新春特別企画! 

古代君と雪のページのみんなにしつも〜ん!!
(第三回)


 さて、今回からは『完結編』後の彼らに関するご質問シリーズ!
 尋ねる相手は、古代君達だけではありません。いろんなカップルの実態が今、露に!!(笑) みんな、いろんな話を暴露してくれるはず……
 え〜!!そうだったのぉ!!だったり、やっぱりねぇ、だったり……?
 気軽に笑ってご覧ください!

 なお、第三回で終了の予定でしたが、予想以上にみんなおしゃべりなもので(汗) もう一回、第四回でラストとしたいと思います。

さて、今日は日を改めて、真田さんからいただいた!?禁断のタイムマシーンを駆使して、少し未来へ旅して行きたいと思います。
 完結編後、古代君達の結婚1年後のお正月に行ってみましょう!! 今日も性懲りもなく、彼らは集まって新年会のようです!
 ではっ!質問にいきま〜す! 
 「あけましておめでとうございますm(__)m 今年も(って変ですが(^_^;))よろしくお願いいたします」

 「いらっしゃい、あいさん。ゆっくりしてらしてね」

 玄関を入ると、やさしい笑顔の雪ちゃんがお迎えです。新妻家業も板についたようですね。それになんとなく表情が穏やかに見えるような気がします。
 雪ちゃんに続いてリビングの方に入ると、そこには既に半分できあがっている面々が…… 相変わらずむさい!?野郎ばかりですなぁ(笑)


 「雪さん以外の女性陣は?」

 「晶子さんと星羅ちゃんは来る予定なんだけど、まだなのよ。仕度に忙しいのかしら? でももう間もなく来ると思うわ」

 と、その時、入ってきたあいに気付いた南部君が、いつもの愛想でお迎えの一言です。

 「どうぞどうぞ、ちらかってて汚いところですが、好きなところにおかけくださいねぇ」

 と言ったところで、『パコッ』と古代君に叩かれました(笑)

 「いてっ!なにすんですかぁ! 古代さん」

 「どこが汚いところだって!? 人の家のことをなんて! お前らがちらかしんたんだろうが!」

 確かに……既に食べ物飲み物散らかして、すっかりくつろいでる彼ら。これじゃあ、家主古代君が怒るわね(笑)

 「あははは…… いいからいいから」

 「もうっ、みんなして、あんまり雪に手間かけさせるるんじゃないぞ。雪は今、大事な体なんだからなぁ……」

 古代君、とても優しい視線で雪ちゃんの姿を見ます。雪ちゃんもぽっと頬を染めて……本当に幸せそう。あっそうでした!雪ちゃんは、ただいま妊娠中なんですよね。

 「今年の夏には初めてのお子さんが誕生されるんですよね。おめでとうございます。古代くん!」

 「ははは(*^_^*) 照れるな…… ありがとう! すごく楽しみだよ」

 「うふふ……(*^_^*)」

 照れまくり、にやつきまくりのプレパパとプレママ。周りはまたまた囃し立てます。

 「ひゅうひゅう! 相変わらず熱いねぇ」

 「もうすぐ結婚して一年になるんだから、いい加減新婚気分は抜けてもいいのになっ!」

 たぶん、それは無理でしょう(^_^;)

 「楽しみだなぁ…… かわいいだろうなぁ、赤ちゃん」

 と、なぜか自分の子のように、思い描く相原君。君は自分の方を楽しみにした方がいいんじゃないの?もうすぐ結婚するんでしょう?
 そして当の古代君は得意顔で……


 「雪の子供だからきっとかわいいに決まってるさ なぁ、雪!」

 「まぁ、うふふ(*^^*)」

 「ほんと、雪さんに似るといいですね。外見も……性格も!!」

 相原君が鋭い突っ込み!! 言うねぇ、君も!

 「ぬぁにぃぃ〜〜!!」

 手を挙げて怒る古代君と頭を抱える相原君。でも二人とも目は笑ってます。そして、どっと笑いが広がるリビング……相変わらず、仲の良い!?みなさんです!!
 では、そんな和気藹々の中
まめママさんから最初の質問です!

 「じゃあ、みなさんにお聞きしたいんですが……」

 古代君たちの結婚式の2次会の様子を教えてくれ〜。これは本人たち談でなくても可、です。南部君や太田君に説明してもらったほうが・・・

 「じゃあ、僕が……」と太田君。「いやぁ、あの料理は本当に上手かったなぁ.南部さんのご推薦のケータリングサービスだったけど、うん!絶品だった。
 和洋中華全部揃ってたしなぁ。とくにあのヒレ肉のステーキも柔らかくて美味しかったよなぁ。あ、それから、エビチリもえびがプリプリしてて思い出しても……じゅる」

 あ、あのぉ…… そういうんじゃなくて……と思ってたら、南部君がフォローしてくれました(*^_^*)

 「こらっ! 二次会の料理の説明をしろなんて言ってないだろう!! 仕方ないなぁ、それじゃあ、僕が……
 二次会ったって、結局飲んで飲んでドンちゃん騒ぎって感じでね。式の披露宴の時からそう言う雰囲気が漂ってたからなぁ。古代さんは当然のごとく、みんなから酒を注がれまくって……
 そう言や、あれ全部飲んだのかなぁ? そうだとしたら、あの日は使用不可だったんじゃないかって心配してたんですけどねぇ。え?何が使用不可だって!? そんなもん、聞くだけヤボでしょう? あっはっはっは」

 ははは(^_^;)と笑いつつ、ここは尋ねどきとばかりあいは、鋭くクエスチョン!

 「それで、どうだったんですか? 奥様?」

 「やんっ(*^_^*) し〜らないっ!」

 またまた頬を染めて旦那様をちらり。古代君も苦笑しながら弁明を……

 「心配するな。酒は半分以上バケツの中だ!」

 「えっ? そんな気の利くことをする奴がいたんですか?」

 「山崎さんがね…… 経験者の知恵だって用意してくれたんだよ。披露宴会場から持ってきてくれてたんだ」

 「ほぉ〜!」

 一同、そんけーの眼差しで山崎さんを見る。山崎さんはふっと笑って……

 「結婚式当日、酔い潰れてしまったら、本人はいいとしても奥さんがかわいそうですから。それに、旦那は後から、その事で奥様の愚痴を毎度毎度聞かされる羽目になりますしね」

 さすがフェミニストの山崎さん。雪ちゃんへの心遣いでしたか! それとも、もしかして……山崎さんの苦い経験!?

 「で……二次会って結局明け方までやってなかったですか? けど、主役達はいつの間にか消えてましたよね?」

 と、思い出すように言ったのは、加藤四郎君。それに同意するのは、とぼけた顔の太田君!

 「あ、そうそう、俺も気が付いたら、なんで今日飲んでるのかわからなくなってたような……」

 「お前は最初からだよ!」

 島君が太田君の背中をドンと叩いて大笑い。そして……

 「俺は、知ってたぞ。二次会が始まって二時間も経ってたかなぁ。もうみんな主役そこのけで大騒ぎしてたじゃないか。司会をやってたはずの南部までしっかり宴会の輪に入ってしまってさ。
 それを見た古代達が、これ幸いに抜け出してったんだよなぁ。後はよろしくっ!て、俺に言い残してったんだ」

 古代君と雪が顔を見合わせてクスリと笑ってます。その後はちゃんと二人っきりの夜を過ごせたようね(*^_^*)

 「どうして止めなかったんですか! 島さん」

 加藤君が素朴な疑問。

 「俺だって新婚さんの初夜を邪魔するほどヤボじゃないぞ。それに、こっちはこっちで忙しかったしね(ウインク)」

 「は、ははぁん…… そう言えば、島さん一緒でしたものねぇ、……さんと。今日は来られないんですか?」

 相原君がニヤリと笑う。どうやら島君には連れがいたようですが…… ばればれのお連れさんとのラブストーリーは、今年中には……はい(*^_^*)

 「彼女は仕事があるから、後で落ち合うことにしてるんだ」

 「それはご馳走様!! 島さんのほうももうすぐいい話が聞けるんでしょう?」

 そう、島君達もそろそろ話が進んでいるらしいですね。けれど、島君だって負けてません!!

 「何言ってんだよ、相原、お前こそ、もうすぐ結婚式じゃないか!」

 「そうそう、そうなんです!! 相原君にも質問来てますよぉ!」

 相原君には、よーよさんとハロンさんから届いています。相原君たちも、結婚が決まりいよいよ今年の春には挙式の予定。仲人はムフフ……古代夫妻です!(「星のペンダント」参照)

 相原さんに質問。お爺様(長官)とは、うまくいってます?(よーよさん)
 藤堂晶子さんて一人娘なんでしょうか? もしそうだったら、相原くんは婿養子に行くのでしょうか? やっぱり、長官にも結婚の許可をもらいに行ったりするのでしょうかね。(ハロンさん)

 「あはっ、あははは(^_^;) ちょ、長官とですかぁ(汗) 普通ですよ…… 仕事中はそんなに話することもないし…… 雪さんもそばにいてくれますしね」

 「私じゃなくって、晶子さんもそばにいてくれる、でしょ?」

 「てへへ(*^_^*)」

 「じゃあ、プライベートではどうなんだよ?」

 声をそろえて突っ込む古代君あんど南部君! こういうことは嬉々としてやるなぁ(苦笑)

 「い、いやぁ、別に…… 家では、すごく静かで優しいおじいさんですよ。仕事中の姿からは想像できないくらいで。いや、おじいさんって言ったら失礼ですよね、まだまだ現役だし……」

 「で、どうやって結婚申し込んだか言ってみろよ! ん? お前、養子だったっけ?」

 おいおい、古代君。そんな事も知らなくて仲人できるの?

 「ち、違いますよ!! 晶子さんは一人娘ですけど、弟さんがいるんです! 彼が藤堂家は継いでくれるんです! まだ、高校生ですけどね。いい子ですよ! 頭もいいし、お父さんの後継いで、学者になりたいみたいですよ」

 「へぇ…… そう言えば、晶子さんのお父さんは大学の教授だったっけなぁ。けど、よくお前結婚のOK貰えたよなぁ。よく反対されなかったよなぁ」

 「ほんとそう思います。結婚を申し込みに言った時はすごく緊張しましたよ。でも、ご両親は、長官や晶子さんからもう話を聞いてたみたいで、僕が言い出すか言い出さないかのうちに決まってました。ははは……」

 二人の根回し勝ちってところでしょうか? のん気にそう言う相原君にみんなはあきれ顔。ほんと、幸せな奴です!

 「うっそぉ〜〜!! 信じらんねぇ!!」

 「僕だって信じられなかったですよ。それなりに反対されるかって思ってましたから。僕は田舎出身だし、母一人子一人のなんの取り柄もない人間ですしね。でも、後で晶子さんに聞いたら、長官が息子さん夫婦に『絶対人物は確かだから』って保証してくれたって……」

 ってことは、長官は最初から相原君の味方してくれてたのね。よかったねぇ、相原君!

 「相原君、藤堂のお父様にもお母様にもとってもかわいがられてるのよ。結納の時におっしゃってたもの。もちろん、長官も彼のこと頼もしく思ってらっしゃるわ」

 「ありがとうございます、雪さん!(;_;)」

 「うん、それは俺も認める。どう言うわけか、こいつ年配者に受けがいいんだよなぁ」

 と、珍しく古代君も同意。相原君ってかわいさでおじさん、おばさん系には人気なのかな?(笑)

 「ま、人徳ですねっ!」

 誉められて鼻高々の相原君に、みんなから愛のパーンチ!パコパコッ! それが収まった頃、今度は神妙になって相原君は古代君に頭下げました。

 「でも……古代さんにも感謝してます。僕らに結婚話が出た時、こっそり長官によろしくお願いしますって頼んでくださったんでしょう。それに、すごくヤダヤダって言いながら、僕らの仲人も引き受けてくれて、結納の時は、僕らより緊張してくれたし……」

 「お、お前、それ、誉めてんのか!?」

 「あっははは…… お前も雪の両親の説得に俺達が協力してやったんだから、相原にもしてやって当然だよな!」

 「うっせぇ!」

 島君に痛いところを突っ込まれる古代君。確かにその通り! 少しでもその貸しを他の人に返しましょう!!
 とにもかくにも、幸せ街道まっしぐらの相原君。もう、ほっときましょう! 他にも質問があることですし、ではっ! 次は太助君ですよ! よーよさんからです。


 太助君に質問。若菜ちゃんとはその後は?

 「おお、そうだ!! 徳川、お前彼女と去年の秋に再会したって言ってたよなぁ。どうなってんだ?」

 古代君は人のことになると、一気に元気付きます!(みんな同じか?)

 「えっ、ええ(*^^*) いや、まあ……そのぉ……」

 「付き合ってるんだろう?」

 「いやぁ、まぁ」

 もじもじ太助君、とっても恥ずかしそうです。

 「いやあ、まあばっかりじゃ、わかんねーよ!」

 「そんなことだと、先が思いやられるぞ!」

 「こらっ! 太助!! はっきりしろっ!!」

 面白がって突っ込む先輩たち、容赦しませんねぇ。まあ、あいが口を挟む必要がないので、楽ですが(笑)

 「は、はいっ! 一応、付き合ってます」

 「そうか、よしよし。で、どんな感じなんだ?もうキスくらいはしたんだろうなぁ」

 南部君が太助君の肩を抱いてニッコリ。さっそく突っ込みに入ります。

 「キッ…… そ、そんなぁ、まだですよ。だってまだ付き合い始めて3ヶ月ですよぉ!」

 「3ヶ月もありゃあ、いろ〜んなことできるよなぁ…… なぁ、しまぁ〜!」

 古代君、隣りに座っていた島君を見てニヤリ。今まで島君にはやられっぱなしだった古代君ですが、最近逆転材料ができてご機嫌だったりします。

 「なんで俺に振る!?」

 「俺が雪から聞いてないと思ってるのか? たしか去年の今頃だったよなぁ……」

 「むむっ…… それより、今は太助だろうが!」

 島君、上手く逃げました! 島君への突っ込みは、たぶん来年の新春企画ではきっと出てくるでしょう! 覚悟しててくださいねっ!

 「おう、そうだった。それでデートとかは、してるんだろう?」

 「は、はぁ…… 食事したり、街を歩いたり…… あと彼女が好きだから、よく本屋なんかに行きますけど……」

 「う〜ん、なかなか清く正しい交際だな。ははは…… まるでコーコーセーの付き合いじゃないか。なんか次のステップへのきっかけはないのか?」

 「へへ、実は、今度彼女が俺んちに料理を作りに来てくれる事になってるんですけど……」

 「おおっ! いいじゃないか!! 一気に押し倒せ!」

 古代君、さすが人夫…… 発言が大胆になりました(^_^;) 当然、奥様雪ちゃんからお叱りの言葉が……

 「あなたぁ!! いい加減な事言わないで! 二人ともまだ若いんだから、ゆっくり付き合って行けばいいでしょう。ねっ! 太助君(*^_^*)」

 「はいっ!」

 「仕方ないなぁ…… その内俺がじっくり口説き方を教えてやるからなっ!」

 パコン! 雪ちゃんにやられた古代君。その姿を見て、今日も静かに飲んでいた真田さん、感慨深げに一言……

 「しかし、古代もそんな事をいうようになったのか! 兄貴がいたら聞かせてやりたいセリフだよ……」

 う〜ん、守兄さんのことですから、もしかしたら隣りで聞いてるかもですぅ!

 「そう言えば、清く正しい交際と言えば、当然……」

 相原君が、ちらりと南部君を見ました。今までニヤケテばかりいた南部君が、おっとと仰け反ります。

 「な、なんのことだ?」

 「うふふ、そうなんです相原君! 来てますよぉ!南部君にも質問が……ほらっ!」

 南部さんに質問。星羅ちゃんと結婚するの?(by よーよさん)

 「おおっ! 来たなぁ、みごとストライク!!」

 太田君が笑ってます。が、もちろん、南部君はいきなり焦りモードになりました。南部君も人のことならどんどん突っ込むのに、自分の事だと本当に弱いんだからぁ!

 「け、結婚なんてするわけないだろう!! 彼女は、まだ15歳だぞ。今年でやっと高校生だぞ、高校生!! 俺はちょっと彼女の保護者がわりになってるだけで……」

 その頃、玄関の呼び鈴が鳴りました。雪ちゃんが慌ててお迎えに…… そんなのも無視して、まだまだ南部君攻撃は続きます! 相原君、今度は突っ込み担当です!

 「そうなんですかぁ……? でも、しょっちゅうデートしてるらしいじゃないですか?」

 「私もそう聞きましたよぉ!」

 確か星羅ちゃんに押し切られた形で、それも両家の両親のお墨付きで、お付き合いしてるんですよね? もちろん、相原君はそう言うことはちゃんと調査済み!

 「ちょっと付き合ってやってるだけだよ。変な虫がつくといけないからって家の母親や揚羽のほうからも頼まれてるからな、仕方なくなんだよ」

 「仕方なく……ねえ。じゃあ、彼女の事はなんとも思ってないんですか?」

 「そういうことを考える相手じゃないだろう! 彼女には彼女にふさわしい相手がそのうちきっと現れるさ。子供相手に本気になれるかって」

 おっと、南部君。随分言いますねぇ。いいのかなぁ? 相原君もその点をつきます。玄関に背を向ける南部君の後ろに二人の女性の姿が見えて、相原君はニヤリ。

 「ほんとは好きなくせに…… 素直じゃないんだからぁ」

 「そ、そんなことは……ないさ!」

 強がってると、ろくな事ないですよ、南部君! 後ろに誰がいるか知ってるの?

 「な、南部さん……後ろ……」

 「えっ!?」

 「そうだったんですね……」

 「せ、星羅!?」

 さっきのお客は、星羅ちゃんと晶子さん。少し前からへやに入ってきて、南部君の話を聞いていたみたい。星羅ちゃん、ショック!! もちろん、振り返った南部君は顔面蒼白!!
 南部君ったら、星羅ちゃんが来る事はわかってたんでしょう? 本当に自分の事になると迂闊になるのは、元上司譲りですねぇ(ため息)


 「わたし……迷惑だったんですか?」

 星羅ちゃんは、既に涙目。ウルウルしてます。南部君も立ち上がってオロオロ……

 「ちょ、ちょっと待って!星羅!」

 「それなら、そうだと言ってくだされば…… 私、もう……南部さんのお邪魔しません!」

 涙がポロリと落ちた星羅ちゃん。そのまま振り返って出ていこうとするところ、南部君がその手首をすぐに掴みます。まわりのみんなは、はっきり言ってその状況を楽しんでるみたい。

 「それは誤解だから。ちょっとこっちに来て…… 雪さん、応接間借りますねっ!」

 南部君、そう言い放つと、星羅ちゃんを引っ張って隣りの応接室へ…… このあたりはさすがに南部君、焦るばかりだった元上司と違ってフォローが早いぞ! みんなポカンとしてましたが、はっとすると、口々に言いたい事言っています。

 「あいつ〜、応接間に引っ張りこんで何するつもりだ?」

 「謝って、なだめすかして…… あいつは口が上手いからなぁ」

 「だいたい星羅だってぇ? もう呼び捨てにしてやがるもんなぁ。すっかりいい仲なのにさぁ」

 「ここに来る道すがら、星羅ちゃんずっと南部さんの話をうれしそうにしてくれてたのよ。隠す南部さんが悪いのね」

 晶子さん、ちょこんと相原君の隣りに座って、みんなの予想が当たっている事を証言してます! 相原君って実は彼女からの情報も随分手に入れてるんじゃない?

 「きっと、本当は君の事が好きなんだよ、なぁんて言ってんじゃないのかなぁ?」

 「キスくらいしたかもな?」

 「あいつならやりかねん!」

 「不純異性交遊だ!!」

 「けど、お互いの両親は乗り気なんだからなぁ。そうもならんだろう?」

 「何にしたって羨ましい話だ」

 と興味津々、二人の消えたドアを見ながら話すこと約10分……二人は戻ってきました。
 南部君はなんとかなだめるのに成功したらしく、ほっとした顔。星羅ちゃんは涙もなんとか止まったようで、ちょっぴり頬を染めてます。


 「なにやってたんだぁ、人の家の部屋で勝手に! 変なことしたんじゃないだろうなぁ」

 「ちょっと話してただけですよ。そんな短い時間に何するって言うんですか! 古代さんたちじゃあるまいし……」

 「ひとこと余計だよっ! で……星羅さん。南部、好きだって言ってくれたかい?」

 古代君の質問に、星羅ちゃんはニッコリ笑って……

 「……はい」

 「こ、こらっ! みんなの前では内緒だって……だな」

 南部君、またまたおお慌て。その話は内緒のはずだったらしいです。

 「どうして内緒にしないといけないの?」

 「そうだそうだ!」(と茶々を入れる周りのギャラリー)

 「あ…… あの、だからそれはねぇ……」

 「やっぱり私じゃ……」

 「い、いやっ! その……」

 古代君が苦笑して、とうとう爆弾発言付きで最後通牒です!

 「あきらめろ、南部!! 素直に認めたほうがいいぞ。それになんだ? お前の口、赤いのついてるぞ!」

 「えっ!?」

 慌てて唇をぬぐう南部君に、一同大爆笑! 星羅ちゃんはポッと頬を染めてうつむいちゃいました。これは、古代君ナイスヒットのようですなぁ!

 「付いてねぇよ! 墓穴掘りやがったな」

 「うふふ…… そうよ、彼女、口紅なんかつけてないじゃないの」

 「あ〜っ、しまった!」

 さぁて、自らの気持ちをとうとう認めてしまった南部君ですが、さて、星羅ちゃんからは彼はどんな風に見えてるんでしょうね。ミルクさんからこんな質問をいただいています。

 星羅ちゃんに質問です! 彼が“素敵なお兄さま”だというのは同意してもいいかなぁ〜と思います。(←失敬) んが、しかし、“王子様”というのは・・・!!!(堪笑←再び失敬)
 星羅ちゃんから見た“康雄王子様”がどんな感じなのか、おせ〜てくださ〜い!!!
 (きっと相原くんも太田くんも知りたがってるハズ!!!)


 「おお、そうだそうだ!! 聞きたいぞぉ!!」

 相原君、太田君、同意してます!!

 「ちょっ!……うぐっ」

 「お前は黙ってろ! 星羅さんに聞いてるんだ!」

 南部君の口をぐっと抑えこんで、古代君がニヤリ。

 「私……」

 「星羅さん、南部さんのことは気にしないで、好きなこと言っていいから、ねっ!」

 ちょっと困った顔で南部君の顔を見ていた星羅ちゃんでしたが、憧れの雪さんからのやさしいお言葉に、すっかりその気。上気した顔で嬉々として話し出しました。南部君は、まだ古代君に取り押さえられてます(笑)

 「はいっ!南部さんって、いつもとってもやさしいんです。私がしたいな、って思うと、必ずちゃんと気付いてくださって…… お食事とかパーティとかに行っても、とても上手にエスコートしてくださるんですよ。
 だから、南部さんといると、例え星羅が目を閉じていても、絶対にころんだりしないくらい、安心できるんです(*^^*)」

 この話に、みんな絶句。さすが女性の扱いはヤマトクルー一と評判の南部君。王子様ぶりを発揮しているようですなぁ。相原君も太田君も口をポカンとあけてます。とても真似できそうもないって感じ。

 「すご……」

 「いいわねぇ、羨ましいわぁ……」

 雪奥様、星羅ちゃんの話にうっとり…… ちらっと我が夫を見る目は……ちょっと冷たい!?

 「なっ! どう言う意味だ!?雪」

 「私も南部君にすればよかったって、今一瞬後悔したわ」

 「お、おいおい!」

 古代君、抑えていた南部君をほっぽらかして奥様に哀願か? 雪ちゃんに「冗談よ」と笑ってもらって、やっとほっとしてる相変わらずの旦那様です。と、ここで星羅ちゃんが二人のフォローです!

 「うふふ…… でも、南部さん、いつもお二人のこと羨ましがってますよ。お互いのことをいつも一番大切に思っているすごく素敵なカップルだって…… 私じゃあ、まだまだ南部さんの気持ちもわかってあげられないもの」

 「ま、まぁな……」

 古代君、安心したように笑顔。雪ちゃんはくすくす笑ってます。本当に奥様の気持ちいつもわかってあげてるの?

 「そんなことないって、星羅といれば、僕は楽しいよ。さっきも言っただろう?」

 さっきと随分態度が違うぞ!南部王子!

 「やっぱり星羅ちゃんには南部君は王子様なのね?」

 「そんなこともないんです。だって南部さんに頼ってばかりじゃだめですものね。南部さんがいつも気が休まるような雰囲気を作りたいって思ってます。だって……ずっとずっと一緒にいるのに、気を張ったままじゃ大変ですもの」

 上目遣いに南部君をまぶしそうに見る星羅ちゃん。本当にかわいくて、でもとっても素敵です! 加藤君が羨ましそうに言います。

 「いいこと言いますねぇ…… 本当に15歳? いやぁ、南部さんにはもったいないですよ、全く!」

 「でも、ずっとずっと一緒……っていうことは、話を蒸し返すようですけど、やっぱり結婚するんですよね? 本当はプロポーズとかも済まされてるとか?」

 「だからぁ! してないってそんなのは!!」

 まだ抵抗してますな、南部君! ここですかさず相原君は星羅ちゃんに矛先を向け……

 「でも、星羅ちゃんはその気だよね?」

 「ぽっ(*^^*)」

 「ほらほら、南部、女の子にここまで言わせる気か?」

 古代君も詰め寄ります。雪ちゃんも晶子さんもニコニコ笑って…… 南部君もう逃げられないぞ!

 「だからぁ…… 今はまだ……だめですって……」

 「どうして?」

 「星羅はまだ若いんだから…… 俺が今から彼女の一生を決めてしまうわけにはいかないって思ってるんですよ! せめて20歳になるまでは……」

 「ってぇことは、20歳になったらプロポーズするんだな?」

 今日の古代君、冴えてますよぉ!! 南部君ついに陥落か?

 「あのねぇ……」

 と言いかけてちらりと星羅ちゃんを見る南部君。ちょっと心配げに大きな瞳で見つめる星羅ちゃんの顔を見て、南部君は、とうとう観念したように優しげな笑みを浮かべました。そして小さなため息をつくと……

 「わかりましたよ、認めます。僕は彼女が好きです。とても大事にしたいと思ってる。だから、彼女が成人した時……その時になっても、彼女が僕の事を好きだと思ってくれるなら……結婚を申し込みますよ」

 「南部さん……(*^^*)」

 星羅ちゃん、すごく嬉しそう! もちろん、みんなもまるでもうプロポーズをしたような大騒ぎ!

 「やったぁ〜〜〜〜!!」

 「言ったぞ!!!!」

 「俺達が承認だからな!! 浮気するなよ!」

 「わかってるよ!」

 「それまで、手も出すなよ!」

 「うぐっ……」

 最後は南部君、すっかり星羅ちゃんとみんなのペースにしてやられたみたいです。でも、なんたかんたと文句言いながら、最後は幸せそうにニヘラと笑っている南部君は、やっぱり果報者です!
 ちなみに、「それまで手を出すな」と言われた南部君。本当にプロポーズをするまで手を出さなかったのでしょうか? それは皆様のご想像に任せましょう。

 さて、そろそろ時間がなくなりました。あいは、またタイムマシーンでさらに未来に行くことにします。皆様お元気で!!

 ということで、次回こそラストにするつもりです! 今度は、古代家の子供達が誕生した頃から、成長してからまで広範囲でいきますよ!(ほんとに今度で終るんだろうなぁ(^_^;))
 ではでは、また続く……ですm(__)m

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(背景・イラスト:幻想素材工房、Queen's Free World)