進と雪の航海日記(宇宙戦艦ヤマト 第1話〜第26話より) 

宇宙戦艦ヤマトのイスカンダルへの航海を通して、古代君と雪のその時々に感じただろうことを、日記風にしました。航海日記と言っても、私的な日記という設定なので、それぞれのお互いへの気持ちの変化などを書いてみたいと思っています。

西暦2199年8月21日

 火星基地で研修中に、とんでもない宇宙船が飛びこんできた。島とふたりで、偵察にいったが、美人がひとり。だが、彼女は既に事切れていた。すごい美人だったが…… 手に持っていたカプセルには何が入っているんだろう。ガミラスの物なんだろうか? それとも、未知の世界の?
 冥王星付近では、地球艦隊とガミラス艦隊との決戦と聞いている。兄さんは大丈夫だろうか…… めったに会う機会はないけど、たったひとりの俺の兄さんだ。無事で、ガミラスをやっつけてきて欲しい。
俺もはやく、実戦へ出ていって、ガミラスを蹴散らしてやりたい!母さんと父さんの仇をうってやる。

西暦2199年8月24日

兄さんが……死んだ…… うそだ! そんなバカな事があるか! くそー

西暦2199年8月25日

 地球に帰ってきたけど、これからどうすればいいんだろう。兄さんが死んだなんて、まだ信じられない。あの沖田という艦長が兄さんの艦を見捨てて行ったに違いないんだ。どうして、連れて帰ってきてくれなかったんだ! 兄さんを……
 でも、今日、病院で見た、美人は、あの火星の美女に似てたなぁ…… 森雪とか言ったな。また、会えるといいな。なんとなく、気になった。今の俺にはどうしたいとも思わないけど。島もきっと彼女の事気になってるはずだな。

西暦2199年9月4日

 島が、あの病院の美女のことを調べてきたと、自慢げに教えてくれた。あいつは、なんでも抜け目ないな。いつも、出きる奴だ。えっと、「森雪、元は医師を志望していたが、看護婦が不足していると聞き、そちらに転向。成績優秀、他に、通信、レーダーの知識も豊富。家族は、父と母の3人暮らし」か。なんでこんなに覚えてるんだろ、さっき、チラッと見ただけなのに。なぜだか、他人に思えない……っていうか、なんだろう、この気持ち! 惚れたのか、進…… もっと知りたい、彼女の事が。

西暦2199年10月7日

 研修も終盤に入ってきたように思う。防衛軍本部では、何か特別のプロジェクトを始めているらしいと聞いているが。俺達もそれに参加できるんだろうか。早く、実戦にでたい! ガミラスをやっつけて地球への攻撃をやめさせなければ…… 地底への放射能の侵食もまだまだ続いている。
このまま、地球は滅びてしまうんだろうか。そして、俺も……

 
今日、宇宙戦艦ヤマトへの正式な乗艦命令をもらった。もともとは、ノアの箱舟計画で、若者達を乗せて、宇宙に漂流の旅に出るはずだったらしいけど…… もし、その計画のままの乗艦命令なら絶対拒否したけれど。だって、パパとママを置いて私だけなんて絶対イヤ! でも、計画が変わって、イスカンダルに地球を救う装置を取りに行く計画だっていうもの。かならず、帰ってくるわ。だから、笑顔で送り出してね。パパ……ママ……

 
でも、以前会ったあの二人も幹部候補として乗艦するって聞いたけど、大丈夫なのかしら。二人とも、私と同じ年くらいかしら? 一人の人はお兄さんをなくしてずいぶんしょんぼりしてたけど、心配だわ。
 ううん、他の人のことを心配する暇はないわ。私のできる限り、がんばらないと……
 だけど、アナライザーったら!! どうして、あんな回路のはいったロボットをつくっちゃったのかしら…… ほんとに、もう!!

西暦2199年10月8日

 昨日、あれから、ガミラス機を、島と追跡したが、ぜんぜん追いつかなかった。けど、ヤマトか……すごい戦艦だ!! これなら、もしかしたら、ガミラスを破ってイスカンダルまでいけるかもしれないと思える。ただ、あの沖田さんが艦長だなんて、俺はいやだ! あの男は平気で部下を見殺しにする男なんだ。そんな奴に…… 俺はついていけるだろうか。
 でも、戦闘班長として、艦の戦闘指揮を取ることになった。それは、本当にやりがいがあると思う。もちろん、不安はあるが、絶対にガミラスをひとり残さずやっつけてやる! 島は、航海班長、あいつに俺達の命を預けたようなもんだな。大丈夫かな? 人のこと心配している暇はないけれど。
 それよりも、あの雪ちゃんも一緒だなんて、これだけは、光明のようだ。一緒に旅ができるのがうれしい。昨日も、怪我にやさしく包帯なんか巻いてくれたし。島も狙ってるはずだからなぁ。
負けないぞ、島。ヤマトの仕事でも、雪ちゃんのことでも!

 古代進と島大介…… 昨日会った二人の名前。今日また会った。昨日は、中央病院、二人とも無茶なことするんだもの。ガミラスの偵察機を追跡するなんて。古代さんは怪我までするし、軽傷だからよかったけど。
 でも、ヤマトでの敵艦の来襲での対応は、立派だったわ。あの二人が、今年の宇宙戦士訓練学校のトップを争っていたって言うから……さすがね。でも、古代さんって少し乱暴そうな気がする。島さんの方が、フェミニストみたいに見えたけど。二人とも、ヤマトで私の姿を見てうれしそうだった気がする。ふふ…… うぬぼれかしら?? あぁ、でも、あのアナライザーも一緒だなんて! 昨日も、あの人達の前で、恥をかかされちゃったし、ほんとに先が思いやられる……
 明日は、いよいよ出発。次に、この日記を書くときは、もう宇宙の中ね。パパもママとても心配してくれているけど、私も、ヤマトの生活全般の責任者なんだもの。もう、後戻りはできない。この1年日記の最終ページは、必ず地球で書くわ。

西暦2199年10月9日

 今日、いよいヤマトが発進した。もう、後戻りはできない。沖田艦長……あの人も冥王星の戦いで息子さんを亡くしてていたなんて。あの人への認識が間違っていたのだろうか? 沖田艦長は兄さんを見殺しにしたわけではなかったのか……
 行って必ず帰ってくるからな。俺は必ずやり遂げる!

 ヤマトは、発進した……パパとママとの別れは辛かったけど、必ず二人に笑顔でヤマトの帰還を迎えてもらうつもり。待っててね。
 古代さんと島さんは、艦長直々に艦内案内に連れてらしたわ。あの二人っていつもセットのように一緒にいるわね。ライバルであり、親友ってところなのかしら。生活班管轄の施設の紹介をしたけど、珍しそうに見てたわね。
 そういえば、古代さんの艦長を見る目が乗艦の時から鋭かったような気がしたけど、なにか仇を見るような…… そんな感じだった。でも、長距離爆弾を破壊して出発した後の艦長を見る目は、いい意味で変わっていたわ。よかった…… 亡くなったお兄さんと一緒に出陣していたことに関係あったのかもしれないけど、沖田艦長はとても立派な方だもの。
 あらっ、どうして私ったら、古代さんのそんなところまで見てたのかしら。生活班長として、乗務員のチェック……かな? まあいいわ。
 第一艦橋では、私の仕事は、レーダー係。紅一点ね。でも、男の人達には負けないだけのことはやれると思う。だって、私はヤマトの戦士だもの!

西暦2199年10月10日

 今日、ブラックタイガー隊の初陣だった。ワープを控えて、もう少しで山本機が帰れないところだったが、なんとか戻ってくれてよかった。ワープか…… なんかいいもんではなかったな。けど、島に命を預けるってのはまさにこのことだよな。ほんとに固くなりやがって、心配したぜ。けど、あいつ、森君に励まされてすっかりやる気になってやんの…… ま、今日ばかりは許してやるけど、俺だって誉めて欲しかったなぁ。

 今日1日で、もう火星に着いた。どうしたかっていうと、ワープというのを体験したの。とても変な感じだったわ。体がばらばらにされてまたくっついたような、ぐちゃぐちゃにされたようななんとも言えない気分。でも、これが成功しなければヤマトの成功はないっていうことで、とても緊張しちゃった。少し、艦に損傷はでたけど、成功してよかった。ワープ可能地点の測定をしたのはわたしなんだもの、もし、なにか問題があったら大変だったけど、本当によかった。
 それに、ワープ直前に敵艦がやってきて、もう少しでブラックタイガーの山本さんが置いてけぼりになるところだったんだから…… 古代さん、必死に誘導していた。一生懸命に頑張ってるみたい。島さんも、彼の腕にすべてがかかっているってことで、とてもかたくなってたけど、でもとても頼もしかった。二人とも、今日はとても素晴らしかったわ。
 火星では、地球で見れなくなった雪(私じゃないからね……)が見れてよかった。ママにもみせてあげたかったなぁ。やだ、もうホームシックかしら。だめね、旅はこれからなのに。

西暦2199年10月11日

 波動砲…… すごい兵器だった。あれがあればガミラスだって恐くないぞ! けど…… あの波動砲の引き金は俺の手にかかっているんだな。今日は、大きな標的だったし、他に障害ぶつもなかったからよかったが、あの波動砲を撃った後は、エネルギー充填までヤマトの機能が一時停止するらしい。俺がもし、誤射でもしたら、それが攻撃してくる敵だったら…… そう考えるととても恐くなる事がある。腕をみがかないと。いつ、どんな時でも間違いなく撃てる様に。

 
今日は、波動砲という、ヤマトの最大の武器を見た。すごい兵器だった。あんな大きな浮遊大陸を簡単にふきとばせるなんて。真田さんも言ってたけど、使い方を間違えば大変な事になってしまう。沖田艦長も、実際に波動砲を撃つ古代さんも正しい使い方を選択してくれることを祈るばかりだわ。
 だけど、アナライザーも結構使い道あるのね。人間じゃないから、どんな環境の場所でも出て行って分析できるのは、大助かりだわ。少し、見なおしたわね。あのロボちゃんも。
 地球を出発してから、まだ3日しか経ってないけど、毎日、いろいろな事があって、もう何日もこのヤマトに乗っているような気がする。ずっと、この調子で順調にテストをこなしていければいいのだけれど。

西暦2199年10月13日

 兄さん……兄さん!! やっぱり、兄さんはもういないんだ…… 誰もいないゆきかぜを発見してしまった。でも、兄さんの亡骸も見つける事はできなかった。もしかしたら、どこかで…… そんな事を考えてみては、ムチャすぎる夢想だと思い直して見たり…… 沖田艦長も、辛そうだった。命令違反したから、怒られると思ったが。ま、そのおかげでコスモナイトがとれたんだからよかったってことにしよう。
 ああ、でも、今日の探索、雪ちゃん(この中ではこう呼んでもいいよな、誰も見てるわけないし)とふたりっきりだったらよかったのにって思ってしまったよ。(立ち直り早いな、俺)あのアナライザーの奴が邪魔者だもんな。でもって、雪ちゃんにはちょっかい出してるし、あいつほんとにロボットなのかぁ?
 けどさ、ガミラスの戦車をやっつけて、ちょっと雪ちゃんにいい格好できたよな。やっぱり、男は戦いで魅せなきゃな!逃げるって手もつなげたし……(そんときは必死だったけど、あとで帰ってきてから思い出すと、あの感触がなんとも言えない。いいなあ、女の子の手って。)

 
古代君ってどういう人なんだろう。今日、タイタンでいろいろな事があった。最初は、古代君とアナライザーとのトリオでの探索なんて、とんでもないことにならないかと心配したわ。案の定、アナライザーは人のお尻をさわってくるし、古代君は命令無視するし、古代君ってなんて乱暴な言葉遣いするのかとあきれちゃったり…… 挙句の果は、ガミラス兵につかまるところだった。でも、それは、逆に古代君とアナライザーに助けられたんだけど…… 
 だけど…… 古代君は辛いものを見てしまったのね。お兄さんの艦がタイタンに不時着していたなんて、本当にお兄さんが古代君を呼んだような気がする。形見のコスモガンも見つかったし。古代君、本当にさみしそうだった。ご両親も遊星爆弾で亡くなったと聞いてるし、お兄さんも絶望となると、古代君はひとりぼっち、ちょっとかわいそうになったわ。あんな乱暴な言い方しなかったらもうちょっと点数高いのにね。
 古代君たら…… あららら、自分で書いててなんでこんなに古代君って文字が多いのかしら。とにかく、目が離せない人だわ。生活班長としては、要注意人物ってことかしら。
 それに比べて、島君は優等生だわ。言葉遣いも丁寧だし、いつも落ち着いているように見えるけど。太田さんも親切だし…… やっぱり、航海班の人達が一番いいのかなあ……
 わたしったら、何を書いてるのかしら。でもいいわよね、これは私しか見ない日記なんだから。

西暦2199年10月18日

 これで、遊星爆弾の脅威は消えた! 俺達は、冥王星基地を破壊する事が出来たんだ!! 兄さん、どこかで見てくれているかい? 俺はやったよ! 兄さんの敵討ちだ!
 だが、冥王星の旗艦部隊はここから逃げて行った。おそらく、近い内に遭遇するだろう。気を引き締めていかないと。もうすぐ、太陽系からも脱出だ。
 でも大事な仲間も失ってしまった。これから、こう言う事が何度もあるんだろうか…… 辛い…… 誰一人欠けることなくイスカンダルへ行って帰って来たい。

 冥王星基地を、古代君達の活躍で破壊できた。よかった。地球のパパとママ、もう、遊星爆弾がこなくなったのよ。放射能はまだまだあるけど、ちょっとだけでも地下への浸透が遅くなってくれればと思ってるわ。
 でも、古代君達が基地の破壊に行っている間は、気が気じゃなかったの。空気タンクを破壊されて長く水に潜れなくなってしまって…… 私達、もうだめかと思ってしまったわ。本当によかった。今日は島君と一緒に古代君達を迎えに行ってきた。古代君、真田さん、アナライザー本当にありがとう。そして、亡くなった方に黙祷……

西暦2199年11月26日

 ふーっ、ちょっと酔っ払ってしまったなぁ。沖田艦長、酒強いなぁ。俺も結構飲んだけど…… 今日で地球との交信も終わりか。今度交信するときは、必ず放射能除去装置を手にしてるからな!待ってろよ、地球のみんな。
 けど家族との通信してるみんなを見てると辛かった。俺や沖田艦長には、通信を送る相手なんかいないんだから。でも、雪ちゃんに心配かけちゃったなぁ。通信席にボーっと座ってるところ、見られてしまった。なんか通信先がないって言うのもいやだったから、5分間そのまますまして出ていこうと思ったんだけど。
 家族かぁ、いつか自分の家族が出来るだろうか? 結婚して子供が生まれて……にぎやかになって…… そのとき、隣にいるのは誰なんだろう…… 森雪だったらいいのに……
 って俺何書いてんだ!? 「もりゆき……ゆき……」声に出して言ってみただけで心臓がドキドキする。こんな気持ちになったのは生まれて初めてだ。

 今日泣いちゃった…… パパとママに久しぶりに会って…… パパもママも元気そうだったけど、ママったらもう! 相変わらずなんだからぁ。でも、私の事を心配して私が必ず帰ってくると信じたくて、あんなにお見合い写真を集めてるんだもの。ありがとう、ママ。そして、パパ、ママのことお願いね。
 それから、もう一回泣いちゃった。古代君…… 誰もいなかったのね、通信する家族の方が。それに気付かないなんて、私としたことが生活班長失格だわ。あの砂嵐になったままの通信画面をうつろに見ている古代君の後姿見てたら、涙があふれてきた。同情したから? 違う……ような気がする。
 古代君のことを思うと胸がきゅんとなる。なぜ? どうして? 一生懸命頑張ってる人だけど、口も悪いし喧嘩っ早くて落ち着きもないし…… 私の好みじゃないはずなのに。
 それに、私に気のあるみたいだけど、本気なんだかどうだかわからない。いつもなら、さりげなくあしらうんだけど、でも、古代君の態度だけは気になってしまう。 ほんとに私のこと好きなの? ねぇ、古代君? 
 私は……古代くんの事が……好き。 え? 自分で書いて自分でびっくりした。私、古代くんの事が好きみたい。そう、好き、好き、スキ…… どうしよう…… やっぱり、好きになったみたい。なんとなくずっと気になってた。今日も、パパにヤマトで好きな人がいるのかって聞かれたとき、古代君のことが頭に浮かんだのは……好きだったから……なのね。どこがどんな風に好きかって聞かれてもわからないけど。
 「こ・だ・い・す・す・む・くん……好きよ」 声に出して言ってみたら、心臓がドキドキしちゃった。11月26日、私の恋の発見日かな?

西暦2199年11月29日

 ああ、今日はよく働いた! 力仕事?ってのはひさしぶりだよ。しっかし、沖田艦長はよくああ言うことを思いつくもんだよなぁ。科学力におぼれるとあんな盲点があることに気がつかないんだな。ガミラスにもつけいる隙があるってことだ。よーし! これからも頑張るぞ!! ガミラスの総統デスラー!! 首を洗って待ってろよ!

 今日は、どうなる事かと思った。機雷がもうヤマトに触れそうになった時は、目をおおいたくなっちゃった。でも、よかった…… 古代君達が、手で(ほんとに手でよね、笑っちゃう)全部取り除いてくれたから…… お疲れ様、古代くん!
 そういえば、今日も島君と古代君、漫才みたいなやりとりしてた。相変わらず、ほんとコンビよねぇ、あの二人。

西暦2199年12月3日

 今日は大変な一日だった。前はバリア、後ろは金属腐食ガス、その上ミサイル攻撃が来るし…… 俺もホント生きた心地しなかったぜ。島の奴もめずらしく熱くなってたなぁ、徳川さんにばかやろうとはな…… あっはは、アイツでもそんなこと言うんだな。まあ、俺も勝手に迎撃ミサイル撃って叱られたけど、あれきっと、艦長の具合が悪くて指示が遅れたんだ。それなのに、殴るなんてちょっとひでーよなぁ、艦長。結構効いたぜ、艦長のパンチ。
 でも、病気の方は心配だ。大丈夫なんだろうか、艦長。古傷が痛んだだけって言ってたけど本当だろうか。艦長にもしものことがあったら、このヤマトはどうなるんだ……?
 そうそう、そういえば雪の奴、今日、オリオン座のあの星に何を願ってるかと思ったら、「ある人が私のこと好きになってくれるように」だってぇ! 誰なんだろう?ある人って…… 聞いても教えてくれないし、気になるなぁ。俺のことだったらいいんだけど。
ああでも、俺だったら『ある人』って、俺に向かって言わないよなぁ。まさか、島!?ってことは…… うーん、だめだだめだ! 考え出したら、悪い方にばっかり考えてしまう。
 それに今は、そんなことを考えてる場合じゃないんだ。ガミラスを蹴散らして、イスカンダルへ行かなければならないんだ。女のことなんか……
 はぁ〜 そうは言うけどやっぱり気になる。雪……

P.S 今日、初めて雪のことを『森君』じゃなくて『雪』って呼んだ。彼女がそう呼んでいいってみんなに言ってくれたんだけど、なんかやっぱりうれしくなってしまった。雪はいつも呼ばれてるからか特に反応しなかったけど。

 今日も大変な目にあった。突然バリアに当たっているのに気付いた時は本当にびっくりしちゃった。せっかく、願い星が近くて古代君とのことをお祈りしてたのに…… 一歩間違えばその星に飲み込まれるところだったなんて。
 でも、やっぱり『願い星』なんていうロマンチックな夢でも見ないと、気持ちがふさがちゃうもの…… 古代君ったらロマンがないんだからぁ! でも、古代君、どう思ったかしら。
 『ある人ってあなたの事よっ』って言ったらどんな顔したかしら…… きっと私の事好きになってくれてるわよね? 古代君! だって、こんなに近くでお願いしたんだもの!
 そうそう、古代君が今日私のこと、初めて『雪』って呼んでくれた。友達からはいつもそう呼ばれてるんだけど、古代君に呼ばれると、なんだかちょっとくすぐったい気分! うれしかったわ……古代君。


トップメニューに戻る          オリジナルストーリーズメニューに戻る