進……すまない

俺はもう……

来年のお前たちの結婚式に出てやることができなくなったよ


俺の命のともし火は……

もうすぐ消えてしまうだろう

体から流れ出る血潮の量が、それを俺に教えてくれている

進、雪……

俺はもう二度と……

お前達の顔を見ることはできないだろう……




進……

ヤマトに乗ったらお前は

すぐにサーシャに出会えるだろう

真田はきっとサーシャをヤマトに乗せるはずだ

そして……

サーシャはきっと、お前を助けてくれるはずだ

あの娘(こ)は、星の運命(さだめ)を握る娘なのだから

この戦いで、地球を救うために役に立つはずだ



だが……

その後で、俺がもうこの世にいなくなったことを知った時

あの娘はきっと嘆き悲しむに違いない

母を失い、そして今度はこの父も……

だからその時は、進…… お前があの娘支えてやってくれ

あの娘には、たった一人の血の繋がった肉親なんだからな



頼んだぞ、進

どうか、サーシャのことを……

頼んだぞ……




俺はもう……





ああ、スターシア……

もうすぐ君のところへ行くよ

地球に戻り

生きて再び新しい人生を歩むつもりになっていたけれど

俺はやはり……

君の元へ逝く運命(さだめ)になっていたらしい……



スターシア……

地球の空はこんなにも青い……

まるで晴天のイスカンダルの空を見るようだ

いつか君と見た

あの晴れ渡ったイスカンダルの空を……









!!!

敵兵がここにも入ってきた

もうこの部屋も長くは持たないだろう

だが、ただ犬死はすまい

最期まで、長官を……長官を守り抜いて……

守り抜いて死ぬつもりだ

彼の人は、地球にもヤマトにも必要な人なのだから




俺は最期の命の炎を、燃え尽きるまで燃やそう



ヤマトのために……

ヤマトに

進たちに

地球の未来を託すために……

−END−

−BACK−

(背景 Four Seasons)

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