を進の肩にゆったりと乗せた。
「来年はきっと、地球でクリスマスできるわよね?」
「ああ、今度こそ、君のご希望のレストラン予約しておくよ」
「ええ、期待しないで待ってるわ!」
「こいつっ!」
うふふ……ははは…… 二人の密やかな笑いがこぼれ、それから沈黙が訪れた。そっと触れた唇は、とてもとても……温かかった。
翌朝の食堂には、ささやかなクリスマスツリーに歓声を上げる新人達の笑顔と、それを見守る生活班長の、昨日に増して美しい微笑があった。
そして、その後の訓練でしごきにさらに磨きのかかった艦長代理がいたことはもちろんである。
そして、生活班長のとびきりの笑顔と艦長代理のさらなる張り切り様に、メインクルー達が、なにやら「はは〜ん」と感付いたらしいことは、想像に固くないだろう。
そして、新人達は身も心も引き締めて、新たな気持ちでその日の訓練に挑んでいた。
その直後のことだった。デスラーからの緊急入電を傍受し、地球防衛軍からイスカンダル救援のための派遣要請をうけたヤマトは、意気盛ん、一回り大きくなった新人達を乗せ、イスカンダル救助に向かった。
クリスマスの日、イスカンダルに急ぐヤマトには、残念ながらその小さなツリー楽しむ余裕は残っていなかった。
その年の役目を十分に果せず終えた森雪のクリスマスツリーが、本来の目的である楽しいクリスマスの夜を演出するのは、それから3年後のクリスマスまで待たなければならなかった。
(背景:Holy−Another Orion− イラスト:Qween's FREE Wrold)
3年後のクリスマスツリー〜“戦士の休日”その後〜へちょっとラブラブだったりします……